X48章X
【服毒を謀った者の胸中】
早い話―――彼も恥を知るということは忘れていなかった模様。
それであるがゆえに、太傅のくれた温情も苦痛に感じ、
どうせならばこのまま消えるようにいなくなろう・・・といった心情もあったのではなかろうか。
【眼の冴える策を献ずる誰か】
これが、すでに『尋常』(よのつね)ならざりき事の発端であり―――
しかも、これをもっていた者が、譜代の家臣でもなければ、自分が目をかけていた太傅ですらない・・・
とは、ここに来て、いよいよフ国の窮も極まったと見るべきか。
【前もって三人が来ることを知っていたタケル】
まぁ―――彼は、各地各国に『禽』を飛ばしていますからね。
遅かれ早かれヴェルノアがそういう行動に出るのを知っていたわけ。
―――で、併せて国の内乱を鎮めた折には、三人がアヱカの下を訪れるだろう・・・
と、そこまで予測は立てていたということ。
しかしここでお一つ―――・・・
彼は確かに、『禽』によりヴェルノアの軍事行動を知っていた―――・・・と、前述しましたが、
実はこれを裏付けるある出来事で、何よりも彼は国を統べている者本人の口から、
そのことに及ぶであろうコトを聞き出していたのです。
【実は次の一手が用意されていた事実】
≪四節≫では、アヱカがタケルに念を押すような形で、あることをいっている場面があります。
そう―――それこそが、自分たちも一軍を率いて、コトを構える・・・と、云う事を匂わせる場面なのですが、
実は今はまだその段階ではないとし―――また、国の要人たちにも要らぬ心配をさせるのもどうかと思っていたタケルが、
そのタイミングを見計らっていた―――と、云う事が垣間見れるだろうか。