54章
【“同志”を意味する言葉】
以前は―――その言葉を解さないどころか、発音ですら自分たちの知るものでないことから、
どこか不気味さが漂っていた・・・のだけれど、
一度判ってしまうと、その言葉は『同じ志の下に集まる者達』の事だという。
同じ志の下に集まる者達・・・その志がどういうものかは知らないけれど、
聞いていくうちにどこか胸の剥く思いがした・・・
“人間”ではない州司馬が、その命を賭してまで貫かんとする“皇”の志・・・
それを人間である自分が何もしないで、ただ手を拱(こまね)いていていい理由もあっただろうか―――?
そういう自問自答をヒがしたかどうかは定かではないが、そういう面は往々にしてあっただろう。
【過去には臆病だったサヤ】
その一場面を覗かせるのが≪二節≫の語り。
その中にはどうして異種族でもあるキリエとサヤが仲が良いのか―――という件もあるので、
見逃してはなりませんよ。
【准将の言葉に悄然してしまう二州公】
別段ヒはキリエのことを悪く言ったつもりはないのだけれど、
結果そういう風になってしまったという事。
キリエが―――今、自分たちの眼前で黒騎士相手に死闘を演じている、
『蒼龍の騎士』だという事は云ってはならないこと・・・
その事は自分が一番良く知っている事であるために、不器用に聞こえてしまうのはそのため。