§60章§
【“遺構”というには余りに不釣合いなこの場所】
世間一般には、ここは『ドルメン』という事になっているけれど・・・
ゼシカが自身でも確かめた偽装の数々―――・・・
私の知っている木の幹の中には、何かの装置のようなものなど付いてはいない・・・
しかもこの女性(アヱカのこと)は、私以上にこの場所に詳しく、
それに・・・どことなく、私が会った “皇”のアストラルバディ と、雰囲気が似ている―――・・・
【封印を解く言の葉】
それはやはりそうだった―――ここが ドルメン ではないとしたら・・・
そこにあったのは、もはや朽ち果てた遺構などではなく、往時の瑞々しいまでの『皇城』・・・
どうしてこのような現象が、一人の人間の言葉などで、軽やかに行えるのだろう・・・
ゼシカの好奇心は、またも一つ増えるのですが、このときはそこまで―――
そこから先は、『59章』のキリエの言葉の中にもあったように、“皇”・・・
いや、このシャクラディア真の持ち主である、女禍様の口から直接紡がなければならないことでもあったのです。
【意外にお茶目さん】
いままで―――は、そう対して返答に窮する事などなかったのですが・・・
ここに来て、女禍様が実はかなりな『忘れんぼ』さんであることが発覚。
しかもそのときの言い訳の仕様も、かなり苦しかったところを見ると、『おっちょこちょい』な一面も・・・?
万事が万事、完璧な振る舞いをするかのようなかのお方も、一皮剥けばなんと人間くさい事か。
そこが女禍様の魅力でもあるのですが・・・
【“ニルヴァーナ”を知る者】
その人は、そのとき紛れもなく“ニルヴァーナ”を カレン だと云った・・・。
“ニルヴァーナ”<炎妖>・・・正式な名を―――カレン=ニルヴァーナ=ヘカテ=ヴェスティアリ・・・
しかし、通説では、ファーストネームを削った名で親しまれるゼシカの母・・・
どうして―――彼女がそうしなければならなかったのか・・・
その所以を知る者は、シホを除いて知る者はいない―――・・・
【=鵺=がラー・ジャの陣に来ていた真相】
総ては・・・14年前―――そのことを境に、このお話は始まっていたとさえ言われているある出来事・・・
ジィルガ=式部=シノーラ タケル=典厩=シノーラ ザルエラ=タナトス=スービエ
そして・・・
―――ガラティア―――
奇しくも、お話のキーパーソンは、過去に出揃っていたのです。