{61章}
【タケルが感じた“刻の中心”】
彼だからこそ感じた―――数々の事象・・・
ヴェルノアの公主や雪月花の三人・・・加えてクー・ナのホワイトナイツの二人・・・
各国の主要人物といっても過言でないものたちが、一同にしてこの国に集まり始めている。
それが、その年の初めにして、初めての国の行事に、果たしてこんな事が有り得るだろうか―――?
今、ここは・・・いや、ある方の下には、確実に人というものが集まりつつある。
他者は、それを≪歴史の転換≫と呼ぶのである。
【そんなタケルが頼みとしていた人物】
ならば―――ということで、彼はいつその方に治世の実権が移ってもいいように、
制度の改革など推し進めようとするのですが・・・
やはりここで気になるのは、身内のほうで反対する者が出はしないか・・・と、言う懸念に駆られるわけであり、
少なくとも、身内などの味方をつけることなく、大改革を推進させて失脚をしてしまった、
ハイネス・ブルグの現政権の二の轍は踏むまいとしていた事が、ここでは見て取れる。
では―――ここでタケルが頼みとしていた者とは・・・
云うまでもなく、王侯政治の代表者として近隣各国に名の知られている≪ヴェルノア公国公主・婀陀那=ナタラージャ=ヴェルノア≫
その人であったのではなかろうか。
しかし―――そんな彼女に、自分たちが推し進めようとている改革の後押しをしてもらうという・・・
あたら『虎の尾を踏む』に似たことをすることに、一縷の不安はあった様ではある。
【古えには、キリエですら渋い顔をしていた“皇”のご趣味】
実は―――このことは暗に今までにも何度も記述している事ではあるのではあるが・・・
ではそれとは何か―――それは、『家庭菜園/ガーデニング』の事である。
このことは、また後のお話にて詳しく記述する事となろうが、ここでは少しばかり触れておきたいと思う。
アヱカと女禍様の共通点―――それこそが、ガク州に飛ばされたとき、州城に付くまでの間にとった行動である。
かの方々もガク州の荒れた土地の現状を鑑み、どうしていい土質を持ちながらも―――と、思われたところ、
現在までの州政のあり方を痛烈に批判する一農民と出会い、その彼の持つ土地を耕してやったという実績があり、
その彼をして実に感嘆せしむる腕前であった―――と、伝えられているくらいなのである。