<64章>
【今回のお話の冒頭に出てきていた、不特定の者達】
実はその者達こそが、前回説明不足であった『凍結死していた身元不定の女たち』なのであり、
しかもその実、彼らの紹介にはあの『禽』たちと同様の説明がなされているのにも注目を。
【追撃を行った『禽』たちとの邂逅】
そしてここで、『禽』たちの追撃の手が上がるのですが―――・・・
やはりよろしく彼女たちは顔見知りのようで、逆に襲われるという憂き目に・・・
しかも―――そのうちのマキには、どうやら顔見知り以上・・・
もう少し詳しく言うと、『肉親』ではないか・・・との声があるのにも注目を。
【シホがカ・ルマ側にいる一つの理由】
まあ―――確かにこれは、『内部からの崩壊を目指している』でも間違いなのではないけれども、
あくまでそれは大儀的見地に立っているからのこと。
つまりこれは、もう少し細かく噛み砕いたものであって、
遥か昔に自分たちの組織(これは『皇国・シャクラディア』云々のことではない)と対立していた組織の技術が、
このボクオーンの手によって復活しようとしていたのを事前にキャッチしていて、そのことの阻止を図ろうとしていたことが判る。
【“死せる賢者”リッチー】
その者は―――もうすでに輪廻の枠組みからも外れた存在・・・
『アルケミー』や『ウィザード』『ソーサラー』たちよりも、遥かに優れた魔力や知識を持ち合わせ、
加えてその存在は剣伎の達人であったともされる。
何者にも染まらぬ―――という頑健な意思を持ち合わせ、曰く、その存在が好んで使用した色が、
皮肉にもカ・ルマと同じ『漆黒』であったという。
須らく『宇宙の理』を理解していたとしても、その知識欲はとどまるところを知らず、
かの存在に云わせれば『生涯現役』こそが口癖でもあったという。
【不徳の魔術師を断った裁きの剣】
それこそが・・・これ―――全身から蒼黒い晄りを放ち、時空や高位次元生命体をも切り裂けると云われている、
“裁きの剣”の一振り―――<斬穫剣;グラム>なのです。
【<八節>での彼女たちの呟き・・・】
これは結構重要なことです―――何しろ彼女たちの真の目的がここに一気に書かれているわけですから。
そう・・・つまり、この『禽』なる集団の結成の真実や、その真の頭が誰であるか―――を、ここでは暗示させているのでして、
そのことは今回余り触れなくても、或る程度のゲスカン(下衆の勘繰り)を行使すれば見えてくることなので、
あえて多くは語りません。
(何しろこのことは、この後のお話―――本篇ではなくて、新篇に大きく係わってくることだから。)