=65章=
【創られた文書】
それこそがフ国王の“遺言状”になるわけなのですが、
その“遺言状”には、自分の血族の中に、この国の王となるべき相応しい人物がいなければ、
それに相応しい人物に譲る事を前提としていたのではありますが・・・
その最有力候補の片翼に、アヱカの名が連ねてあった事に注目されたい。
【婀陀那の涕】
フ国王・ショウと、ヴェルノアの公主・婀陀那とは全くの他人・・・
で、あるのにも拘らず、故人を悼む態度は肉親・血族よりも深かった・・・
では、なぜ―――とも思えるのですが、
実は婀陀那は幼少の時代に、フ国を度々訪問した経験があり、
そのときにショウに大層気に入られ、可愛がられたのです。
そしてショウは行く行くは、自分の息子ヒョウの嫁に・・・との思惑もあったらしいんですが、
このとき既にヒョウは病床についており、婀陀那もその気がないにしてもお見舞いは欠かせなかったとか。
【世の無常を知らせる風】
強くも激しく吹いた一陣の風―――それは偉大なる王が亡くなった証であるように、
青々と茂っていた木々の葉を散らしたものでした・・・
そして―――それは同時に、一つのカリスマの時代が終わり、
またこれより新たなカリスマが出てこようとする予備動作でもあったのです。