<70章>
【録尚書事と尚書令の謀議】
≪二節≫で婀陀那とイセリアが話し合っていたことこそ、ハイネスブルグの今後の措置の事。
かの国はイセリアやリリアたちの母国でもあったわけなのだが、
作中の彼女達を見てのように、最早母国に対しては何の未練もない模様。
しかし―――例えそうであっても、やり方があからさまだったら、
カ・ルマの如きだ―――と非難されても仕方ない事だとし、
ここに緩やかなる占領統治政策が進められようとしていたのである。
【しかしそれでも出足が鈍っていたわけ】
―――だとしても、ここでの彼女達は、他の誰かを気遣う・・・顔色を伺いに出ているのではあるが、
それがタケルとアヱカの主従なのである。
また、彼女達は、タケルならば少しは話しが判ってくれるだろうとしてはいたのだが、
アヱカのほうは、頑(かたく)なに拒絶するであろう―――と、踏んでいたようではある。
それはどうしてなのか・・・と、云うと、お忘れであろうか―――
アヱカが、このお話に一番最初に登場してきたときの場面の事を・・・
【イセリアの一喝―――】
おそらくこういうものだ・・・ということを既に読んでいた―――
以前には、同じ国の官という事もあり、容赦をしていたものだったのですが・・・
今回は違う―――今回は、他の=列強=の外交特使と来て参じ、
意見交換のさなか・・・だっにも拘らず、またも騒ぎ出した―――
そこを、イセリアは容赦しなかったのです。
つまり、ここから読み取れる彼女の感情こそは、
最早ハイネスブルグは=列強=の一つでさえもありえない・・・と、云う事である。
そして、ここに事実上ハイネスブルグは名ばかりの=列強=として名を留め、
イセリアや婀陀那の思惑通り、コトを運べたという事。