{81章}
【忠烈義魂の碑】
この 碑 は、この度遭難しかかったフ国要人の手によって建立されたもの。
けれども、その意図するところを、ほとんどのものは知らない―――
ましてや、その碑に祀られているのが、アヱカを襲おうとした者達であることなど・・・
けれども、そのことを知っていた者達は、誰一人として異論を唱える者はいなかったのです。
それどころか、尚書令の手により、その者達を“忠孝第一にして、褒め称えられるべき者”と、されてしまっては、
今般の事情に疎い者でも、そうせざるを得なかったようです。
【“一人ぽっち”のリリア】
まあ確かに、婀陀那の婚約を機会に、我も―――ということで多くのカップルが出来たことはいいことだけど・・・
では、婀陀那を慕っていたこの人はどーなのよ?
それゆえに仲間はずれになったことは否めなかったのですが・・・
実はリリアにも 縁 というものがありまして、それが今回ひょっこり顔を出したジン州公だった―――と、云うわけ。
【臨終】
彼に関しては、よく頑張りました―――と云うべきでしょう。
身体が悪いのに、大宴会を開くなど相当無理をし、
すでに一時代を築き上げた、父親の評価さえも失墜させるようなこともした・・・
そんな―――彼をここまでさせた動機にはなにがあったのか。
そのことの一因が、あのサナトリウムでの出会いではなかっただろうか。