−〜90章〜−
【どうやら一枚岩の結束ではなくなってきたカ・ルマ】
―――とはいえ、ジィルガさんが参入してきてからは、こういった調子で・・・まあ、それも仕方のないといったところか。
それに―――彼女が再びこの世に蘇らせられたというのも、ある意味ではこういうことなのではあるし。
けれども・・・何もあからさまにされなくても〜〜―――とは、ビューネイ(ベェンダー)の言(げん)である。
【お話しの“フィクサー”の狙っていたこと】
シホ(ガラティア)さんの真の狙いどころは、七つ合った=列強=のうち、
旧態依然としているほとんどの国が滅亡(占領)されたり、<クーナ・ラージャ>
新たな統治者に取って代わられたり―――<フ国>
・・・と、現状では大陸を取り巻く環境が変わってきていることに目をつけ、
ならば―――と、云うことで、自分たちの 同志 を復活させよう・・・と、目論んでいることが伺えられる。
そのためにはまづ、近場のところから〜と、いうわけで、コンゴウへと標的を定めるわけなのですが―――・・・
【女皇の密命】
それが≪三節≫のあの件(くだり)。
けれども、女禍様の最大の誤算は、このときには自分の姉たちがこの世に蘇っていることを知らずに、
このことをキリエやサヤに命令するのですが―――・・・
そこがシホ(ガラティア)のねらい目であることに注目すべき。
なぜならば、このコンゴウへと向かったのは、かつてはキリエやサヤの上官であったジィルガさんなのだから。
つまりは・・・そこが、女禍様のうちでも、云い様の知れない蟠(わだかま)りだった部分。
【ちょっとした游び心】
実はこれ―――最初に思っていたのはサヤのほう。
・・・と、云うのも、キリエも最初は標準(語)で対応してはいたのだが―――
サヤが突如つむぎだした“訛り”に苦笑をするも、キリエも次第にそれを遣うようになり、
やがてはラージャの兵士もその場逃れを強いられてしまった―――と、云うこと。
【不意に発動した“魔方陣”】
それこそが『ヴェリザの方陣』と呼ばれるものであり、この高等魔術を操れる大魔導師を知っていた彼女たちは、
魔力が開放された地点まで急行するのですが・・・
そこがかの者の真の狙いどころであった―――
その方陣を発動させたのは自分である―――と、云うことをさも判らせるために、わざと魔力の経路を読ませた・・・
そして―――自分の姿を知らせると同時に組まれた“転送”の魔法文字<ウィルド・グラフ>―――・・・
そう―――何もかもが用意周到に仕組まれたものだったのです。
【感じていた不安と、予(かね)てから抱いていた予感】
それがまさにこれ―――もしかすると自分の命を受けた彼女たちが、任務半ばで戻ってきはしないものだろうか・・・
そしてそれは間もなくして、キリエ・サヤ両名からの報告によって知ることとなり―――
けれども、全くと云っていいほど予測だにすらしていたことではなかったらしく、
その喩えとして、<ハーヴェリウスのラビリントス>の一件を挙げた・・・と、云うこと。
【軍部の意向を頑(かたく)なに拒絶する女皇の真意】
まあ―――確かに・・・そのとき述べられていた婀陀那やイセリアたちの言(ごん)のほうが、ある意味では正しかったのだろうが、
それでもアヱカ(女禍様)はよしとはしなかった―――と、云うこと。
でもその理由というのも、彼女たちがする心配以下でも以上でもなく、まさに最善のものだったならば―――?
かくて、かの高名な“二大勢力”は、女皇の権限により招致されていくこととなるのです。