≦93章≧

 

 

【新たに常設された将軍職】

それが『四統将軍』と呼ばれるもので、これだけは今作品オリジナルである。

主に雪月花の三人を優遇する措置として、作者が取ったものと思われるが・・・

それなりの事情としてはあって、なんでも今回からパライソに流れてくる将官の数が多く、

既存の官職では対応しきれないから、新たに常設されたものであるらしい。

 

因みに―――“統北”はイセリア、“統東”はリリア、“統西”はセシルであり、“統南”は適任者不在のため空席となってしまっている。

(二品官)

 

 

【“伝説上”の存在】

≪三節≫で、なぜ―――彼らが納得できなかったか・・・

それは、『帝國の双璧』と云えば、歴史上の人物―――まあ、早い話が故人であり、実在するか・・・も、怪しいと思われていたのですが、

不思議と、女皇の口からは、今現在でも彼の存在は息づいている―――との証言があった・・・

そのことには、ただ官である彼らは口をつぐまざるを得ないのですが・・・

 

果たして女皇は―――いえ、女禍様は知っていたのです。

幾星霜歳月が過ぎ去ろうとも、彼の存在の爪牙は褪せぬことを・・・

 

 

【それぞれの方面への行軍を見た者の反応交々】

ヱリヤは―――最初から一貫して、戦の突端とも云える行軍から精彩を欠いてしまっているのですが、

エルムのほうは、まるでパレードを見るが如くにはしゃいでいるようにも見えなくはないのですが・・・

実はヱリヤもエルムも、根本的なことでは意見が一致しているのです。

 

それは―――・・・『戦が嫌い』だということ。

血が流れ・・・そして死んで逝く―――

中には、彼女たちと親しい人間もいたのかもしれない・・・

けれども―――“戦”という不条理は、そんな彼女たちの断りもなしに、親しい者達を奪っていく・・・

そこで二人は思ったのです、こんなことをしていてはいけない、ならば自分たちが早く終わらせてやろう・・・と。

 

その覚悟が決まった彼女たちは、まさに無敵そのものでした。

ゆえに、“皇”であった女禍様や、“丞相”であったマエストロから賛辞を戴き、

当時をしても最高位の将軍職である“驃騎”と“車騎”の称号を与えられたのです。

 

 

【≪四節≫で述べられている、とある人物に隠された秘密】

この“とある人物”とは、もちろんエルム女史―――

では彼女が、ヴァンパイアである以外に、一体何の秘密を抱えているのか―――・・・

 

それをここで即答ではあまりに良くないので、回答に導くためのヒントを一つ・・・

ヴァンパイアの真祖であるエルム女史ですが・・・彼女が“始まりの人”だとは一言も云っていない。

加えて、彼女のサーヴァントであるサヤは、彼女の命で 何か を収集していた・・・

この二つが大きなヒント。

 

 

【犬猿の仲】

女皇である方より促され召致したというのに―――・・・なぜか彼女たちは仲が悪かった・・・

それはどうして―――と、説明を求められでも、斯くの如きの喧騒なのだからもはや疑いようがなく、

ただ・・・現代を生(い)くる人間たちには初耳だったので、狼狽するには事足りたようである。

 

 

【『鑓』にまつわる逸話】

確かにそこにいたのは人間の少女―――・・・

けれどもタケルは知っているのです、元は『ゾハルの主』なる存在は巨大な龍であることを・・・

しかしそのままでは、行動を起こすのに何かと支障をきたすだろう―――との見地から、

タケルたちの目の前で、少女の身体に憑依をして見せたのです。

 

それに伝説には、『ゾハルの主』が龍だとも人間だとも書いてはいなかった・・・

ただ―――その存在が、敵であるカルマを討伐するときには、“自らの身体に生えている尻尾を鑓のように使い―――”

・・・と、あったから、読み手によって様々な―――得てして都合の良い解釈がなされ、

それが今日の矛盾点となってしまっているのは、なんとも皮肉な結果だったことだろうか。

 

 

 

 

 

 

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