〈95章〉
【大いなる疑問】
今回のお話の≪一節≫にも書き出しているように、前回ヱリヤを説得するために後を追いかけたエルムが、
どうしてヱリヤを捕縛してカルマの先遣隊の前に現れたのか―――
それも、両者のどちらも傷を負いもせずに――――?
実は、そのことが彼女たち二人の策略だったわけなのです。
【意外に大失策?】
―――けれども・・・?
なんとも、自分たちが遭遇したカルマの先遣隊を率いる将は、小粒も小粒・・・
やもすれば、海老(えさ)である自分たちのほうが大きいくらいのものに、ヱリヤにエルムは呆気にとられた・・・ということなのです。
【真価】
―――とは云え、自分たちがこれから忠を尽くすところに危害を及ぼす者達を目の前に、見逃す・・・と、云うこともないので、
二人してはっちゃけちゃった―――と、云うこと。
【ここが見せ場のヱリヤ様】
自分の纏っている焔の闘気から、一気にメタモルフォース(変身)して、“真紅の騎士”に早変わりをする―――
その場面は、かつて流行った80年代の戦隊アクションものを髣髴させるものであり、
これ以後の変身格闘アクションヒーロー・ヒロインもののアニメには多く取り入れられた技法であることは、もはや説明の仕様があるまい。
【血の惨劇】
ヱリヤは―――女禍様を裏切ったエルムを許さなかった・・・と、あるのですが、
実はこのことも彼女たちの策略の一環であるということ。
そう―――これは、エルムがヴァンパイアだからこそ出来る 業 なのであり、
つまる話、ヱリヤに感知されたときから、彼らの命などなかった―――までの話し。