―10章―
【“上の空”の鉄の女二世】
それはそうだろう―――、つい最近あった不可思議なこと・・・どう考えても自分たちの常識では計り得ない事象、
それがさも当然というが如くに起こり、その事象を引き起こした当人たちは霧・霞の如くに消え失せてしまった・・・
これを悪夢といわずしてなんであろうか―――
ただ・・・ブリジットが恵まれていた面は、そういうことを考える余裕があったということ。
【5倍の高値に吊り上げた“買い主”の本音】
云わずと知れた、この額には『口止め料』も含まれているということ。
でも―――ブリジットの城の城下町で起こったことは当人同士は知らないはず・・・なのですが。
これも、云わずと知れたものであり、女禍は自分の艦でこの城の持ち主が何者であるか―――をサーチにかけており、
それを知っていた上でこの城を購入しようと考えている、ということ。
かたや―――ブリジットのほうも、そういう予備知識はないにしろ、
女禍とラゼッタを一目見たときから、この二人を只者ではない・・・と、予測していた風ではある。
【何も知らない者】
そう・・・何も知らない―――自分たち以外の知的生命体はこの世にいないとされ、
また、そういう痕跡があったとしても、太古に生きてきた種族達の成してきた事―――にしておき、
視覚的に捉えたとしても、『いる』だの『いない』だの・・・などの、果てしないバカげた論争にまで発展する意識。
なぜ―――そう思えなかったか・・・?
それは自分たち以外の・・・
イヤ、自分たちより遥かに知的で、高度な文明を持つ生命など認めたくなかったから?
現在自分たちが持ちうる科学が最先端であり、それより先んじたモノなど決してあってはならないことだったから??
しかし―――それこそが“無知”・・・『無知の中の無知は罪』、知ることを拒否することこそ罪・・・
“宇宙”は果てしなく限りないもので、<無限の可能性>を秘めているのに、そのことを口ずさみながら否定する―――
自分たちのいる地球も・・・その無限の宇宙に介在する、『可能性の一つ』であるにも関わらず・・・
【地球人には聞き取れぬ女禍とラゼッタの会話】
本文でも述べられていたように、これがいわゆるところの『銀河標準語』。
つまる話―――彼女たちが話していたのが銀河での共用語であり、
一つの惑星で、言語が氾濫しているところとは大違い。
言語の相違とは恐るべきもので、簡単なようには見えても意思の疎通が正しく計れていなければ、
『星間国家の衝突』にも発展することをよく理解していた者の、最初にして最大の功労であったというべきであろう。
それを期にして、その人は『プロフェッサー』と呼ばれるようになったのです。
【ようやく機能し始めた“会”】
ここのところ『鉄の女二世』サマは、何があったのか上の空―――
そのことを彼らが質してみれば、この人も人の子か・・・とも取れるくらいの“気の煩い”。
それを知ると、彼らは彼女に、ようやく春が来た―――と、囃したてるのですが・・・
彼女が気にかけていたのは同性である女性だったのです。
そのことに驚きはするのですが、ひょんな事から彼女が口にしたその女性の名・・・
その名こそ、今、自分たちが議題にしている=J=なる者ではないか・・・と、思うのですが―――