[22章]

 

 

【違和を痛感するカレン】

彼女は元々、某国でも腕利きの情報局員であったがために、

こういった捕虜の経験も少なくなかったようで、ある程度そのことは覚悟していたようなのですが・・・

それが、どうしてなのか―――捕らえた側の彼らは、虜囚であるカレンに対し優しく接してきたのです。

 

けれども、その“どうして”―――と、云うのも、次第に明らかとなってきた・・・

それは、この艦―――<シャンバラ>の艦長が、存外に優しい人だったから・・・

 

けれども―――・・・

 

 

【巡察を終えて帰ってきた女禍】

今回の巡察は、前回での不祥のあった出来事を払拭させるために取られた措置でした。

そしてそれはかなえられた―――過去にも幾度となく繰り返された出来事・・・

なぜ、この惑星が、未だもって“辺境”の枠から超えられないのか―――・・・

 

それは・・・外部からの介入を快く思っていないから―――

いくら、こちらが腰を低くしても、卑屈になり事実を捻じ曲げて捉える傾向のあることは、

甚だ残念なことのように思えるのですが・・・

 

かと云って、ちゃんと例外も存在する―――・・・

女禍がその責任を感じ、一人前になるまでに面倒を見ようと誓ったアベルに、

一番の理解者になってくれて、今では相談を多く持ちかけることとなったブリジット・・・

彼らのような地球人が、あと・・・もう一握りいてさえくれれば、私の願いも成就できるのに・・・

 

けれども―――そう願う前に・・・

 

 

【ラゼッタの消息を知ろうとする女禍】

ふとした出来事で、自分が留守をしている間に消息を絶ってしまった乗組員の一人・・・

彼女も、以前降り立ったことのある彼女の故郷の惑星で、女禍がその身柄を確保した者でした。

 

当初は、口を開く機会の少なかったラゼッタに、猛烈なまでのアタックを仕掛け、

ようやく人前に出られるくらいのコミュニケーションを構築させたことに、

まるで我がコトのように喜んだ女禍・・・

それを見て、ラゼッタも次第に心の蟠(わだかま)りを解けさせていったのです。

 

それなのに―――・・・この地球に来て、彼女を見失ってしまったことに、

どれだけ女禍は心を痛めたことか・・・

だからこそ、少しばかり厳しい心の現われが出ているのです。

 

 

【母国が滅んだ理由】

その当時、カレンは欧州のワルシャワと云う地区で、情報収集活動を展開していたのですが・・・

不意に流れる、世界規模のネットワークでの、母国の終焉―――・・・

それがどうしてなのか―――

 

また、9.11のときのように、母国がテロの脅威に晒されたのか―――とも思っていたのですが・・・

そのとき最優先で進められたのが、母国終焉時の情報の収集・・・

そして、偶然耳にする、ブリジットたちがそのことでヤルタに集まって話し合っているということ・・・

 

そこでならば、何か有力な手がかりがつかめるかもしれない―――

そう思って足を運んだのですが・・・

丁度このとき、その会―――<ヤルタ会>の一員であったブリジットは、すでに女禍の教化を受けており、

半ば<シャクラディア>の一員としても動いていたのです。

 

それが・・・“会”の場でカレンを見るなり、ブリジットも滅んだ母国のことだ―――と、容易に察することが出来ていたのです。

 

そして・・・カレンは知ることとなったのです―――母国、米の終焉の真実を・・・

 

 

【焦る“鉄の女” 迎え撃つ“炎妖”】

あの―――復讐に燃えている米の“炎妖”が、ついにこの場所を突き止めた・・・

そのことを知っただけで、ブリジットは生きた心地がしなかったことでしょう―――

 

なぜならば、彼女は情報を操作し、カレンがここを突き止めることのないように仕向けていたのに・・・

それなのに―――“炎妖”はここを突き止めてしまった・・・

今頃は、その復讐心に身を委ねて、盟友である女禍をその手にかけているかもしれない―――・・・

そんな心配をするのですが・・・

 

ブリジットが、あわただしくその部屋の扉から入ってきたとき見かけたのは、

図らずも談笑しあっている二人がいた―――

 

そして・・・カレンのほうも、皮肉たっぷりにブリジットを批判してみるものの、

そのときにはさほど敵対心というものは見られなかった―――・・・

 

そこで初めてブリジットは、カレンも女禍の教化に入ったのだ―――と、感じたのです。

 

 

【懐かしのフレーズ】

皆さんお気づきのコトと思いますが、≪五節≫の『地球の人に飽きたところよ〜♪』とは、

往年の女性デュオの、『地球の男に飽きたところよ〜♪』を捩(もじ)らせていただいたモノ。w

 

 

【気になる“闇”の胎動・・・】

カレンやブリジット、女禍たちが友誼を結んでいる半面―――

やはりこちらにも動きが・・・なんと、ウィドウたちが、地上における拠点としたのは、

奇しくも<ヤルタ会>のメンバーの一員でもあった、露のトロツキーの屋敷だったのです。

 

そして、その屋敷には、何とあのラゼッタの姿が―――!!

どうやら、彼女は捕らえられた後、須らく洗脳の対象となってしまったようです・・・

 

 

 

 

 

 

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