―23章―
【心当たりがありすぎる侵入の実行犯】
カレンもブリジットも―――いや、彼女二人だけではなく、おそらくシャクラディアの全職員が感づいていたこと・・・
その事実に当たり、そうであって欲しくはない―――と、する反面、カレンのほうでも疑われたままでは・・・という気持ちもあり、
そこで仕方のなく、自分の知る侵入時のノウハウをそこで示して見せた・・・
それこそが『私のように間諜に携わってきた人間が一番に嫌うアングルに・・・』だということ。
しかしてそのことは―――
【隠しカメラに捉えられていたラゼッタ】
その手口の巧妙さにしてやられたラゼッタではありましたが、ここでカレンから思わぬ一言が―――・・・
けれどもそれも元々自分たちがやっていた手口―――殺してしまうには惜しい者は、洗脳してしまうのが一番・・・
しかし―――・・・
【洗脳の良し悪し】
“洗脳”―――これほど便利で、かつ憎しみのわく技術はないだろう・・・
自分たちが使う立場の者達なれば、今まで散々手を焼かされてきた敵方のスパイを自分たちの仲間に出来ることだし、
斯く云うカレン自身も、その現場にはいくつも立ち会ってきた・・・
けれども―――そのお返しに、敵側からやられたら・・・?!
これほど憎しみの沸くものはなかった―――・・・今更ながら都合のいいことだけを云うつもりはないが、
仲間の一人を―――フィアンセであった人間を、カレン自身が射殺した事実は曲げられようがないのだから・・・
【あまり動揺はしない女禍】
地球人の二人は、洗脳されたラゼッタのことを知り、これからどうしようか―――・・・と、さえ思っていたのですが、
当の女禍はどこ吹く風か・・・
まあ―――これも、ひとえには、過去にいくつかの敵対勢力と拮抗してきた際にも同じような経験があり、
また今回も洗脳されたことは須らく払い落とされる―――と、多寡を括っていたことではあるのですが・・・
【思わせ振りのあるヱニグマの言葉】
まあ―――マグラによって捕らわれたときも、また女禍の口によって絆の深さを知らし召されたときも、
ラゼッタを取り巻く環境にはうらやましさを感じるのですが、
一方―――全くといって良いほど当てを外された者達にしてみれば・・・
けれど、そこではまだもう一つ―――何かを企んでいるようにも見えるのです。