〜29章〜
【ウィドウたちの“堕落”への手順】
≪二節≫でも述べていたように、苦痛を伴わせて恭順させているのではない、
欲望や快楽の密漬けにすることで精神を腐らせ、自分たちと考え方を同義にさせる・・・
それがブラックウィドウたちのやり方。
だからガラティアのディスクリプト(高弟)であったアベルも苦戦を強いられたのです。
【ヱニグマのとった行動】
ついに根を上げ、あわよ恭順を示すかと思われたそのとき―――
ヱニグマの耳元で囁かれたのは、自分を莫迦にするような言葉・・・
その言葉に一瞬―――立った一瞬だけ怒りを感じ、整った鼻筋に怒りの徴(しるし)を浮かべるのですが、
ヱニグマも然る者・・・すぐに感情の起伏を収まらせると、今までにない仕打ちを思いついたのです。
そう・・・アベルという個人の分割化―――“サウロン”という存在を・・・