>30章<
【冷徹なるブリジットの物言いの背景】
今回珍しくもブリジットが女禍に噛みつく場面が散見されるのですが、
実はこの時すでにあることを思い立ち、いつでも女禍と袂を分かってもいいように準備は進められていた模様。
而して―――ならばなぜブリジットほどの人物が、そうしようと思っていたのか・・・
その胸中は≪二節≫でカレンに余すことなく語っている。
【女禍・エニグマ―――両者が同時に感じていた何か】
最初に会った時にはそうではなかった・・・と、いうより、ファーストインプレッション自体がセンセーショナルではなかったため、
この感じは浮かんでこなかったものと思われる。
・・・が―――
次第に回を重ねていくに従い、互いが何者かであるかを知っていくに従い―――
どうも他人同士の様な気にはなってこなかったという。
けれどやはり―――・・・
その感覚が何であるか―――までは、至る確定要素が少なかったため、両者とも無益な争いへと達してしまうのである。
お互いが・・・刺激し合えば、プラスの方向に導かれると云うのに―――・・・
【サウロン初起動】
≪四節≫で、女禍の背後に回り羽交い絞めにした存在こそ、ヱニグマの手により存在を分割化された―――アベル・・・
しかし、本物のアベルは、その施術により中身の抜けてしまったいわば抜け殻に等しかった・・・
―――ならば? 今そこで女禍を羽交い絞めにしているのは・・・?
その存在が、<本篇>・・・いや、これから女禍たちの前に幾度となく立ちはだかってくる、最難敵 サウロン=カルマ=アドラレメク なのである。
【女禍の持つ属性“愛”】
ただ単に 愛 ―――を叫ぶならば、どこの誰にでもできる・・・よく三流の物語や映像にでさえ頻繁に使われ、
もはやその意義は軽んじられ地に落ちた感じもしないではないが、
女禍の持ちうる“愛”こそは、日頃我々が使っているような口先だけのものではない―――
―――求めよ・・・然れば与えられん―――
その言葉の持つ意味通り、総ての生きとし生ける者に、生まれながらにして平等に与えられた権利、
誰かを愛し―――また憎む権利・・・
善人であろうとも―――悪人であろうとも、懐深き包容力にて存在自体を包み込む・・・
それこそが、宇宙定義での 愛 なのです。
【ヱニグマの持つ定義“混沌なる悪”】
この物語には、属性の他にこのような定義が存在すると云う―――
とりわけヱニグマは、“混沌なる悪”―――だと云う。
確かに、“混沌”も“悪”も、領域で云ってしまえば負に属するのですが・・・
まあ―――“悪”はどう解釈しても悪いイメージしか湧いてこないので、それはそれでよいとしましょう・・・
ですが―――“混沌”は・・・?
これも悪いイメージしか湧かないのではありますが、この単語の持つ意味としては・・・
“不安定にして、物事の判別がつきにくい様”
―――ならば、ヱニグマと云う存在の意義こそはなんであろうか・・・?
そこが、この物語の深層であり―――女禍との関係を明らかにできる手掛かりではないだろうか。