≪補章[≫
【今回のお話しの大局的な見方】
ともかくも、今回の『補章』の題目にもあるように、そろそろ時代が動き出してきたことの前触れであるといえよう。
そして、このクー・ナ占領を契機に、一気に時代が無色透明なものから灰色・・・果ては黒色へと向かっていくのである。
【元自分のいた国の拠点のひとつを望む養父子(おやこ)の心境】
そこは自分を生み育んでくれた 母 なる国―――なのに、こうしてこの国を攻め入ることになろうとは・・・
この国の人たちは気立ての良い人ばかり―――瞳の色や肌の色の違う自分が、差別を受けることなく、普通に可愛がられてきた・・・
なのに―――アタイはナゼ、そんな人たちの気持ちを踏みにじれることが出来る・・・?
でも―――そこで自分たちを引き抜いた人は言う・・・『時代が悪かったのかねぇ・・・。』
【ヒヅメの功罪】
解き放たれた虜囚とともにジュウテツに潜り込み、機を見計らって守将に降伏を勧め、
血の一滴すら流さずに陥としたこと―――
でも、そんな彼女の心の裏には・・・それは上記に述べていることそのままに。
【カインの立てた戦術】
このトンネル作戦―――実に根気の要る作戦なのですよ。
それに、地下で自分たちが何をしているか・・・バレちゃったらダメですしね?
そこで、篭城している連中に悪態をつくことで、そちらに気を散らせていたことにも注目を。
【クー・ナにある職種】
この国の約八割がたは『農民』なのでして、後の一割が『内政官』もう一割が『騎士』なのです。
しかも―――以前にギャラハットと同行していた二人の騎士『ミルディン』『ギルダス』・・・
この二人も騎士なのですが、この二人とギャラハットに共通しているもう一つのこと。
それは、この三人は『騎士』のうちでも<上位>的存在・・・・
『ミルディン』『ギルダス』は、≪白騎士≫(ホワイトナイツ)
ギャラハットはさらに格が上の≪聖騎士≫(パラディン)
しかも―――この二つの職種は、まだ、あるもう一つの指名を負っているという・・・
(でも、それはまた別の話し)
【無条件降伏を受け入れた王の胸に去来するもの】
自分の代のうちに、この国が滅びていこうとは―――でも、それは是非もないこと。
自分が犠牲になる代わりに、“民”たちに危害が及ばなければ・・・
しかも―――そのことは、この国で、神に近い強い信仰を寄せていたある方・・・
“古えの皇”女禍様ご自身のお言葉であることに、注目をおかなくてはならない。
(それと―――実はこのことは以前の、クー・ナにいた『禽』の口から語られてはいるのですが・・・
近年はその布教活動が、この国にも侵食してきつつあることにも注目を。
とどのつまり―――ここにも小さな『宗教戦争』の類が展開されつつあったということ。
所詮―――二つの違う性質を持つ“神”を受け入れるのは難しいといったところか。)