≪七節;動き出した、二つの勢≫
〔閑話休題――――(それはさておき)
場面は一転して――― あのゾハル山での、主と従者の会話の続きです―――。〕
キ:実は――――
あのお方・・・我等が、真に主と仰ぐべきお方が、今の世に現れた由にございます。
ヱ:は――― また??
確か・・・・14年前もそう言って、私を叩き起こしたばかりじゃない。
キ:(あ・・・っ) も、申し訳ありません・・・・。
ですが――― あの14年前の方は、確認を採りに行く寸前で、その訃報がなされておりまして・・・。
ヱ:困るのよねぇ〜〜、そう言う事・・・って。
もう少し、慎重に対処してもらわないと・・・・。
キ:ご・・・ご尤(もっと)もな事で・・・・。
ヱ:お影で・・・へンに早く目覚めちゃったりしてさぁ・・・。
仕様がないから、ここに迷い込んできたりしたのを、驚かせて遊んでたんだけど・・・(くどくど・ぶちぶち・・・)
キ:は・・・・あ・・・・。
(そ、それはビックリするでしょうよね・・・
何せ、行き止まりと思っていた壁から、急に大きな目が現れるんですもの・・・・)
ヱ:ちょっと―――! キリエ!聞いてるの!!?
キ:え・・・あ、は、はい。
ヱ:全く―――・・・。
それで? 今度こそは、本物――― だって確証はもてるの?
キ:ええ――! それはもう!!
何しろ・・・もう一方の協力者からの、お墨付きを頂いておりますし・・・・
ヱ:ふぅん・・・。
(ん―――?)なんだと?
キ:はい?なにが―――です?
ヱ:お前・・・確か、今、“もう一方の協力者”・・・だとか言ったよな?
キ:は・・・・はい、言いましたけど・・・? それがナニか―――・・・
ヱ:ま・さ・か・・・・とは、思うが・・・・
――――・・・・ヤツのか?
キ:え゛っ???
(あ゛ッ・・・し、しまった・・・・そうだった!!
確か・・・・主上と、あのお方・・・とは、あの時(7万年前)より、ケンカ別れしてたんだったァぁ〜〜・・・・)
アッ・・・あの、いや・・・そのぉ〜〜・・・ですね・・・
ヱ:・・・・・。(##)
―――燃えて、おしまいなさい゛っ!##―――
=エクスプローズン・ストライク=
〔ふとしたきっかけで、ついつい口を滑らせてしまったキリエ。
そう・・・同じくして、この世に存在した別の種、かのヴァンパイア達とは、7万年前に袂を別(わか)っていたというのです。
(でも・・・?その下で仕えている者・・・つまり、キリエとサヤは、別段仲が悪そうに見えはしないのですが・・・?)
そのことを自分の従者より聞いたヱリヤ、今度はあの黒焔ではなく、
それよりレベルは下がるものの・・・緋色の焔を、キリエにぶつけたようです。(つまりは、お♡し♡お♡き♡)〕
キ:(よ・・・余計な事を、言うんじゃなかった・・・・)
あちち・・・・(プスプス)(←こんがりアフロ♡)
ヱ:まぁったく・・・その程度ですんで、運がよかったと思いなさいよね!!
キ:は・・・・はぃ・・・・。
ヱ:(ふぅ・・・む) ―――と、いうことは・・・・あやつも、この事を知っている・・・と、見るべきよね・・・。
ま、仕方ないわよね、それは過ぎてしまった事として、対処をしなければ・・・迂闊な行動は、忌むべきだわ。
キ:それでは――― 我等は、どのように動けば―――?
ヱ:それより――― 気になるのは、以前に、あのお方に敵対しおいた、あの男の存在―――・・・
20年ほど前に、その復活が囁かれだしてはいたけれど・・・・その辺は、どうなっているの?
キ:・・・・はい。
実を申しますと、今現在、あのお方―――女禍様の魂―――を、お持ちでいらっしゃる方が、
私めが、只今身を潜めている処に来られたのにも、あの男―――サウロン―――めが、動き出している事に、
関与しているもの―――ではないか・・・と。
ヱ:な―――ナニっ?! で・・・では・・・
キ:・・・・はい。
どうやら、そのお力が、真にお目覚めになる――― その前に、仕留めようとしていた事に、相違ありません。
ヱ:そうか――――・・・・。
では、迷う事はない、キリエ、お前は今より、あの方の護衛をして差し上げるのだ。
そして――― 一カ月おきに、あの方の封が、どのような状態にあるのか・・・私のところに、報告に来て頂戴・・・。
キ:は―――・・・かしこまりました。
それで、主上は、いかがあいなされるおつもりで―――?
ヱ:私?私は・・・・ここに居残って、しなければならない事があるわ・・・・。
キ:・・・・それは、―――サ・ライ―――の事ですか・・・
ヱ:うむ・・・あの者達が、今後どう動くか・・・未だ未知数だもの・・・ね。
これだけは、仕方がない・・・時間をかけるより、他は・・・・
キ:・・・・分かりました。
それでは――― これより、第一級の使命として、あのお方をお護りしたいと思います。
〔こうして――― その、二つの強大な存在は、互いの手段を違わせながらも、
確実に動き出していったのです。〕
To be continued・・・・