≪三節;普段のクー・ナ≫
〔そして、また場面は一転し・・・・クー・ナにて。〕
ヒ:あっ―――コラ、マキ!! 待ちなさいよ!
マ:へへ―――ンだ、や〜〜―――だよ〜〜〜☆
もしそんなことしたら、まぁた農作業手伝え〜〜ってんでしょ〜〜☆
ヒ:あ・・・当たり前じゃあないか!
略奪者が来ないときには、たとえアタイ達だったって、鎌や鍬を手にするもんなんだよ―――!
マ:えぇ〜〜〜っ、でぇもッ・・・さぁ〜〜―――
ンな事すると、お手手も汚れるしぃ、爪の間にも土が入っちゃってて〜〜――――
ヒ:(キシャ―――ッ!!)なぁに贅沢いってんだ―――!# お前わっ!!#
第一、身だしなみに気を使う〜〜だなんて・・・どこかの国の姫君かよっ!#
来いッ!縛りつけてでもやらせてやるっ!!
マ:うヒ―――☆ なぁンだかヒヅメちゃん・・・あの口喧(くちやかま)しいのと、似たようなこといってるよ・・・・
(って)あわわ・・・そ――こ――言ってるうちにつかまっちまう〜〜〜☆
う――――し、ならば・・・・っ!
ヒ:そらっ―――捕まえ・・・・(えっ??) あ・・・あれっ? 逃げられ――――た??
マ:う〜〜〜ッひょひょ〜い☆ こっち、こっち――――☆☆
ヒ:(ば・・・莫迦な?? 今―――・・・完全に捕らえたと・・・思ったのに)
えいっ――――!
マ:おぉ〜〜―――ッと、どこ見てんだぁ―――い☆
ヒ:(な―――・・・っ、ま、また??)
どうして―――・・・アタイは、お養父(とう)さんのお役に立てるように――――忍びの術をマスターした・・・・のに。
〔ヒヅメの養父とは、クー・ナ国の将でもある ギャラハット=シャー=ザンフィル なのです。
そして、以前にも述べたように、ヒヅメはギャラハットの実の娘ではなく・・・・養女。
それは、見た目にも明らかなことであり・・・なぜならば――――ギャラハットの肌は桃白であったのに対し、ヒヅメの肌は浅黒かった、
それだからなのです。
それにヒヅメは、その肌を見てのように、南方の――――いうなれば、ヴェルノアやサ・ライ方面の、民の血が色濃く出ていたのです。
では、どうして北方のクー・ナに来ているのか・・・・
その理由は実に簡単、彼女は売られてきた―――― そう、奴隷の類だったのです。
その上に、ヒヅメは戦災孤児でもあった・・・それであるがゆえに、親類に引き取られるということもなく、
彼女はダーク・マーチャント<闇商人>達にとっては、格好の商品でもあった・・・・
ただ――― ヒヅメが、他の奴隷たちと違い、倖せだったのは、彼女の貰い手が、ヒヅメが奴隷という身分であるにもかかわらず、
実の娘の如きに可愛がった事―――・・・・。
それもそのはず、ヒヅメを引き取ったギャラハットも、実の娘を流行り病で亡くしており、その妻もまた――――・・・
数年もしないうちに、同じ病にかかり、亡くなっていたからだったのです。
それであるが故に・・・ギャラハットは、奴隷であるはずのヒヅメを可愛がり・・・・
そして、ヒヅメのほうでも、彼女なりにそのことに応えようとした――――・・・〕
マ:あっれぇ〜〜〜?どったの―――☆
ヒ:それを・・・・こんな不真面目な奴一人、捕まえられないなんて・・・・ッ!!
マ:うヒ?! ふぇ・・・フェイントかよ〜〜〜ずっこいぞ―――! ぷりぷり!!
ヒ:ま・・・また?!(ど・・・どうして――――)
マ:はぁぁ〜〜ん、まぁたその手・・・。
チッチッ、もうその手は喰わないんだよょ〜〜〜ン!(ペンペン)
〔それなのに・・・ヒヅメの腕(かいな)は、またも虚しく空を切るばかり・・・・・それゆえ、歯噛みもしようというもの・・・・
と、すると、そこへ――――〕
ギ:これ、なにをしているんだ。
ヒ:あっ―――・・・お養父さん、丁度いいところへ。
お願いですから、そこのチビ助を捕まえて下さい。
ギ:うんッ? ・・・・こうか?
マ:うにゃっ?! ・・・って、ウソぉぉ〜〜〜〜ッ!
そ、そんなのずっこいぞおぅっ! さっきまでヒヅメちゃんのオニだったじゃないか―――!
ギ:あっ・・・ああ、それはすまないことをした―――(ぱっ)
ヒ:あ・・・ああっ! お、お養父さんダメですよ―――!!
あいつ、また農作業ほっぽといてズルしてたんだから・・・・
マ:へへ〜〜――――ンだ、三十六計逃げるに然りっ―――☆
ギ:ああ――――それはまた、すまないことを・・・
ヒ:全く・・・・なんだかなぁ〜〜〜―――(はぁう)
〔丁度そこへギャラハットが通りかかり、彼の協力の下に、マキは捕らえられたようですが・・・・
彼女も然る者、なんとその時に、自分達は仲良く鬼ごっこをして遊んでいた――――
と、いう、なんとも理由にもならない理由で言い逃れようとしたところ・・・
なんと、ギャラハットは、それを真に受けて、折角捕らえていたマキをリリース・・・つまり、逃がしてしまったのです。
そして、それをヒヅメに責められるも、『すまないことをした』・・・この一言だけ、
これには、いくらいってもムダと感じたのか、ヒヅメもそれ以上の事は言わないでおいたのです。〕