≪七節;彼方より戦場を睨む眼≫

 

 

〔そして―――この地点に集結した『雪月花の三将』たちは・・・〕

 

 

リ:(―――ま・・・ハナからあいつは頭数に入れてなかったから・・・ね。)

  それにしても―――お坊ちゃんのお守り・・・ごクロ〜さんだったわね、セシル。

 

セ:ホントよぉ〜〜―――全くぅ・・・

  あいつったらさぁ?『ボクのイセリアはね―――』・・・って、彼女の自慢話ばっかりするンだもの・・・

 

  それに―――あのデ〜ハ〜な女が目の前を通り過ぎるときにも、勇み足を踏んで出ようとするし・・・

  もう―――コンな役目はゴメン被りたいもんだわ?!

 

リ:ゴメン―――ゴメン―――この埋め合わせ、必ずするから・・・さ。

セ:きっとよぉ〜〜―――?

 

 

〔どうやら―――こちらの方でも、少なからずの苦労というものはあったようです。

 

ですか? それでは一方のこちらは―――と、いうと・・・〕

 

 

イ:ねぇ・・・ジュヌーン、大丈夫?

ジ:ああ―――大丈夫だよ、マイ・ハニー

 

イ:もう―――無理しちゃあダメよ? あなたは由緒あるガフガリオン家の御曹司なんだから・・・。

  あ・・・こんなところに(カスリ)傷が―――ちょっと待ってて、舐めて治してあげるから・・・(ペロッ)

 

 

リ:(うっわぁ〜〜・・・・)

セ:(ホント―――人は恋に落ちると“バカ”に成るとはよく言ったもんだわ・・・)

 

リ:(・・・見ないフリ―――見ないフリ―――“バカ”が流行(うつ)るわよ・・・)

 

イ:(フフ〜ン♪ 悔しかったら男でも作ってみなさいよ〜〜―――だ。)(べ

 

リ:(な―――なんだか・・・味方なんだけど・・・ヒジョ〜に腹が立ってくるのは気の所為かしらねぇ〜?#)

セ:(き・・・気にしちゃあダメよ―――リリア・・・#)

 

 

〔ヨキからの手痛い反撃を受け、手傷(とは言ってもカスリ傷)を負ったジュヌーンを、甲斐甲斐しくも手当てをするイセリア。

 

そんな彼らを見るにつけ、痛烈な批判をするセシルとリリアなのですが・・・・

しかしイセリアにしてみればどこ吹く風か、逆にそんな二人に向かって毒づいていたようです。

 

 

それはそれとして――― 半ばほうほうの体(てい)でガウロンセンまで戻ってきたヨキは・・・〕

 

 

ョ:兄サマ―――!!

ヨ:(ち・・・しくじったか―――)

  ―――こうなったら、我らの総力をしてでも、ヤツらを食い止めねばならんようだな・・・

 

 

〔出撃した当初より少ない兵の数を見て―――この方面での攻略を白紙に戻さなければならないとした一方で、

勢いづいてしまっている雪月花の三将を食い止めるべく、ヨミとヨキの兄妹と・・・雪月花の三将の軍+おまけ)とが―――

激しくもぶつかり合う事となるのです。≪ガウロンセンの闘い≫〕

 

 

イ:右翼と左翼―――同時に展開! その後には私自ら討って出ます―――!! 続けぇ〜〜―――!!

リ:イセリアに遅れをとってはならない―――! ここが私たちの見せ所よ!! 征けぇ〜〜―――!!

セ:皆―――焦らず・・・よく戦況を見極めた上で討ちかかりなさい! かかれぇ〜〜――――!!

 

 

〔彼女たち三人は・・・いわばお互いがよき好敵手(ライバル)同士―――・・・

 

互いが足の引っ張り合いをしてのし上がってきた、自分たちの国の官僚たちとは違い、

自分と・・・相手とを・・・相互の下で見詰め直して―――いわゆるところの“切磋琢磨”しあう関係だったので、

その辺にいる凡将レベルでは相手にはならなかったのです。

 

そこへいくと―――ヨミとヨキの二人は・・・凡将ではなくないにしても、哀しいかな、彼らは『文官』だったがために、

『武官』である彼女たち三人には、野戦で抗するには限界があったのです。

 

では―――だとするならば・・・この戦線は、ハイネス・ブルグの・・・雪月花の三将の勝ち??!

 

 

―――ですが・・・このとき・・・

ようやくにして、この方面に逗留をしている、あの存在が・・・・蠢き始めたのです・・・・。〕

 

 

 

 

 

 

 

 

 

To be continued・・・・

 

 

 

 

 

あと