今回の当事者に関する、有用な情報を入手し、その為の作戦を練るジョカリーヌ達。
その際には、是非とも「ディーヴァ」達の協力も欲しいモノだとし、
その要請はもれなく、「副司令官」でもある「ラクシュミ」・・・ミリヤ=アゲット=ロックフェラーから受理されたのでした。
そして、そこで決定された事項によれば、「ディーヴァ」からは、「ドゥルガー」と「パールヴァティ」の二人が参加することとなり、
後日、この二人を含めて、どう云った方法でグワゴゼウスを捕縛するかを協議する―――と、云う事で、その日の計画を終えたのです。
その後の出来事で・・・折角のお客人と云う事もあり、ミリヤがジョカリーヌ達に、お持て成しをしていた時に、
上等過ぎる贈り物を頂いたと云う事で、リリアがあの人物に、お礼をしようと近付いた処・・・
リ:―――よう、今回はありがとな。
いやぁ〜それにしても、大したもんだよな―――なんてったって・・・
別段リリアは、その人物に対し、どうにかしてやろう―――などと云う気は、殊更ながらにありませんでした。
・・・が―――いかんせん・・・
ジゼ:ほええ〜〜??!
あ・・・あ・・・あの・・・わ、私―――何か悪い事でもしましたですか??
リ:え? あ・・・ああ―――いや・・・別にそう云うつもりで云ったんじゃなくてだなぁ・・・
「ありがとう」って、云いたかっただけなんだけど・・・
ジゼ:あ・・・そ、そうだったん―――ですか・・・
それはどうも・・・
リ:―――なあ、あんた・・・
ジゼ:ひいぃぃ〜・・・スミマセン―――スミマセン―――ごめんなさいぃ〜・・・
どう取り次いだら良いモノやら・・・ただ、リリアは、今回ジゼルがしてくれた事に、大変有り難く思い、感謝の意を述べようとしただけなのに・・・
そこを、どう受け取られ間違われてしまったのか、ジゼルは怯え、終には大粒の涕を溢しながら、謝りだしてしまったのです。
そのことに、自分がした事に、罪悪感を覚えだしたリリアは、別に悪い事でもなかったのに、「悪かったよ・・・」と、云って、その場から立ち去ったのです。
そんな様子の、一部始終を見ていたミリヤは・・・
ミ:全く―――あなたときたら・・・仕様のない子ね。
ジゼ:スミマセン・・・ミリヤ様・・・。
ミ:あの人には、私からよろしく云っておくから、あなたはもう帰りなさい。
ジゼ:・・・すみませんでした―――
ジョ:・・・あの人は―――
ミ:すみませんわね、あれがあの子の悪癖なんです。
私達は慣れているから、そうは思わないけど・・・初めて見たあなた達には、さぞや驚いた事でしょうね。
そう・・・「二重人格者」―――あの子は、普段はああだけど、情報端末に触れてしまった途端、人格が一変してしまうのよ。
それに・・・あの子に引き合わせた時、あなた達がどう云った態度を取るか―――そこは、私の興味の対象には、なっていましたけれどね。
イ:しかし、それでは―――・・・
ミ:この私が、口で云うより・・・あなた達が直接、その目で確かめればいいこと・・・。
斯く云う私は、あの子とは「仲間同士」なのだから、仲間の事を悪く云うつもりはないわ。
それは、これから―――いえ、もう会っているはずの、「ドゥルガー」と「パールヴァティ」にも同じ事が云える・・・
私はね、感じて欲しいの―――なぜ、彼女達が、「秘密組織」に身を置く・・・その本当の理由と云うモノを・・・。
普段は、憶病ではあるけれども、一度「スイッチ」が入ってしまうと、別の人格となってしまう・・・
それが、ジゼルが持っている「二面性」の正体でした。
その事を、前もってミリヤから云っておかなかったのは、「不手際なのではないか」―――と、イリスが申し立てをしようとした処、
もれなくミリヤからは、敢えて事前に云わなかった理由を述べたのでした。
それに、その事については、今回協力をしてくれる、「ドゥルガー」と「パールヴァティ」にも、同じような事が云えたとも、述べられたのです。
「ディーヴァ」とは、未だ公然とはされていない、「秘密組織」・・・
その「秘密」が、「公然とはされていない」からこそ、「秘密」は「秘密」なのであって、
そんな組織に所属しなければならない、彼女達の心情も察して欲しいモノだとしていたのです。
そんな事もあり、今回の事で、自分が受けたショックで、悄気ているリリアを慰める為、ミリアが訪ねようとした処、
その役目は自分が担う・・・と、ジョカリーヌの方から申し出てきたのです。
そして―――・・・
ジョ:―――ねぇ・・・リリア、もうそろそろ・・・
リ:私―――ってさぁ・・・判っちゃいたけど、さっきみたいな人から見れば、怖いんだろうな・・・。
ジョ:・・・そうじゃなくてね―――
リ:フフッ・・・いいんだよ、気を使って貰わなくても。
自分の事だし・・・自覚してるもの。
やはり・・・概ねがそうであったように、ミリヤ邸にあるテラスに両肘をつき、何かを思う様にして外を見つめているリリアの姿・・・
それを見て、落ち込んでいるモノだ―――と、そう理解したジョカリーヌは、慰めるように問いかけてみると、
相手の都合も察しないで、勇み足をしてしまった事に、省みているリリアからの言葉・・・
それを聞くと、ジョカリーヌも居た堪れなくなってきたモノでしたが、
更に、ジョカリーヌが、落ち込んでいる友人に、声をかけようとした処、背後から―――・・・
ジゼ:あ・・・あの〜・・・さ、先程はどうも、すみませんでした・・・。
リ:(・・・。)
気になんか、して貰わなくたっていいよ―――いつものことだもの・・・。
それに、傭兵稼業であちこちに跳び回っていた時なんか、しょっちゅうだったしなぁ〜アッハハハ―――・・・って、面白くない?
ジゼ:いえ・・・そうじゃないんですけど―――・・・
私、「対人恐怖症」で、こうやって、他の人と面と向かって話をしたりするのが苦手なんです・・・。
ジョ:なるほどね・・・でも、ミリヤさんとは、話しが出来ていたみたいだったよね。
ジゼ:それは・・・こう云った関係上、ギクシャクしたままではいられないから・・・その―――・・・
たどたどしいながらも、先程の非礼を詫びるジゼル。
元々、他人と接触するのが苦手な彼女が、素面である時分に、リリアに直接謝りに来たと云うのも、
彼女自身が、「そうした方が良い」と、思っていたからに他なりませんでした。
それに、そんなジゼルが、唯一対面出来ていたミリヤも、同じ組織に所属している関係上、いつまでも疎遠なままではいられないと考え、
一刻でも早く、慣れて貰うよう便宜が図られた上での成果であった事が、ジゼル本人の口から語られたのです。
その事を聞き、初めはとっつきにくい人物だと、ミリヤの事を思っていたリリアでしたが、
こうした仲間思いな一面を垣間見る事によって、次第に、ミリヤに対しての心証を改めて行ったのです。
それはそれとして、明日にでも会おうとしている二人―――「ドゥルガー」と「パールヴァティ」について、
仲間でもある、ジゼルに訊こうとしたのですが―――・・・
ジゼ:え・・・っ? 私は―――もう既にお二人には会っていると聞きましたが・・・
ちょっと待って下さい、直接お二人から取った、聴取ファイルを開きますね。
―――やはり、そうですね・・・二人とも、同じ感想をお持ちの様です。
リ:あ・・・そう・・・。(はは―――慣れんなぁ〜こりゃ・・・)
ジョ:それだったら・・・これから、「標的」を捕える為の協議を開きたいんだけど・・・。
ジゼ:―――判りました、それでは、至急二人に連絡を取り、こちらに向かわせましょう。
「ドゥルガー」と「パールヴァティ」の二人が、初見の時、リリアやジョカリーヌ達の事をどう思っていたのか・・・の、報告のファイルを開くに至り、
先程とは打って変わって違う人格が出現・・・顔つきや言葉遣いまでも一変させてしまった女性に対し、リリアは未だ慣れなかったのです。
それにしても、いつの間に・・・自分達は、二人に会っていたと云うのだろう―――
しかしその疑問は、すぐに払拭されたのでした。
それと云うのも、数時間と経たないうちに、あの「二人」が―――・・・
第百十七話:『集結せよ』
リ:あ・・・れ? マリアにヘレンじゃないか―――どーしたの。
ヘ:「どーしたの」じゃないわよっ!
ジゼル〜あんたってやつわ・・・!! 緊急時以外に、『集結せよ』はかけるな〜って、あれだけ・・・
マ:よしましょう――ヘレン、どうやらグワゴゼウスの、次のエンカウント地点・・・割れたみたいだから。
「惑星オンドゥ」にある、「13分署」署長・・・マリア=ルヴィ=モルガン――――に、
同じく「オンドゥ」にある、「ハタルドゥーミ教会」修道女・・・ヘレン=サピロス=カーネギー・・・
なぜ、彼女達二人が、ジゼル発信した、『集結せよ』に呼応して、「惑星クーレ」にある、「ロックフェラー邸」に、言葉通り「集結」したのか・・・
最早、説明の余地などなかった事でしょう。
それに、呼びつけた理由も、それとなく察したマリア―――
そして、これから・・・中々見えてこなかった二人の実力が、垣間見えてくるのです。
=続く=