その時には、なんの関係性も関連性も持たない事象であっても、後日になって振り返ってみれば、
その事象も「大いなる事実」を構成する、一つのピースでしかない・・・
それは、今回のケースでも云えた事なのです。
ヘレンが、憂さ晴らしのために、「賞金首」に指定されていた「フィボルグ」と云う犯罪組織の構成員達を捕まえ、「賞金」に換える為、
偶々、その時の「当番」であった「UP署」に連行した処、ある異変を感じるのでした。
確かに、ここの署長(兼「獄長」)を務めるマリアとは、同じ惑星に在住している事もあり、お互いが知らない仲ではなかったようなのですが・・・
それでも、その時ばかりは、いつもとは様子が少しばかり違うモノと思い、マリアの部下である13分署署員達に、色々と事情を聞いてみた処、
どうやら、マリア自身が非常に楽しみにしていた、マリア自身が非常に好意を寄せる男性との「お食事会」を、
マリア自身の一方的な事情によりドタキャンしなければならなくなり、その埋め合わせをしようとはしていたようなのですが、
無情なモノで、なぜかそうした時には、相手が捕まり難い・・・
その内に、「もしかすると、私は嫌われてしまったのかもしれない・・・」等と云う、負の妄想が湧いてきてしまい、
その身に「ストレス」や「フラストレーション」を抱えてしまい、そうした事は、署員達にも「いつ「八つ当たり」があるかもしれない・・・」との、不安要素があったようです。
そうした処に、ヘレンが「賞金首」達を抱えて「オンドゥ」に来てしまった・・・
ヘレンは、その時に見た、マリアのにやついた顔を見て、ヘレンや署員達も良く知る、マリアの「性癖」に思い当たったのでした・・・。
ただ・・・知らなかったのは、今回、ヘレンに連行されて、マリアの前に突き出された者達―――・・・
彼らは、知らない・・・また、知る由もない・・・
これから、自分達の肉体にかかる、負荷―――いや・・・この場合は、「快楽地獄」と云っても、差し支えないでしょうか・・・
その事を知る者など、彼らの内には一人としていないのですから・・・
第百七十八話;人肌地獄
それでは、この13分署の地下で、何が行われていたのでしょうか・・・
それは―――「事情聴取」の名を騙った・・・
ヘ:(・・・。)なんか、さ―――あいつ、妙に肌が艶っぽくなってね?
署:そりゃまあ・・・そうでしようねw
マ:ああ〜ら、ヘレン・・・ウフフフフ♪
ヘ:(・・・。)お前―――まさか・・・とは思うけど、あいつら姦したのか?
マ:ヤダ〜ン、もう! ウフフ―――ご・ち・そ・う・さ・ま♪
たったこれだけの会話で、「賞金首」達の身に、何が起こったのか、ヘレンに署員達には判っていました・・・。
それにしても、マリアは、この「13分署」に配属されてからと云うモノは、「尋問」類のスキルだけは高くなっていったのです。
けれど「それ」は・・・最早「尋問」ではなく、云うなれば、無理矢理自白を強要させる「拷問」にも似通っていたのです。
しかし、マリアは、そうした事では、上層部から一度も「注意」すら受けた事がなかったのです。
それは、なぜなのか―――・・・
けれども、その理由は明白―――・・・
誰しも、マリアの「尋問」を受けた事のある者は、皆・・・
マリアの「尋問中の、とある行為」の事など、「通報」「密告」等しなかったのです。
(ここにある「マリアの「尋問」を受けた事のある者」の中には、現在「13分署」に勤務する「署員達」も該当する。
・・・と、云うのも、お忘れだろうか―――彼らは皆、どう云った象であれ、マリアによって逮捕された経歴がある事を。
つまり・・・「署員達」も、経験者なのである。)
それでは、どうして―――彼らは「通報」に「密告」をしないのか・・・
彼らは、感じていたのです、彼らに対しての不当行為を明かした場合、マリアからの「恩恵」にはあり付けない・・・と。
あんなにも「肉感的」で、「煽情的」な肉体は、そうはいない・・・
ならば、このまま黙秘をして、あの豊満な肉体を、好きな時に・・・好きなだけ、嬲る事が出来る・・・
しかし、そうした者達の「肉慾」は、マリアの方でも同様だったのです。
(つまり、早い話し・・・以前のお話しでもあった事のある、13分署に措いての「脱獄率」の低さや、「出戻り率」の高さなどは、
そうした「要因」・・・つまり、「署員」になった「元囚人」達は皆、マリアの豊満な肉体が目当てな連中でもある・・・と、云う事を指し示している。)
或る時には、複数を同時に相手にしたり―――
また、或る時には、公序良俗に反し、背徳的な事を求められたり―――
しかし、それでもマリアは、厭な顔を一つせず、皆からの「性欲」に応え続けてきたのです。
それではどうして―――マリアが「そう」なってしまったのか・・・
その原因の一つとして、例の・・・過去にあった、UPからの不当な措置―――
それのお陰で、出世の道は断たれてしまい、挙句に「オンドゥ」に左遷されてしまった・・・
ここで、普通ならば、そうした「不満」や「ストレス」等によって、マリアが「反乱分子」となってもおかしくなかったのですが・・・
そんなある時―――重大犯罪に関わる、重要参考人を取り調べていた処・・・
急にあちらが、マリアの肉体を求めてきた―――・・・
その当時のマリアは、初心なモノでしたから、程度の抵抗はしたモノだったのでしたが・・・
日頃の喪失感もあり、次第にどうでも良くなり、重要参考人の為すがまま―――されるがまま・・・と、なってしまったのです。
すると、マリアの方でも女性の快楽に目覚め始め、終には最終行為に―――・・・
そして、改めて取り調べに戻った処、今まで口を噤み続けてきた重要参考人は、総てを供述し始めたのです。
それに・・・マリアの方でも、思う処になりました。
以前のマリアならば、実に規則的で、本来ならば、そうした場合も許容出来るモノでは、ないとはしていたのでしたが・・・
たった一度、気を許しただけで、こんなにも重要な事を、簡単に口を割ってくれるモノとは―――・・・
それに、強引に自白やら供述を求めようとしても、それでは逆に、容疑者の口を固くしてしまう・・・
それに、あの行為―――強制的では厭だけれど、こちらも許容してしまえば、気持ちのいいモノ・・・
いつしかマリアは、UPの上層部連中に受けた不当な措置等の「ストレス」の発散方法として、
囚人達や情報屋との「性交行為」に覚醒め、勤しむようになったのです。
そして、今回も実は―――・・・
ヘ:はあ? 「リヘンツェル」? なんだ―――それ・・・
マ:うん―――なんでも、彼らの取引先の一つらしいのよ・・・。
それに、近々その組織との取引がある・・・って。
ヘ:ふぅ〜ん・・・
それにしても「リヘンツェル」―――聞かない名前ね。
マ:それについては、既にジゼルに調べさせているわ。
へ:(手回しの早い事で・・・)
それよりマリア―――あんた、クラウドマンとの・・・
マ:ウフフン・・・その事はもういいの♪
また次に、猛烈にアタックかければいい事なんだしぃ〜♪
謎の組織「リヘンツェル」・・・それが、今回齎された情報の一つでした。
けれど、「ディーヴァ」である彼女達ですら、その名前は聞き及んだ事がありませんでした。
それもそのはず―――この謎の組織こそは・・・
それとはまた別の話しで―――・・・
これは、マリアが(一方的に?w)好意を寄せている、あの男性―――・・・
クラウドマンが、ある特定の人物と交信している時の内容です・・・。
ク:―――以上が、現時点での、「彼の者達」の活動状況となります。
謎:「ふぅん・・・これは中々、混沌とした動きだよね。」
「それに、元々は・・・連中も、こんな事をする為に、「組織化」したわけじゃないんだろうに・・・ね。」
ク:フッ―――フッ―――あなた様も、随分とお人のお悪い・・・
「現在」の連中と、「元々」の連中とは、全く別の存在である事を、知っておいでの筈なのに・・・
謎:「フフフ―――それもそうだ。」
「こんな事を、「あの人」に知られでもしたら、どんな難癖をつけられるやら・・・」
「それより、君の方はどうなんだい・・・」
ク:―――はあ? 何の事でしょう・・・
謎:「惚けても無駄だよ・・・君が気にかけている、「彼女」のことさ。」
ク:御冗談を・・・今は、あのような「色情魔」に感けている時間など、あろうはずもございませんでしょう・・・。
謎:「あっははは―――君も云うよねぇ。」
「そのことを、「彼女」が知ったら、どう云った反応を起こすんだろうね・・・」
ク:お戯れはお止め下さい―――今の「アレ」には、宇宙の運命すら左右できる事を・・・お忘れですか。
クラウドマンが交信していた、謎めいた人物・・・
どうやら、彼の「上司」か「主人」に該当することを、お感じでしょうか。
(そうした憶測が成り立つと云うのも、クラウドマンの会話に態度が、いつにも増して慇懃であると云う事が、その様に見られると云う点に、あるのではないだろうか。)
ですが・・・「彼の者達」と云う、謎な存在の特定までは、出来ないではいたのですが―――・・・
彼らの会話中に出てきた「彼女」の事に関しては、或る程度の憶測が出来たのではないでしょうか。
その事を、クラウドマンの交信相手は、囃したりもしたのですが、当人はつれないモノで・・・マリアの事を「色情魔」等と云いもしたりしたモノでしたが、
そこも、クラウドマンの交信相手にしてみれば、からかい甲斐があったようでしたが、クラウドマンにしてみれば、それこそ冗談事で済まされる事ではなかったのです。
「彼女」・・・マリアこそは、「ディーヴァ」でも、随一の戦闘能力を持つと云われる「ドゥルガー」であり、
また、そうした能力特化を付与された「パワースーツ」を所有する、唯一の人物でもあった・・・
また、そうした因果関係は、先程のクラウドマンの会話にも、見え隠れしていたモノだったのです。
=続く=