ヘ:〜んだって?! マリア・・・それ、どう云う事よ!!

マ:え〜っと・・・そ、その〜〜それは〜・・・

 

 

 

こうなる事が予測されていたからこそ、マリアはヘレンに、「ある事」を知らさずにおこうと思っていました。

 

けれどそれは・・・「(つく)(よみ)」を持つ、ミリヤの前ですべきではなかったのです。

 

現にミリヤは、「七人の魔女(セヴン・シスターズ)」と云う、(いま)だ謎に包まれた組織の全容を洗い出す為、

どんな些細なことでも良いから、変わった事があったかどうかを、他の「ディーヴァ」達に訊こうとしていたのです。

 

すると・・・すぐさま、マリアが「あの事」―――・・・

フランソワが、マリアとヘレンが住んでいるオンドゥに現れた事を、思い出してしまったのです。

 

それを、「(つく)(よみ)」を持つミリヤのすぐ側でしてしまったモノだから・・・

そこで慌てて、すぐさまその思考を止めようとするのですが、既に手遅れ・・・

この事実は、マリアの口からではなく、ミリヤによって、白日の(もと)に晒されてしまったのです。

 

その途端、ヘレンの表情が急に険しくなり・・・このお話しの冒頭の通り―――

しかし、異変はそれだけでは留まらず―――

 

 

 

へ:あんたねぇ・・・私とあいつが、どんな関係か知らないわけじゃないでしょうに!

マ:(だからぁ〜〜知らないわけじゃないんだから、云わないでおこうと思ってたのに・・・)

 

ミ:(・・・。)その辺にしてあげなさい―――ヘレン・・・

  マリアも、こうなる事が判っていたからこそ、あなたに知らせないでおいたのでしょうから・・・。

 

ヘ:だからと云ってぇ〜〜・・・

マ:悪かったわ・・・ヘレン―――

  それに、知られてしまったからには、何もかも話そうと思います。

 

 

 

そこでマリアは、(なか)ば作為的にも感じられた、フランソワの出現に・・・自身が感じた事を、ありのままに仲間に伝えてみました。

 

なぜ―――フランソワは敢えて、自分とヘレンが住んでいる、オンドゥに現れたのか・・・

なぜ―――逃走をする際に、自身が標的になり易い行動を、取っていたのか・・・

そしてその時―――どうして、自分(マ リ ア)人質(た て)にして、身の保全を図る際・・・何かのメモを、手渡したのだろう・・・

 

けれど実は、その「メモ」こそが、今後の捜査の手掛かりとなる、重要な「(キー)」だったのです。

 

 

第百九十話;謎めく文字体(フ ォ ン ト)

 

 

けれど・・・その「メモ」に書かれてある文字は、「ある専門職」にしか判らない・・・通じない言語で表わされていたのです。

 

そして()しくも、その「専門職」は、「ディーヴァ」の(なか)にも、一人だけいるのでした。

そう―――・・・

 

 

 

マ:これが・・・フランソワが逃走する際、私の手の(なか)に握らせてくれたモノです。

  ですが・・・何と書かれているかまでは―――・・・

メ:何て書かれてあるのでしょう―――・・・

ミ:見た事もないわね・・・。

  これも、あの娘(ジ ゼ ル)に調べさせた方が・・・

 

へ:・・・『ジルドア』―――これには、そう書かれてあるわ・・・

 

マ:(?!)ヘレン・・・? あなた―――判るの??

ヘ:私もね、「一応」は、修道女(シ ス タ ー)なのよ・・・

 

マ:(・・・)あっ! そうだった・・・わね、ゴメンなさい―――

ヘ:はあ゛? なんだかいちいち(さわ)反応(リアクション)だわね―――

  でも、ま・・・それはそれとして―――なんでこんなメッセージを、あんたなんかに託そうとしたのかしらね・・・

 

 

 

そう・・・フランソワと同じ「修道会」に属するヘレンだけが、フランソワからの謎のメッセージを解く事が出来たのでした。

 

つまり、その「メモ」は、「修道会」で通用している、「聖典の書(バ  イ  ヴ  ル)」の文字体(フ ォ ン ト)が使用されていたのです。

 

しかしこれは、フランソワと同じ組織に所属していないと、判らないこと・・・

(現に、メイベルやミリヤですら判らなかった)

ならばなぜ、フランソワは、こんなに回りくどい事を・・・そして、何を伝えたかったのか―――疑問の身が残る・・・

ハズ・・・だったのですが―――・・・

 

 

 

ミ:フ・フ・フ―――そう云うこと・・・

  どことなくだけど、「彼女」が意図していた事が、見え始めたわ・・・

マ:(?)ミリヤ・・・様?

 

ミ:これはね、確かに「メッセージ」よ・・・

  それも、「私達」に()てた・・・

マ:「私達」・・・と、云う事は―――もしかして「ディーヴァ」にですか?

  でも・・・どうして―――・・・

 

ミ:恐らくこれは、彼女(フランソワ)の次の標的(ターゲット)―――

  しかしこの行為は、自分の手の内を見せる・・・と、云う、テロリストにしては実にお粗末なモノ―――

  けれど、彼女(フランソワ)は敢えてその行為に踏み切った―――と、云う事は・・・?

 

メ:・・・もしかすると、(レェーラァ)は、何者かの依頼を受けて・・・

ミ:その通りよ・・・

  そして、その依頼をフランソワが受けたと同時に、その依頼者は、「ある事実」をも告げた・・・

  私達「ディーヴァ」が、「七人の魔女(セヴン・シスターズ)」を相手としているのではないか・・・と―――

 

マ:・・・では、その「依頼者」とは―――?

 

ミ:・・・これはまだ、憶測の域を超えたモノではないかと思うけれど・・・

  私は、間違いなく、「彼女」―――だと思います。

 

 

 

ミリヤは、ここまでの策謀を描ける人物を、たった一人知っていました・・・

 

かつて―――自分達の任務の一つを遂行するにあたり、前に立ちはだかった事のある、「彼女」―――・・・

 

ユリア=フォゲットミーノット=クロイツェル・・・

 

彼女がまた、自分達と同じ獲物を追い求めている事を知り、ミリヤの内でも表現しきれない高揚感が得られて来るのを、ミリヤは(ひし)と感じているのでした。

 

 

それとは全く別の場所にて―――・・・

「ゼニス」艦内にある、次元固定されたフロアの一つで・・・

元・交流相手である四人が、久しぶりに顔を合わせ―――・・・

 

 

 

ガ:しっかし、まあ〜〜なんだわね。

  元はと云えば、あんたと私が始めた、「愚痴のこぼし合い(ツ  イ  ッ  タ  ー)」が・・・まさかこんな風になるとわww

 

姉:仕方がない・・・とは、言い訳にしかすぎんがのぅ―――

  そう云うわても、あんなあの抱えとった「闇」を、知りもせん内に外に放り出してしもうた・・・

  それが、そもそもの発端じゃ―――と、云わざるを得んじゃろうのぅ。

 

ジ:でも・・・それは、あの当時の皆が感じていたはず・・・

  何もあなた一人が、背負う責ではありませんよ。

 

妹:そうなんよね〜〜

  でも・・・その事を裏返すんなら、それほどまでに、あん人が「自分の内の闇」を隠す事に()けとった〜そう思うんよぉ。

 

ガ:・・・で―――これからどうするか・・・

  まあ、現在(い ま)当時(む か し)と違って、あの時の面子も高い地位に居座ってるもんだから、中々ド派手な行動には移り(がた)い・・・

  けど、手はないとは云えないはずだよ―――現に私は、自分の部下を動かしている・・・

ジ:それは、私も同じです。

  私自身が創設している「秘密機関」を、既に動かせています。

 

妹:二人とも〜〜手抜かりはないよね〜。

  ほじゃ、うちら姉妹はどうしょうかいね〜おねぃちゃん。

 

姉:ふぅ〜ん・・・ほうじゃのぅ―――

  ま、当面は、ガラちゃんやジルちゃんの部下が動き易いように、工面を―――・・・

  各機関方面に、圧力をかけんといかんかの♪

 

妹:う〜〜ん・・・ちょっち気乗りはせんけど―――

  なんだか面白そうじゃね♪それ♪

 

ジ:あんたら・・・姉妹揃っていい性格してるわ―――

  つか、私ら姉妹も、そこんところを狙って集まった事だしねぇ〜? ねえ、お姉さま♪

 

ガ:まあねw

  しっかし―――この事を、あの子が知ったら、さぞや胃の痛くなる事だろうねぇ〜w

 

ジ:・・・そこはちょっと同意できませんが―――

  でも〜〜その事で苦吟して、悩めるジョカリーヌちゃんの事を妄想すると〜〜

  はあぁ〜ん、た・・・たまらなぁ〜い!♪

 

 

 

なんとも・・・そこでは、一種の「混沌(カ オ ス)」と呼べるものが渦巻いていたのでした。

(事実、この前後に、ジョカリーヌさんを正体不明の悪寒が襲ったのは、云うまでもあるまい・・・w)

 

それはそうと、この艦―――「ゼニス」に集まっていた四人こそは、「原始の七人の魔女(オリジナル・セヴンシスターズ)」の面々であり、主核を構成していた者達・・・

 

そもそも―――七人の魔女(セヴン・シスターズ)」の成り立ちとは、

『イセリア・クィーン』ことレヴェッカ=カストゥール=フェルナンデスと―――

『スカータハ』ことガラティア=ヤドランカ=イグレイシャス―――

この二人が始めた、「愚痴のこぼし合い(ツ  イ  ッ  タ  ー)」が始まりであり、その後・・・徐々に人数が集まり、余りにも多くが参加し過ぎた為、

主催するレヴェッカとガラティアが参加人数を絞り、最終的には「七人」になったことから、誰が云うとでもなく「七人の魔女(セヴン・シスターズ)」と呼ばれる事になったのです。

 

それでは・・・「現在の」魔女たちの集まりは―――?

その事を、レヴェッカとガラティアは、「現在の魔女達」の主催(ホ ス ト)を、ある程度断定していたのです。

 

元々、自分達の仲間であり、最終的に七人目の席を埋めた人物―――・・・

その人物こそが、「現在の魔女達」の、中心的役割を担っているのだとしていたのです。

 

それでは、今回集まった意味とは・・・?

 

自分達が抱いていた「疑問」と、今後の展開について―――

(その内には、なんとも形容し難い妄想もあった様ですが・・・それはまあ、置いといてw)

 

現在の自分達の地位を利用し、現在の「七人の魔女(セヴン・シスターズ)」の全容解明に向けて、

自分達の手の者が任務を遂行し易いように、(主に「UP」からの「圧力」などの)外部からの妨害してくる力の排除をする為、協力するよう協議されていたのです。

 

 

 

 

=続く=

 

 

 

 

あと