恐らくは―――離反した自分を、また元の鞘に戻す為に・・・と、講じられた手段・・・
だから、「ディーヴァ」なる組織内でも、武力制圧の実力No,2を誇る者を、自分に当たらせたのだ・・・
それは、当事者でもあるマリアでなくとも、誰しもが辿り着く結論―――だった事でしょう・・・。
それに、マリア自身も云っていたように・・・『私は、こんな処では終われない・・・』
それだけの意地と覚悟が、果たしてマリアにはあったのでしょうか・・・
そしてそれは、かつて「仲間」だった者を、殺傷してまで貫き通すことだったのでしょうか・・・
けれど、ここに一つ―――大いなる見解の相違が・・・
それは・・・マリアは、メイベルを「殺害」にまでは至っていなかった・・・と、云う事実―――
とは云え、前回のお話しでは、メイベルの命を断つ為の「止めの拳」が、振り下ろされようとした処・・・だったのですが―――・・・
謎:(・・・)その辺で止めるのだ―――マリア・・・
マ:(!)な―――なぜ、あなた様が・・・
メ:お・・・ま・・・え・・・
(!!)お前―――は・・・?!!
謎:(・・・)「任務」・・・に、実に忠実なるは、誉れ高き事―――だが・・・
果たして貴様に、現在与しておる組織に、その忠義を捧ぐ道理はある―――のかな・・・
それを、今一度考えるのにも、少しばかりの暇を、与え―――ようぞ・・・
メ:(・・・)―――・・・
マ:(・・・)メイは―――どうなるのですか?
謎:心配は―――要らぬ・・・
こちらの都合よきよう―――記憶の操作をしておいた・・・。
これでお前も・・・晴れて我々の―――「悪」の仲間入り・・・と、云った処・・・か。
このワレの顔は見られはしたが、こ奴の意識に「潜在化」することは―――出来た・・・
「計画」は「順調」―――・・・フ・フ・・・フハハハハ!
一体・・・いつの頃よりいたのか・・・「謎」の存在が、メイベルに止めを刺そうとしたマリアの拳を寸での処で止め、マリアに「仲間殺し」の汚名を着せさせずにおいていたのです。
それに・・・この「謎」の存在の顔は、意識が薄らいでいくメイベルでも認識できており、しかもどこかメイベルも知った顔の様であった―――・・・
それこそが、この「謎」の存在の、予てよりの「計画」でもあったかのような言動を、この「謎」の存在自身の口より語られていたのですが・・・
それにしても―――??
あたら「悪」の組織・・・とは、自分達の正体を知られては拙い部分に場面もあるため、そうした「行為」・・・
つまり、「顔見せ」などは忌避するモノなのですが―――・・・
それを『「計画」は「順調」』―――などとは・・・
しかも、この出来事があった後、重傷を負っているメイベルは、近くの救命病院へ―――何者かにより搬送されていたようですが・・・
そのお陰もあり、どうにか一命は取り留めることが出来ていたのです。
では、一体何者が―――・・・
それは紛れもなく―――・・・
マ:(・・・)これで良かったのでしょうか―――・・・私達の顔を、大勢の人達に見られて・・・
謎:その事は、心配いらぬ・・・
何より、このワレの顕現を使えば、他人の記憶の操作なぞ、取るに足らぬ―――こと・・・
マ:(・・・)それにしても・・・私は―――・・・
ああっ! 私は・・・メイベルになんて事を―――!
(!)ふっ―――・・・あ・・・ふあぁ〜ん!
な―――何・・・を?! あっ・・・はあぁ〜ん!!
謎:フ・フ・・・かつての仲間を殺しかけ―――それで「ココ」を、「勃起」させていると云うのか・・・
それでいて―――非道な事をしたことへの呵責・・・
善いぞ・・・実に好い反応だぞ―――マリア!!
マ:あ・・・っ―――ひゃうぅ〜っ! い・・・いひぃぃ〜〜!!
そこ・・・らめぇ〜〜! そんなにしごいちゃ・・・
あっ―――!! イく・・・イく・・・イっちゃうぅ〜〜〜っ!!!
救命病院に、重傷者を運んできた男女二人は、紛れもなく―――あの「謎」の存在と、マリア・・・でした。
しかも、二人の顔は、大勢の医師や看護師たちに見られている・・・はず―――
なのに、その「謎」の存在は、自分に備わっている「顕現」で、「記憶」の操作ができる―――と、云ったのです。
そう・・・『その場にいたとしても、いるかどうかの判別ができなくなる』―――
そんな奇異な特性を持つ「顕現」を有する存在など―――限られている・・・
しかし・・・その特定に辿り着くまで、有耶無耶となってしまう―――そんな「顕現」・・・
それはそうと、かつての仲間であったメイベルを、殺す一歩手前まで追い込んでしまった事により、
マリアの・・・精神的にも、肉体的にも、一部変調が見られたのでした。
それが・・・軽い興奮状態―――それと共に、かつての仲間を傷付けたことへの、「罪」なる思い・・・
そうしたことにより、精神状態は次第に不安定になって行き、今度はそれが肉体的にも・・・
そう―――マリアは・・・「そうしたこと」により、性的衝動をも急激に昂らせてしまったのです。
それゆえ・・・マリアの股間には、普通の女性には「あるまじきモノ」があったのです。
しかも「それ」は、男性の「性の象徴」などではなく・・・本来は女性も備わっているモノ―――
しかし、進化の過程で「その部位」は退化し、現在の女性に措いては、皮を被って保護されるまでに小さくなっていたのです。
ですが・・・ごく稀に―――今回のマリアの様に・・・
性感・性慾の強い個体のみに顕れてしまう場合もあったのです。
そうした肉体の一部を、「謎」の存在に存分に弄玩ばれ―――終には絶頂まで迎えてしまうマリア・・・
その時のマリアの表情は、えも云われぬような至福・幸福の「それ」・・・だったとも云われていたのです。
それからしばらく時間が経ち―――地球にいる自分達の「協力者」と、ホット・ライン通信をするミリヤの姿が・・・
ユ:『お話しは伺っております、それで・・・大丈夫なのでしょうか。』
ミ:ええ・・・幸い命には別状ないそうよ―――
けれど・・・まさか、あの子がしくじるなんて―――・・・
ユ:『それでは―――・・・』
ミ:ええ・・・けれど、これではっきりとした事が判ったわ―――
マリアはもう、私達の「仲間」ではない・・・
私達を・・・「ディーヴァ」を瓦解させる為の、恐るべき「相手の刃」となってしまった―――・・・
それに・・・こちらとしての手駒も、ヘレンのみ・・・
もし万が一、ヘレンすらも戦闘不能となってしまえば、後は武力を持たない私とジゼルの二人だけとなってしまう・・・
ユ:『・・・と、云う事だそうですよ―――ラゼッタ・・・』
ス:判っている・・・精々下手を打たないよう、善処するつもりだ。
「ディーヴァ」でも、『武力』に措いての二大看板はいなくなってしまった・・・
もしこれで、温存しているヘレンでさえも使えなくなった場合―――「ディーヴァ」には、犯罪者達を捻じ伏せれるだけの「力」を、持ち合わせなくなってしまう・・・
これでは「案山子」―――若しくは「張り子のトラ」も同然だ・・・と、ミリヤは悲観するのですが、
事態がこうなるであろうことを見抜いていたユリアは、自分の代わりに派遣した者に、宜しく云い含めておくのでした。
一方その頃―――例の「依頼」を履行する為に、水面下での調査を行っていたフランソワは・・・
フ:(色々調べて行く内、実に興味深い事が判ってきたわ・・・
かの「成功者」が、「死亡した時」―――と、云う条件でのみ支払われる「生命保険金」が、まだ存命中であったはずの唯一の遺族である「妻」の手に渡らないよう、巧みな手口で・・・
「宇宙会議」でも大派閥を抱える、「ある大物議員」の下に流れているのですものね・・・。
これによって・・・私が得た結論―――
「ロイド保険会社」の会頭・・・メサイア=ウィルヘルム=ロイド―――「宇宙会議」の大物議員・・・ロムスカ=コレサト=グーベルシュタイン―――
共に『有罪』―――・・・)
しかし―――・・・彼らを「同時に」・・・と、云うのは、少し手間ね・・・。
とは云え・・・時間差を作っては、実に疾しい事だらけの彼らを警戒させてしまう事になる―――・・・
・・・と、なると・・・「彼女」に、ご協力を願うしか他はない様ね・・・。
さある「成功者」の不審な死に、遺族から依頼された事を調査中だったフランソワは、
とある経緯で「大手保険会社」が何かの手がかりになるかもしれない―――と、予測し、その手の技術に通じている者に探らせていた処・・・
見事的中―――!
かの「成功者」の死に併せるかのように、実に一京プラティーネもの保険金が、まだその当時には存命中であった唯一の遺族である「妻」の手には渡ることなく、
「大手保険会社の会頭」と「宇宙会議の大物議員」との間で取り交わされた「闇」の契約により、この「大物議員」の口座に、そっくりそのまま入っていたのですから。
それに、その「大物議員」は、その大金を総て自分の政治資金につぎ込み、
当時、財政が火の車だと云われていた「大物議員」の事務所が、徐々に勢力を盛り返してきた・・・
しかも、一時的に手に入れた大金を、一度に―――ではなく、周囲りからも怪しまれない程度に分散して増額していく・・・
これには、少なからずとも・・・「大手保険会社の会頭」より、「助言」「指南」があったモノと見られているのです。
それに・・・その大金も、自らが額に汗して手にしたモノではなく、他人を死に追いやって転がり込んできた・・・いわば「端金」―――
そして―――そうした・・・「穢れた事」である事を知りながらも、「契約」「指南」を請け負った「大手保険会社の会頭」・・・
第二百三十八話;もう奴らに―――選択の余地などない・・・
しかし、「標的」達は互いに離れており―――片方を始末したとしても、片方に警戒を与え、制裁を降すことが容易ではなくなってくる・・・
本来ならば、そうした手間は省きたいモノ―――・・・
するとその時、ふとフランソワの脳裏に浮かんできたのは、彼女自身も親交のある人物・・・
優れた技術を持つ、「彼女」からの協力が得られれば―――あるいは・・・
その為、柄にもなく、『宇宙科学アカデミー』の門戸を叩いてみた処・・・
ル:ほむ―――たれしぞとおもへば そなた であったか・・・
して・・・なかりせしかば・・・
フ:実は―――「Dr」に頼みたい事が・・・
その「彼女」とは、「宇宙科学アカデミー」の教授でもあり、「Dr」としても名の通っていた・・・
ルーシア=ヴィンデミアトリックス=アーデルハイド―――その人なのでした。
それにしても・・・つい先頃まで「天帝の后」なる存在と共に行動をしていたルーシアが、
稀代の暗殺者でもあるフランソワと・・・果たしてどう云った繋がりがあったのでしょうか。
そうした処に興味は尽きないのですが―――快く、フランソワからの協力要請を受けたルーシアは、
「とある装置」をフランソワに渡したのです。
フ:(・・・)これは―――?
ル:さ ありしものは ちかごろ わっちが たずさわりしモノなり ・・・
こたびの やくにたちしもの ―――と いいたりしかば ためせしものが あらじ・・・と なれば―――な・・・
フ:フ・フ・・・それで私に、「実験台」になって欲しい・・と。
本来ならば断わるべきなのでしょうが―――背に腹は代えられない・・・と、云った処の様ね。
ル:ほむ―――いいたりしことはかなわじで なにより・・・
なにゆえに わっちの「助手」をさせておったものめは やくにたたじ―――なりしかば・・・
フ:フフフ・・・相変わらずですね。
それで? どのように使えば―――・・・
その「とある装置」こそは、最近ルーシアが開発に携わっていた、『位相転換機』―――
つまりこれは、「ゲート・システム」や「テレポッド」と云った様な、『行きたい場所に瞬時にして行ける装置』―――とは、少しばかり論理的にも違い、
そうした『移動装置』は、「物体」を、希望する「場所」に「運ぶ」モノ・・・
その為、いかんせん「装置」は大掛かりになっていしまい、大きさに関しても「人間大」がようやく―――と、云った処でしたが、
それが今回、ルーシアがフランソワに提供した「装置」は、女性であるフランソワの「掌」に収まるほどの「大きさ」・・・
つまりは、「ゲート・システム」や「テレポッド」並みの出力を誇る「装置」が、「コンパクト・サイズ」になったのです。
とは云え・・・未だ「それ」は「試作品」であり、実用性があるかも定かではなかったのですが―――・・・
そこを敢えて、承知の上で―――フランソワは「装置」の「実験台」を買って出たのです。
=続く=