その名が示すのは、『我が子に畏れを抱き、喰い殺した者』として知られており、その名が転じて『裏切りを促進させる者』として知られるようにもなりました。

 

そう・・・「裏切り」―――・・・

 

その者は、(ふる)くから「ある者」に対してシンパシーを感じており、()(かげ)の区別なく協力を惜しみませんでした。

 

そして・・・その者の名こそ・・・・

 

 

 

第二百八十話;『サルトゥルヌス』

 

 

 

ユ:ようやく・・・見つけ出しました・・・

  このわたくしが見つけたからには、最早あなた方の思惑通りには―――

サ:(・・・)フフフフ・・・「させない」?

  お前ほどの者が・・・「衰え」とは哀しいモノね―――「ヱニグマ」・・・

  わたくしが、お前の前にこの身を曝けたのは、まさしくわたくしの「思惑」―――通りだからよ。

 

 

 

畏るべきは、ジョカリーヌと匹敵する能力を持つユリアでさえも、手玉に取る狡猾さ・・・

『サルトゥルヌス』がユリアの前に姿を曝した理由こそは、「総て計画は順調の下に」・・・であり、

目下の処、自分達の邪魔となるであろう者達の「排除」―――または「妨害」・・・

 

而してそれこそは、「ベクサンシオン(嫌   が   ら   せ)」でもあったのです。

(実はこの名称、今回が初出ではなく、「XANADO」の「第一部」に出典済みである。

その時には、「カルマ」の不浄兄妹が操る術にして、その兄妹が滅した時に、フォルネウスから・・・

「人間のクセに魔族の術を使うから、そうなるのだ」と言わさしめたことから、魔族特有の術だった事が伺える。

しかし、その元を辿れば・・・宇宙存亡がかかる事態にまで繋がっていたとは・・・)

 

 

しかも―――・・・一瞬の下に、その術に捉われてしまったユリアは・・・

 

自分が気付く間もなく、「闇」へと囚われてしまったユリア・・・

その彼女の足下には、「縛り」を意味する結界の輪が構築されており、文字通り身体の自由を奪われてしまったのです。

 

そして、術を仕掛けた『サルトゥルヌス』は「ジェルソミナ」と名乗った者は、その結界の輪に向けて更に何やら念ずると・・・

 

 

自分の意思とは関係なく、身体は開放を求め―――自ら恥ずかしい部分を晒け出そうとしている・・・

いつの間にか産まれたままの姿となり、ふくよかで丸みを帯びた頭頂部の付け根は、まるで丘陵を思わせるかのように膨らみ・・・

脚は自然と拡がり・・・ユリア自身を披露していた・・・

 

「違う・・・これは・・・わたくしの意思などではない・・・! それなのに・・・っ―――ああっ!!」

 

いつしかユリアの身体は束縛され、宙へと浮かされていました・・・。

 

そんな彼女の周りには、顔も知らない連中が取り囲み、豊満なユリアの軆を観賞・・・いや―――「視姦」する・・・

 

軆自体を觸られている―――嬲られているわけではないのに、ユリアの軆は湿り気を帯び、素直に反応していたのです・・・。

 

そして・・・次第に(たぎ)ってくる情艶―――・・・

いくら、理性で抑えようとしているとはいえ、本能が「それ」を求めて渇望している・・・

 

「視られている」と云う事に、ユリアの・・・「女」としての「性」が、「快楽を得たい」という苦痛に(さいな)み、

ユリアの美しい顔が、次第に歪んで行く・・・

 

 

すると、そうしたユリアの思考が詠まれてしまったのか、ユリアを囲んでいた連中の姿は一変し、

その一つ一つが、おぞましい「觸手」に変化したのです。

 

その瞬間―――ユリアは、自身に襲いかかる事態を理解しました・・・

 

 

ユ:あ・・・っ―――う・・・くふぅっ・・・!

 

 

一瞬の内に自分の軆を占領され、蹂躙された・・・

しかも束縛を受けているモノだから、身動(み じ ろ)ぎも・・・況してや逃げる事すらも叶わない・・・

そして押し寄せる―――快楽の波(オ ル ガ ズ ム)・・・

 

けれど、決してユリアは喘ぎませんでした・・・

快楽に、押し潰される事はありませんでした・・・

 

けれど、それに耐えうると云う事は、結果―――ユリア自身の苦しみが、増幅されると云う事であり・・・

 

 

 

サ:あら・・・ウフフフ―――これに耐えるだなんて・・・

  けれど、流石に軆は正直の様ですわね・・・。

  股座(またぐら)を・・・こんなに! ―――しとどに濡らせるなんて・・・

 

  ですが―――どうやら、「觸手(こんなモノ)」ではモノ足りなかった御様子ね・・・

  ならば現実に―――「男根(コ レ)」ではいかがかしら?!

 

 

 

どうにか、「觸手」の「性感帯刺激(こ   う   げ   き)」は耐え凌ぎました・・・

と、思っていた処に、ユリアは更なる驚愕の事実を目の前にしたのです。

 

それが・・・『サルトゥルヌス』のジェルソミナ―――

彼女は、ユリアと同じ位の豊満な肉体を持つ女性・・・の、はず―――でしたが、

これからユリアを堕とす為にと行われる儀式に、ジェルソミナ自身も加わってきたのです。

 

そして、その彼女の軆を見た時・・・女性の身体には決してあり得ない「モノ」が、ジェルソミナの下半身にそそり立っていたのです。

 

そう・・・『サルトゥルヌス』のジェルソミナこそは―――宇宙創世以来の、最初の「両性具有」・・・

 

その女が―――同じ性であるユリアを・・・犯す・・・(おか)す・・・(おか)す・・・

 

そして終に―――その快楽に屈してしまい、(おびただ)しい量の分泌物を撒き散らし、「アヘ顔」まで晒して果ててしまったユリア・・・

 

最早彼女は・・・「またしても」、「闇側の人間(ヱ  ニ  グ  マ)」になってしまったのでしょうか―――・・・

 

 

 

サ:フ・・・ッ―――ようやくにして果てましたか・・・

  それにしても、随分と()()()らされたモノでしたわね・・・

  ですが、これで「あのお方」―――我らが主「エリス」様もお喜びになられることでしょう・・・

 

 

 

ジェルソミナの前には、彼女に対面した時のままのユリアが佇んでいただけでした。

しかもユリアは、淫らな格好もせず、普段通りの正装のまま・・・

 

けれど、どこか表情は虚ろで、意識も(うつつ)にはなかったようでした。

 

そう・・・これまでの、ユリアを襲っていた淫らな仕打ちこそが、ジェルソミナの創り出した「幻影(ベクサンシオン)」・・・

現実には、何も起こってなどいなかったのです。

 

そして、この時・・・ユリアの意識が(うつつ)にはなかった時、ジェルソミナの口から明かされた存在・・・

「エリス」―――・・・

 

『不和と争いの女神』を僭称する存在と同調する者こそ・・・

我が子を畏れる余りに、終には喰い殺してしまった「魔女(サルトゥルヌス)」・・・

 

それでは、ジェルソミナの目的とは・・・?

ユリアを、まだ更なる「闇」へと堕とすために、籠絡しようとしていた・・・??

 

それは間違い―――

今回のジェルソミナの標的は―――ユリアなどではなく・・・

 

 

 

サ:それにしても・・・思わずも時間を取らされたモノね・・・

  わたくしには、これからやらなければならない事がありますから・・・

  だから―――お前の様な者に、いつまでも関わっているわけにはいかないの。

 

  だけど・・・お前の相手は、いずれ―――・・・

  「ローレライ」「トゥルヴァドゥール」「サイレン」「プリマドンナ」そして「ディーヴァ」・・・

  この五人の「歌姫」を、エリス様に捧げる・・・この役割が終わった時、このわたくし自身が存分に(かわいが)ってさしあげますわ♪

 

 

 

(いにしえ)より・・・その歌声によって、魔を討ち払い、邪を鎮めてきた「歌姫」達がありました・・・

そして、その五人もの「歌姫」達の協力・・・加護を得た勢力と対抗したエリスは、敗北を喫し封印されてしまった・・・

 

それを今度は、自分の勢力下に置く事で、自分と対抗していた勢力・・・「賢下五人」に報復しようとしていたのです。

 

その・・・前哨戦とでも云うべき戦闘に・・・ユリアは敗れてしまった?

 

しかし、そう思えてしまうのも無理らしからぬ処があり、

未だユリアの意識は(うつつ)にはないまま―――夢幻の幻夢に囚われたまま・・・

 

しかしながら、果たしてユリアは、何の準備もないままに、ジェルソミナに挑もうとしていたのか・・・

 

そんな・・・彼女ほどの人物が、無計画で事に当たろう―――など・・・浅慮だった・・・のか??

 

ですが、取り敢えずは急ぐ用もあるから―――と、ユリアを放置し、

ジェルソミナは五人の「歌姫」達を籠絡すべく、彼女達が散らばる宇宙(せ か い)へと跳び立ったのです。

 

 

 

 

=続く=

 

 

 

 

あと