リ:は!w なんだよ―――こいつら全員、人形だったのか!
源:おのれぇ〜―――この、恥知らずめ! よもや、我らの里の術の謎を暴くとは! 恥を知るがいい!
リ:ハ・ハ〜ン? なに云ってんだぁ〜? お人形さん遊びが大好きなおやぢが!w
市:フフフ―――なるほど、そう云う考え方もありますね。
リリアさんて、本当に発想が自由で、こんな危機に直面していても、私達の心を和ませてくれる・・・それに、最早この勝負の行方は見えました!
源:ほざけ! うぬうぅ〜〜斯くなる上は・・・
あと一歩で、この場は未曽有の混乱に陥る処でした。
けれど、しのからの助言によって、この「死なずの忍」達の正体が明白になってきたのです。
それこそが「傀儡」―――精巧な造りをした、「カラクリ人形」・・・
しかもこの連中は、巷で知られているような「操り糸」などがなく、云わば「自動」「自走」が出来る難物でもあったのです。
それに、その原理までは、しのは知りませんでした。
・・・が、やはり―――「人形」は「人形」、燃えにくい「金属」などの材質ならばいざ知らず、
こんなにも軽快に動かせられるのには、考えられることは只一つ・・・
けれど、ある「懸念」がある為、「木」で出来た人形でさえも、それを行使するのは躊躇われたのです。
そう・・・木は、遍く―――
し:(「火」に、弱い・・・確かに、ここで火遁を使えば、こいつらは一掃できるかもしれない・・・
だけど―――・・・)
蓮:・・・「火薬」―――あの内の数体から、火薬の匂いが致しますな・・・。
市:それは・・・厄介ですね。
これでは、あの者達の正体が判ったとしても、迂闊に手が出せなくなりました・・・。
その二人からの証言を聞き、「やはり―――」と、しのは胸の内で思いました。
つまり源蔵は、ある種の「保険」を掛け、自分が率いている、傀儡の忍軍の正体が割れてしまい、剩、「抜け忍」の始末に失敗したとしてもいい様な下準備を整えていたのです。
けれどそれは・・・同時に、彼自身の命も、露と消える時―――
「自爆」・・・
あと一歩で栄光を手に入れていたと云うのに、次から次へと邪魔が入ってしまった・・・
その上、秘匿としていた、里の術の内容まで暴かれたとあっては、
最早、彼に残された道は、痕跡すら残さないよう、華々しく散ることのみにあったのです。
第四十六話;覚醒―――リリアの護剣
目の前に存在する物体から、危険物の反応がある―――
その事を知って、黙っていられない、リリアがいました。
リ:ん〜だってぇ?! このヤロ・・・ン、な危険なモン、ぞろぞろと連れてきやがって―――、一体、どんな神経してやがんだ、お前!!
源:フン・・・そのようなこと、知ったことか―――いずれにせよ、お前達は・・・この場で、オレの野望と共に果てるのだ!!
リ:ちょ・・・バカ!コラ!! 他人の話しを聞け―――って!!
なんだって、そんな・・・お前の都合を押しつけやがるんだ!!
私には、これから〜・・・やらなけりゃいけない事が、あるってのに―――
源:フン―――それこそ、貴様の都合ではないか。
それに・・・任務に失敗してしまったオレは、最早、里にも戻れん!
なればこそ、この地で貴様達と共に果てるのが、オレに残された最期の道なのだ!!
なぜ・・・判らない―――判ろうとはしない・・・
自分の命を、自らの手で断つ事が、どんなにか愚かしいことであるか・・・
それに、自分には、やらなければならない事が、沢山ある・・・
今回の旅の目的も、市子に蓮也を、自分が尊敬して已まない「ある人物」に引き合わせる為―――
そして、自分やソフィアが、感動褪め上がらなかった「アレ」を見せる為―――
だから・・・こんな処では―――・・・
それこそは、リリアが「生きたい」とした、「執念」―――
その「執念」が、源蔵の「無念」を少しばかり上回った・・・
だからなのかもしれない―――
只、そこにあった「真実」―――リリアが腰に差していた、「只の木の枝」が、この時激しく反応を示し・・・
源:フハハハ―――! 散れ! 我が野望、果てると共に!!!
リ:や・・・止めろぉ〜〜―――!!!
自分が率いていた傀儡達に、ある種の命令を送ると、無情にも、爆発物を抱えていた数体の傀儡は、
大音響―――大爆炎―――大爆発・・・を、伴い、周囲半径約500mにある物を巻き込みながら、爆ぜ散ったのでした。
そしてそこでは、爆発の衝撃に巻き込まれ、無惨な肉塊と化した、数人の男女の骸があった・・・
はず・・・だったのですが―――?
し:(・・・!)
ぶ―――無事・・・?
蓮:これは・・・一体―――
市:(これは・・・私達は、「何か」に護られて―――はっ!?)
リリア―――リリアさんは??!
意外にも、驚いたことには、市子・蓮也・しのは、無事・・・しかも、無傷だったのです。
それに市子は、両目を塞いでいたが故に、目が見えていた蓮也やしののように、目で見えない「何か」に、護られている事に気が付いたのです。
その直後―――リリアの安否を案じたのです。
それと云うのも・・・
自分達は無事―――けれども、彼女からの反応が、伺えなかった・・・
けれど、この時一番―――声が出なくなるほど驚いていたのは、実は・・・
リ:(・・・こ―――これ・・・って、あの時、あいつが見せてくれたモノと同じ・・・??)
自分は、自爆をしようとしている人間に、どうにか思い留まってもらうよう、促そうとしていた―――
その時、差し伸べた左手―――・・・
けれど、甲斐性虚しく、その者は、「自爆」の命令を傀儡達に送ってしまった―――
その刹那―――・・・
リリアが、ここにいる皆を助けたい―――
その気持ちが、「緋刀・貮漣」に通じ、「ある効果」をして、その顕現を具現化したのです。
而して、その「効果」にして、「緋刀・貮漣」に隠された「顕現」とは―――・・・
須らく、万事の危機に対応して、之を退け、護る、万能の盾・・・「晄楯」―――
それは・・・「緋刀・貮漣」が、リリアを、己の主だと初めて認めた、最初の事象だったのです。
=続く=