第二話          モウ一人ノ剣豪

 

 

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〔“ワーズの森”で、コープス達を殲滅したエルム。

そして、蔭で暗躍していた魔影『コープス』から、すんでのところで、ヱルムを救ったアダナ。

 

その後、謎の 女魔術師 と闘(や)りあうも、その女魔術師自ら退いてしまったのです。

 

総てがうやむやのうちに終わってみても、やはり懐かしさが先にたつのか、フレンス・ブルグに帰る道中でも、

無駄口の絶える事のなかった、アダナ達だったようです。

 

 

そして―――――もう一人の仲間、タルタロスは・・・と、言うと、

フレンス・ブルグより遥か西にある場所で、一匹の魔獣と指し向かい合っていたようです。

(ちなみに、この場所、ジョカリーヌ様の洞窟とは、離れています。)

 

 

ミ:グ・・・ッ!!ブフゥッ!! 小賢しきハンターめっ! 我が一撃を喰らうがいいわ・・・っ!!

 

タ:(フ・・・)力押しだけじゃあ、この俺は倒せんぜ・・・

 

ミ:ぬかせぇいぃっ!!  つりゃあぁ!ふぬぅぅん!!

 

 

〔触れれば、たちどころに骨まで砕けるであろう、 ミノタウロス の攻撃を、軽やかな足捌きでかわすタルタロス。〕

 

 

ミ:こ・・・ッ、この動き!  まさか、きさま ラー・レイ の継承者か??!

タ:そう・・・だと言ったら?

 

ミ:ぐっへへ、決まってんだろーが! 刹(や)らせてもらうぜ、このオレ様がよう!!

 

タ:(そうか・・・やはりこいつか。 この近辺で腕の立つ剣士を、片っ端からヤっている・・・ってのは。)

  ならば、こちらとて容赦はせん!!  いでよ!丙子椒林!!

 

ミ:ぬぇりゃあぁぁ〜〜!

 

タ:

ファンネリア・スラスト!!

 

 

ミ:ぐぎゃあぁ・・・・

 

タ:(な・・・なんだ?意外ともろいじゃあないか。  ・・・・こいつじゃあなかったのか・・・?)

 

 

〔勝負は意外にアッサリとついたのです。

 

しかしながら、この近辺で消息を断っているのは、皆名うての剣士ばかりなのに・・・

 

なんとも、奇妙な感じに駆られながらも、その場を離れるタルタロス。

しかし、そのタルタロスの後を追うようにして、一つの人影が・・・・〕

 

 

人:・・・・・・。

 

タ:(うん? ・・・・・誰かオレの後を・・・尾けている・・・?)

  誰なんだ・・・?        ・・・よし、少し様子を見てみるか・・・。

 

 

〔ここでタルタロス、彼の者の出方を見るため、わざと茂みの中に入り・・・急にしゃがみこんだのです。〕

 

 

人:う・・・し、しまった。 撒かれたか?

  ・・・・・・・・・・・。(ガサ・・・ガサッ)

 

  く・・・・っ!やられちまった・・・。(クル)         う、うわっ??!

 

 

〔彼の者が驚いたのも、無理はなかったのです。

なぜなら、完全に撒かれたと思っていた相手が・・・自分の背後に立っていたのだから。〕

 

 

タ:(う・・・・ん?)なんだ・・・誰かと思ったら、まだ子供(ガキ)じやぁないか。

  どうしたんだ?こんな危ない森に入ったりして。 それに・・・・オレを尾けていたようだったが・・・?

 

 

〔時に、その子供の容姿・・・とは。

 

あのエリアより、背は若干大きく、年のほうも、10歳前後だろうか。

髪は肩まで伸ばし、前髪には、これまた印象的な触角(??)のようなモノを生やしていたのです。

 

色は、『ビビアン・レッド』、瞳の色は『ゴールド・イエロー』を宿しているようです。〕

 

 

少:な・・・なんでもない。 気に入らなかったのなら・・・・すまない事をした。

 

タ:ふぅん・・・・ん?お前、どうした?その剣。

 

少:ハァ?剣士なんだから、帯剣しているのは、当たり前じゃあないか。

  オッさん、あんた・・・なに言ってんだ?

 

タ:(オ・・・・オッさん?? この・・・オレが???)

  フ・・・まあ、納得はいかんが、いいだろう。  オレは、タルタロス・・・・ バルバロス=ローゼン=タルタロス だ。

  

  お前は?

 

少:オレは・・・・そうだな、 ゼクス で、いいぜ。

 

タ:ほう・・・いい名だな。

 

ゼ:ありがとうよ。  それより、あんたこそ、こんなトコで何してたんだ?

 

タ:オレは・・・そうだな、この近辺で腕の立つ奴等を、片っ端から襲い続けているヤツがいる・・・

  と、風の噂で聞いたもんでな。

 

ゼ:そしたら、さっきの雑魚に会った・・・ってか。  丁度いい、オレもそいつを探してんだ、一緒にどうだ?

 

タ:オレは一向にかまやしないが?

ゼ:よし、成立だな。  よろしくな、相棒。

 

タ:(フフ、調子のいいヤツだな。)  ああ、こちらこそな。

 

 

 

 

 

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