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〔一方その頃―――、一足先に、ギルドに帰った、アダナとヱルムは、長老室で、久しぶりに、懐古話に花を咲かせていたのです。〕
ア:いっやぁ―――それにしても、ここより遥か東には、いいもんたっくさんあったねぇ〜〜
ヱ:ふっうぅ〜〜―――ん、そうなの〜〜〜(ニッコニッコ)
ア:あぁ――――、食いもんはうめぇ〜し、酒も美味い!!
しかもさぁ!向こうには、独自の魔法文化が、形成されててな? いっやぁ―――あれはいい勉強になったよ。
コ:まあッ、昔から、勉強嫌いで有名だった、アダナが??
ア:ヘへ―――ッ、まあ、そう言うなよ、『少年老い易く、学成り難し』・・・って言うだろ?
コ:は―――ますます驚いた、あのアダナが・・・・
ア:えっへぇ―――ん! まぁだ、こんなのも知ってるぜ? 『士、三日会わざれば、刮目して相待すべし』 ・・・ってな。
コ:は・・・ぁ・・・それは、流石に聞いた事はないわね・・・
ア:だっろ〜な、こいつは、向こうでの、“諺”ってなヤツだ。
ヱ:どうりで・・・・
ア:でさぁ、意味はな? “侍というのは、三日も会わないでいると、見違えるように、成長するもの” だ・・・って、事なのさ。
ヱ:まぁ―――ッ、まさに、今のあなたにぴったりですよね?
ア:お・・・・おィ・・・な、なんかちょっと、気味悪いなぁ・・・
ヱ:あら、どうしてです?
ア:だあってさぁ―――お前が、私に対して、そんなに褒めちぎったこと・・・なんて、以前にも、無かった事じゃんかよぅ。
ヱ:だって・・・いいじゃない、ほんとに久しぶりなんだもの・・・
こう・・・・腹を割って話せるの・・・って、今も昔も、あなただけ、だったんだし・・・
ア:(はっあ〜〜――こりゃあ、相当辛い目に、遭わされて来たんだなぁ―――)
な、なぁ、それより、久しぶりに、二人で、飯でも食わねぇか?
ヱ:あら、それはいいですね、では、久々に、私が腕を振るいましよう。
ア:あぁ・・・一つ、頼むよ。
〔しかし―――この時、次元の壁を潜り抜け、ギルドの長老室内部に、強制転移してきた存在が―――
そう・・・いうまでもなく、あの、 真祖:カミイラ なのです。〕
カ:(フフフ・・・) ・・・クハハハハ! 我!復活せり!! 積年の怨み、今こそ雪(そそ)がん!!
ア:(ビクッ!) な・・・なんだ、この怒りと、憎しみに満ちた気・・・
ヱ:さ・・・さあ・・・
ア:ち、ちょっと行ってみよう!
ヱ:ええ!
ア:ああっ!お・・・お前は・・・カミイラ!!
ヱ:(そ・・・んな・・・)
カ:ふん・・・あの時の女か・・・キサマ如きに用はない!! あの、小生意気な小娘を、どこへやった!!
ヱ:し、知りません!そんな事!!
カ:フフ・・・・なんだ、誰かと思えば・・・この、私の、可愛いオモチャじゃないか・・・
お前・・・いつから、この私に対して、いっぱしの口を、利けるようになったんだ?!
ヱ:うぅ―――っく・・・
ア:ヱルム!!そんなやつの言葉に、一々耳を貸すんじゃあない!! 〜んのヤロウ・・・目的は一体なんなんだ!!
カ:はっ!! さっきも言ったじゃあないか・・・私が慾しいのはな、
あの、エリアとかぬかす小娘の、今にも、血の滴らんとしている、新鮮な心臓と・・・その頸だよ!!
ア:な―――なんだとぉ!!
〔しかし、ここで、タイミング最悪で、ギルドの職員が駆け込み・・・〕
職:たっ・・・大変です!!長老様!!只今ここに・・う、うわっ!!な、なんだ!お前・・・一体どこから入り込んだ!!
カ:五月蠅いハエめ・・・失せろ!! =イグニート・ジャベリン=
ヱ:(な・・・なんて事・・・この人、あの時のような、幼児の体でなく・・・成熟した、大人の躰・・・
し、しかも、魔力の方も、以前とは、比べモノにならないほど大きく・・・)
ア:(チラ・・) おい!ヱルム!!怖気づいてんじゃあねぇ!!
今じゃ、私等も、不死の体を持つ者・・・これであいつと、対等・・・ようやくにして、同じ土俵に立てたんじゃあないか!
ヱ:え・・・ええ・・・分かってます・・・頭では分かってるんですが・・・
私には、あの人に、操られていた・・・と、いう記憶が、まだ心の隅の方にあるの・・・
ダメです・・・まともに戦えそうにない・・・
ア:(チッ!) ・・・・仕方ねぇ・・・。 おい、ソロン・・・お前、出てくれるか・・・
カ:(何?!ソロン―――)
ソ:『・・・・。』
ア:お、おい?!聴いてたんだろ??!
ソ:『・・・・・。』
ア:畜生――――!シカトかよ!! こうなったら・・・私一人でも相手になってやるぜ!!
カ:ふふん―――。 頼みの綱を断ち切られた者が、ナニをぬかすか!
あの、古の 魔皇 さえ出てこねば、こちらとて、有利に事を運べるというもの・・・願ったりもなし!!
ア:はんっ!言ってくれるじゃあねえか!!
こっちだってなあ・・・この700年、何も無為に過ごしてきた・・・ってワケじゃあねえんだぜ・・・
カ:ほほぅ――――面白い、ならば試してやる! ≪出でよ、我が影に巣喰う者共よ≫
ざわ・・・・ざわざわざわざわざわ・・・
カ:こいつ等を―――全滅させることが出来たなら、改めて、この私が相手をしてやろう・・・・行けぇい!!
ア:ヘっ!!上等だあぁ!! 出て来い!グラム!!
ヱ:アダナさん・・・(すっく・・・)
ここの・・・長老である、私がじっとしているわけにも行かないわ・・・。
私も、これより加勢させて頂きますっ!!
カ:クククク・・・なんだと? よもや・・・お前のような者が、ここの長老だと??笑わせおる。
そういえば・・・・道理で、ここの質が落ちた・・・と、いうわけだ・・・・あ――――っハッハッハハ!!
ヱ:く・・・・くうぅぅ・・・っ!
ア:おい!ヱルム!!あいつの言ってる事なんか、気にすんな!!
ヱ:ア・・・アダナさん・・・
ア:ヘへ―――・それよか、昔のコンビネーションで、あいつに、一泡吹かせてやろうぜ―――?
ヱ:ええ―――そうですね!やりましょう!!
〔そして!今!! まさに、ギルドの存亡と、彼女達の威信を懸けた、戦端が開かれたのです。〕