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〔そして―――、ここでやや遅れて、ジョカリーヌと、エリア、続いて、ヘカテと、グルカが、この長老室内部に、空間転移してきたのです。〕
ジ:(はっ!!) や・・・やはり・・・カミイラ、し、しかもその躰・・・
カ:・・・・ふん、ついに現れたか、かつての我が友、ジョカリーヌよ。
そして・・・そこにいたか!!小娘!!
ア:ああっ!エ・・・エリア!! お前は・・・逃げろ!!
こいつは・・・カミイラは、お前の命を狙って、ここに来たんだ!!
〔この―――アダナの発した一言が―――とある者達を、過敏に反応させてしまったのです。〕
ゼ:―――なに―――
へ:―――すると、やはりこの方が―――
グ:―――フフ、どうやら、無駄足ではなかったようだな―――
〔そう―――そのある者達とは、彼等、―――ゼクス・ヘカテ・グルカ―――の三人だったのです。
では、彼等は、一体ナニに過敏に反応したのでしょうか―――
それは・・・〕
エ:ふ・・・・ふふふ・・・・誰?こんないたずらをしたのは・・・。
この人は、私のある術式によって、『空間の澱(よど)み』と、言うところに閉じ込めといたはずなのに・・・・
そして、そこは、決して、自分の能力(ちから)では、這い上がっては、こられないはずなのに・・・
・・・・誰? ・・・・こんな事したの・・・
カ:ふ―――、それは後で、たっぷりと教えてくれるわ!! お前を倒し、その心臓を抉り出した、その後でなぁ!!
ジ:これ!カミイラ!! もう止めぬか・・・お主、あれだけ痛い目に遭わされても、まだ懲りぬと言うのか!?
カ:う、うるさい!・・・・黙れ、ジョカリーヌ・・・!
お前に・・・お前如きなんぞに、この私の苦しみなんぞ・・・
ジ:苦しみなんぞ、分かっておる・・・。
妾達も、かつては、アルディナや、ヱルミナ―ル殿と同じように、苦渋を分かち合った仲ではないか・・・!
ナゼに、そう無下にあしらわれようか・・・
カ:ぐぬぅ・・・くく・・・
エ:カミイラ・・・あなたはどうなの? ジョカリーヌは、総てを水に流して、昔のあの頃のように、なりたいと願っているようだけど・・・
総ては、あなた次第なのよ・・・
カ:・・・・・。
ジ:・・・・カミイラ・・・。
エ:どうやら、返事がない―――と、いうことは、了承した・・・と、見なしていいのね。
では、次、ほら・・・・そこ、隠れているのは、分かっているのよ・・・出てきなさい。
〔そして、以前、このヴァンパイアの真祖を、封じた少女―――エリアは、
自力では、決して抜け出る事の得ない場所から、出てきてしまった、カミイラを助けた者を、質(ただ)したようです。
そして、ここで―――、そこにおるものの中(彼の三人を含)で、その存在すら、気付かれなかった者が、現れたのです。
では、その者とは―――、彼の場所、『空間の澱み』にて、漂い続けていた、このカミイラの魂を見出し、以前にも勝る能力と、成熟した躰を与えた張本人・・・〕
キ:・・・・・。(カッ―――☆)
ア:(あ・・・あ、ありゃあ・・・なんだ? エ、エリアと同じ・・・)
ヱ:(まだ幼い少女じゃない・・・)
ジ:(・・・じゃが・・・ただならぬ、気配を感ずる・・・)
タ:(あんな可愛い子が・・・カミイラを??)
ゼ:(お―――おいおい・・・)
ヘ:(なんて・・・・傍迷惑(はためいわく)な・・・)
グ:(フッ・・・・)
キ:フフフ・・・案外、役に立たなかったわね、あなたも。
カ:ああ!申し訳ございません!
キ:いいのよ、別に・・・私も、それだけ見る目がなかった・・・って事だしね。
で、どうだった? 私の言う通りになったでしょ?
カ:はい・・・確かに、ここで何らかの騒ぎを起こせば、総てが集まる・・・その仰せの通りとなりました。
キ:そう―――ご苦労。
に、しても、随分とお久しぶりよね―――。
エ:・・・・・。
キ:あら、返事がないわねぇ―――ひょっとして、怒ってたりして♡
エ:当然よっ!# 出でよ! “スカーレット・ブリューナク”『ゲイフォルグ』
キ:フフ・・・ッ、出でよ! “フローズン・ハープーン” 『ヴェンティシュカ』
ゼ:あ・・・ッ、あれは、『焔の飛槍』に、『氷の画戟』!!
へ:だ・・・団長・・・に、猊下!!
グ:フ・・・実に、久しぶりだな、二人が闘(や)り合うのを見れる―――と、いうのも・・・。
エ:せあ――――っ!
キ:何の―――っ!!
カキ―――ン ガキ―――――――ン――☆
エ:(ス・・・ッ)フフ・・・腕は全く衰えていないようね。 リヒト
キ:あなたの方こそ。 リントハイム