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〔その・・・三時間後、周囲の様子を窺いながら、女湯に入る人影が・・・よく見れば、ゼクスのようです。〕

 

 

ゼ:よぉ―――ッし・・・誰もいねいようだな・・・。

  ッと・・・いっやぁ〜〜しっかしまいったよなぁ?実際・・・・この体がこんなにも不便だったとは・・・。

 

  こんな形で、男湯に浸かってた日にゃあ、ヘンタイ扱いだろうし・・・かといって、女湯の方も・・・なぁ―――

ちゃっぷん・・・・

  ほわあぁ〜〜―――いい湯! 骨身に応えるさぁね! んん゛〜極楽・・・極楽!

 

 

〔なんとも・・・彼女、なにやら不可解な事を、口走っているようですが??

―――に、しても、彼女・・・・かなぁ〜り、おやぢ入ってるよう・・・ですねぇ?

 

すると―――しばらくして?〕

 

 

ア;おっ!見ろよ、ヱルム。 私らより先に、誰か入ってるようだぜ?

ヱ:そのようねぇ。 あら?この服・・・・ひょっとすると、ゼクスちゃん?

 

ア:は。 あいつ・・・今の今まで、剣の稽古―――したってぇのか、根性入ってるねぇぇ〜〜。

  おっしゃ!気に入った! それじゃあいっちょ、私ら二人で、あいつの背中・・・

 

ヱ:流してあげるとしましょうか・・・

 

ア:だな。

 

ガラガラガラ・・・・・

 

 

ゼ:はんぁぁ〜〜〜(うとうと・・・)

 

ア:おっ!見ろよ、こいつ・・・気持ちいいのか、眠ってやがるぜ?  おぉ―――いっ♡ おっ♡きっ♡ろっ♡(ぺちぺち)

ヱ:ちょいとぉ!やめておあげなさいよ、折角いい気持ちで眠っているのに・・・・

 

ゼ:はぁぁ゛〜〜―――ん?(ボ―――ッ・・・) ん・・・・んん゛っ?!(ビクッ!)

 

ア:おっと、目ェ覚ましやがったぜ?こいつ。

ヱ:あら、ごめんなさいね?ゼクスちゃん。

 

ゼ:(ぇえ゛っ?! 何で・・・どひて、こんなとこにπrが四つ・・・っじゃなかった、女が二人ぃ??)

  あっ・・・・あっ・・・・・あっ・・・・(ッぅ〜〜―――) はあうっ!(ぱしっ!   クル・・・)

 

ア:あっ!お、おい・・・どうしたんだ? 遠慮なんかしなくていいんだぜ?お互い女同士なんだからさぁ・・・

ゼ:そ・・・それより・・・・なんで、こんなとこに、あんたらがア?  (チラ・・・)う゛ぅ゛っ!

 

ア:はあぁ〜? ナニ言ってやがんだ?こいつ・・・・

ヱ:さぁ―――。  (はっ!)ひ、ひょっとして・・・ここ、“女”の方でしたよねぇ?

 

ア:―――ったりめーだろがよ、こちとら、まだ素面(しらふ)なんだぜ?

 

ゼ:そ―――そんなことよりさあ! 前・・・・なんかでかくひてくれよ!!

 

ヱ:あら・・・ゼクスちゃんって、意外と、恥ずかしがり屋さんなのね?

 

ゼ:そ、それはいいから―――!

 

ア:ヘぇ〜い、へい・・・

ヱ:は・・・あ・・・。

 

ゼ:そっ・・・・それでわぁ・・・・(一歩・・・二歩・・・三歩・・・・四歩・五歩六歩・・・・・)

  しっっ礼いたしやしたぁぁ〜〜―――――(逃走)

 

 

ア:はっ・・・・疾風の如く・・・・

ヱ:・・・・あのぉ〜〜私の躰・・・って、そんなに目に毒ですぅ?

 

ア:いっやぁ―――中々のもんだと思うぜ?

ヱ:でも―――今の反応・・・

 

ア:まっ、気にするこっちゃあねぇよ。 向こうさんは、まだ青臭い、ガキんちょなんだし―――

 

 

〔余りの、気持ちのよさげな湯加減に、ついつい油断し、眠りに入ってしまったゼクスちゃん・・・・

すると、しばらくして―――人の気配を感じ、目を開けてみると、そこには、実に 極上! な躰が二人分・・・

と、まあ、それはアダナとヱルムの両人だった―――わけで。

 

そんな、ご大層なものを見せられた彼女は、自分の顔にある、二つの穴より、なにやらあっつぅい血潮のようなものを感じ取り、

それを感じられまいと、急いでその辺りを手で覆い、ついで、後ろのほうを向いたのです。

 

そして、彼女達二人に、体前方のほうを、タオルか何かで隠すように要求し・・・自分は、まさに脱兎の如く、その場を去ったようです。

 

その、彼女のなしように、痛くきづついてしまう、ヱルム・・・。(純情なのですよ、この人は・・・・)

 

でも、その一方の――――この、お譲ちゃんは・・・と、いうと??〕

 

 

ゼ:はあ゛〜〜〜はあぁ゛あ゛〜〜〜し、死ぬかと思った・・・・。

  この時間帯なら、絶対一人になれる―――って思ってたのに・・・つ、つらひ。

 

  こいつは、もう少し後のほうがよさそうだなぁ・・・。

 

 

〔なんと―――このこは、対人恐怖症なのでしようか?? 複数でお風呂・・・とかに入るのを、異様に嫌っているように見えるのですが・・・・?

 

 

それはともかく、その―――30分経ってのち、アダナと、ヱルムが出た、そのあとで――――〕

 

 

ゼ:は・・・・。 ようやく出やがったかよ。

  ん―――に、しても・・・ど――ぅして、こうも女は、温泉が好きなんだろーかねぇ・・・って、オレも今は 女 だったんだ・・・・

  しまんねぇよなァ・・・・(はぁ・・・)

 

  どれ・・・もう一度、入り直すとすっかァ・・・。

 

 

〔ゼクスちゃん、また、なにやら不可解な事を・・・・『オレも今は女』・・・とは、これは一体??

 

それもともかく・・・・今度は、ここの泊まり部屋において―――〕

 

 

エ:あっ、アダナ様に、ヱルムさん、お帰りなさい―――

ア:ああ、ただいま。

 

キ:どうしたのです?ヱルム様・・・お二人とも、浮かない顔をして。

 

ア:あ・・・・いや、その・・・・なんだ。

ヱ:・・・・・。

 

 

〔そこで、彼女達二人、今まであった、琴の顛末を、そこにいた皆に、話して聞かせたのです。

すると―――〕

 

 

エ:はあ・・・・・そうだったん・・・ですか・・・。

へ:(うわっちゃあ〜〜―――サイアク)

キ:(プップッ!クックック・・・・)

 

ア:なあ?あいつ・・・・ちょっとおかしいだろ?

ヱ:私達二人を見るなり・・・後ろを向いて、出ちゃうんだから・・・

 

へ:そりゃあ・・・・・

エ:ねぇ――――

キ:(ヒッヒッ!クククク――――)(←笑いのツボに、はまり中―――)

 

 

〔どうやら、この三人には、ゼクスの身に、ナニが起こっているようだか、わかっているようです。

(そりゃまあ、当然―――彼らは、仲間なんですから―――)

 

では、その頃の、渦中の人―――ゼクスちゃんは・・・と、言うと?〕

 

 

ゼ:はあ゛っ!・・・・・あ゛ぁ゛〜〜―――やっぱ一人ではいんの・・・って、サイコーだわ!

 

 

〔どうやら、彼女、ようやく持って、満喫できる!もの・・・・かと、思いきや

すると・・・・また、しばらく経ってから・・・・〕

 

ざざぁ――――・・・

ちゃっぷん・・・・

 

ゼ:ンかァ〜〜―――――・・・・(←爆睡中^^;;)            んあ?(なんだ・・・・他人(ひと)か・・・・)

  ・・・・・他人ぉ?!

 

ジ:おや・・・誰か入っていると思えば・・・・ゼクス殿ではないか。 いかがかな?ここの源泉は・・・・

 

ゼ:い゛・・・っ!!(リ・・・リッチーの・・・) ジ・・・ジョカリーヌ・・・・(ツウゥ〜〜―――)

  はあ゛う゛っ!!(パシッ!     クル・・・・)

 

 

〔そして、ようやくここでお出ましになられた、ジョカリーヌ様・・・・この方も、他のご多分に漏れず、ここを利用しているようでス・・・・・が!

またもゼクスちゃん、鼻の下を手で覆い隠し、そのまま後ろを向いたようです。

 

しかし――――前の・・・・アダナとヱルムと違った事は・・・・

ジョカリーヌ様が、その事を心配し、彼女に近付いてしまった事から、おこってしまったわけで・・・・〕

 

 

ジ:いかがしたのか?もしや―――湯中りでもしたのかえ?

 

ゼ:う・・・うわわっ!そ、それ以上、近寄らんでくれッ!!た・・・頼む・・・

  そ、それから、前をなんかでかくひて・・・・

 

ジ:なんじゃ?何事か、あったのか??

 

ゼ:ひ―――!

―――――っ!

(鼻血の大噴火!!)

ぶくぶく・・・・

(そのまま撃沈・・・(^フ^゛)

 

ジ:ゼッ?!ゼクス殿??

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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