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〔さて、それより場面は一転し―――・・・再び、あの牢獄にて・・・・〕

 

 

エ:ところで・・・・キリエさん、大丈夫・・・なのです? こんなに・・・アザだらけになって・・・・。

キ:平気です―――。 もう・・・痛いのには、慣れましたから・・・。

 

エ:でも・・・とても痛そう・・・。

キ:そうですか・・・・でも、心配なさらないで下さい。

  こんなものは、冷やせばなんともないですから。

 

エ:冷やす・・・それでは、私が冷たいお水で、濡らした布を持ってまいりましよう・・・・。

 

キ:いえ、いいのです―――― まあ、見ていて下さいな・・・。

 

―――スウゥゥゥ・・・・―――

 

エ:(え・・・・)これは・・・冷気? どうして―――・・・・

 

キ:どうして・・・・と、言われましても・・・私の種は『デス・バハムート』でして・・・。

 

エ:デス・・・バハムート・・・!! では、あなたが・・・・ひょっとして・・・

 

キ:はい。

  ここ、ケネメアを流れる『雪解け水』、大気中に漂う『雷子』、そしてN様の身より出でたる『木灰』(もくばい)から作り出された・・・・

“氷河龍;デス・バハムート”

  なのです。

 

エ:そうでしたか・・・・。

 

キ:ところで・・・エリアさんは?

 

エ:えっ・・・私・・・私、ですか。

  そうですね・・・・私の種は、『ファイア・ドレイク』です。

 

キ:ファイア・・・ドレイク・・・総ての、炎を取り込める・・・。

 

エ:はい。

  私は、A様の抑制しても、まだ噴出されるその『焔』と、G様の流したるその『泪』、そしてそれらを元に、N様の胎内にて育まれたる生命・・・・

 

  そう、聞き及んでいます。

 

キ:あの――――・・・・方々の・・・それでは、あなた様は・・・。

 

エ:でも・・・私は、生まれるとき・・・・N様の体内に、感情の総てを置いてきてしまった・・・・。

  それを・・・A様や、あなたには、感謝しても、しきれないくらいです・・・。

 

キ:いえ・・・そんな・・・。

 

 

〔今の、この二人の会話で分かった事―――― それは、このエリアとキリエの出生の秘密・・・・。

 

どうやら、彼女達は、かの三人姉妹の女神達により、意図的に創られた生命のようです・・・。

 

――――と、そんなところへ・・・〕

 

 

誰:まだ・・・・そこから出ていなかったのか・・・お館様がお呼びだ、すぐ出なされい。

 

キ:あ・・・・。(ビク)

 

エ:あなたは・・・確か・・・・N様のお側に仕えていらっしゃる・・・。

 

グ:いかにも――― それがしの名は、 グラディウス=ルートヴィヒ=カルマーヴァティクス と、申す。(ペコ)

 

エ:そうでしたか・・・・分かりました。

  すぐにでも、出ましょう・・・・ですが、その代わりに・・・・もう、この人を傷つける事は・・・・

 

キ:いえ・・・待ってください。(ぽ♡)

 

エ:(え?) キリエ・・・・さん??

 

 

キ:その節は・・・・大変お世話になりました・・・。

  一言、お礼を言わせて下さい、グラディウスさん。(ペコリ)

 

グ:いや―――― 栓無き事。

 

エ:あの・・・・どうか、なされたの・・・・です?

 

キ:この方・・・・他の獄吏の方はそうではなかったのですが・・・。

  実は、この方が最初に私を哀れんで、杖を5,000打つところを、その半数以上を飛ばして下されたのです・・・。

 

エ:で・・・でも、そんなことを・・・・

 

キ:あとで、他の獄吏たちが話していた事で知りました・・・。

  そうしてしまった事で、このケネメアの『第一軍総司令官』の任を解かれたことを・・・。

 

グ:いや、気にはしないでもらいたい。

  何しろ、女体に杖打つなど・・・それがしの興には、そぐわなかった事だ。

 

  それに、一軍の指令の任を解かれたとて、あのお三方のお一人の側に置いてもらっている・・・・『禍い転ずる・・・』とは、まさにこのことよ!!

 

 

〔この二人を呼びにきたのは、かの獅子顔のグルカだったのです。

 

それにしても・・・グルカとキリエの馴れ初めが、こんなところであったなんて・・・(以外でしたか?)

 

そして、ここで、エリアと、その親衛騎士団『エーデルリッター』“紅焔”の半分が揃う事となったのです。

 

 

 

ところで――――  今回のお話し、まだもう少しばかり続くのです・・・。

この、三人の邂逅があってより―――――数世紀のち・・・・・

 

そこには、ご満悦顔のキリエと、以外にも(以外??^^;;)ふてくされたエリア、

そして・・・恐らく、自分の主たる人物に、この二人の事をよろしく見るように言い置かれたグルカが・・・・〕

 

 

キ:ルン・ル・ル・ル〜〜ン♪ さぁ〜〜――――っ、今日はナニをしでかしてやろうかしら〜〜?

エ:(し・・・・しまった――――)この人・・・ハナッからこういう性格だったのですね・・・・。

グ:―――――――むう。

 

キ:さぁ〜〜〜――――ッ!参りましょう! 私達の、輝かしい未来に向かって――――ッ!!(キラキラリ〜〜ン☆)

 

エ:先が・・・思いやられますわ・・・。(げんなり)

グ:―――――・・・・・むう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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