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ヱ:あの・・・・お邪魔しま――――す・・・スミマセ〜ん、ジョカリーヌ様、お一つお聞きしたいことが・・・・

  (って)ああ〜〜〜っ!

 

ア:ウィ―――っす・・・ン?どうしたんだ? ヱルム・・・・(って)あ・・・!

 

 

エ:あら、ヱルムさんにアダナ様、どうも・・・(ペコ)

 

へ:お・・・・お邪魔いたしております・・・。

グ:フ・・・それにしても、珍しい事だな、そなたら二人が揃ってここに来るとは・・・・協会のほうは、いいのかな?

 

ヱ:え・・・・いや、その、私達、実は、そのギルド・・・・の用で来たんですけど・・・

ア:(・・・に、しても、こいつ等がどうしてここに・・・?)

 

エ:あの・・・・アダナ様?

ア:あ・・・・エリア。

 

エ:(フフ・・・)私達・・・・が、ここに揃う――――だ、なんて、思ってもみませんでしたか?

ア:え・・・・あ、ああ。

 

エ:それでしたら・・・この二人は全くの偶然で、ここに来ている事ですから。

 

ア:偶然――――?

 

へ:はい、そうなんですよ――― 私は、この人(エリア)に用がありまして・・・。

 

ア:それ―――・・・って、何の用??

 

へ:それは――― これから寒くなるでしょうから、ストールを・・・と。

 

ア:ふぅ・・・ん、で、あんた――― は?

 

グ:うん?それがしか? それがしは、ここの主のお方に、山で取れたものを―――と、思って、持参してきたのよ。

 

ヱ:た・・・確かに、偶然ですね。

ア:それより――― ジョカりんはどこ行ったんだ?

 

 

〔そこには、偶然(??)にも一緒にいた、エリアの親衛騎士団『エーデル・リッター“紅焔”』の二人、ヘカテとグルカだったのです。

(本当に、彼等・・・は、“偶然”だったのでしようか?? その疑問に答えるべく、彼等の口から出たものとは、それぞれに理由があって・・・・の、事のようです。)

 

それにしても――― ここの主でもあるジョカリーヌ様は、この時にはいなかった――――ようですが・・・・

すると、奥のほうから――――〕

 

 

ジ:お待たせいたして申し訳ない。

  どうも、今まで使っておったリーフが見つからなくてのぅ、代用で申し訳ないのじゃが・・・・

  おや、これは・・・・長老殿に、アルディナではないか。

 

  はは・・・・これは少々困ったことになったのう、すぐ淹れてまいるから、待って下されよ。

 

ア:あぁ・・・・いいんだよ、ジョカりん、私ら・・・用が済んだら、すぐ帰るんだからさ・・・・

ヱ:そ、そうなんですよ? ですから・・・そんなに気を遣ってもらわなくても・・・

 

ジ:―――・・・・そうか? いや、しかし、折角来たのじゃから、少しばかり寛(くつろ)いでも・・・・

エ:まぁ―――まぁ――― ところで・・・ご用件のほうは?

 

ヱ:あ・・・は、はい。

  実は――――・・・・

 

ア:・・・・・・・。

 

 

〔どうやら、ジョカリーヌ様は、突然の来訪者をもてなすために、一時奥のほうに引っ込んでいたようです。

 

でも、また出てきてみれば、自分の教え子が二人も・・・・そのために、また奥へと下がろうとするのです。

(まこと、この方はこのようにお優しいのです――――・・・・)

 

しかし、ヱルムとアダナは、そんなことでここへ赴いたわけではないので、それはお断りしたようです。

それには、ジョカリーヌ様、少し残念そうで、寂しげな表情を浮かべたようですが・・・・

そんな彼女を慰めるためか否か・・・エリアが『何の用件でここに来たのか―――・・・』を、ヱルムとアダナに聞いたようです。

 

そして――― 少々口が重たくなりながらも、あの事を――――・・・・

 

―――学院の講師になってくれないか―――

 

の、説得を切り出す事となったのです。〕

 

 

ジ:ふぅむ・・・成る程。

  確かに――― 傍(はた)から見ておっても、今時のハンター達には、

妾がギルドを創設した当時や、お主等の時のような覇気は感じられぬ・・・・

 

ヱ:そう・・・ですよ・・・ね。

 

ジ:それで、ハンター達の基礎ともいえるべき、『魔導学院』の講師に・・・か。

 

ヱ:そうなんです。

 

 

〔この・・・・ハンター達の質の低下の因(もと)ともなっている、“学院の体たらく”・・・・

これには、ジョカリーヌ様も、薄々には感付いていた事・・・・の、ようなのですが―――・・・

 

この時、ジョカリーヌ様がはじいた答え――――とは・・・・〕

 

 

ジ:申し訳ありませぬが・・・・・その申し出、受けるわけには参りませぬ。

 

ヱ:(え―――・・・ええ!?) ど・・・どうして!?

ジ、ジョカリーヌ様程のお方に、講師になっていただければ、すぐにでも、学院の威信も立て直せることが出来ると思い・・・・

 

ジ:そうは申されましてもな・・・・長老殿、残念ながら、コトはそう単純ではございませぬのじゃ。

  それに・・・妾は、エリア殿の『特別クラス』も担(にな)っておる。

 

ヱ:あ――― ・・・・・・。

ア:(はぁ――――っ・・・) 頼みの綱だと思ってた、ジョカりんでさえもダメかい・・・・こりゃ、いよいよもってダメかもな・・・

 

 

〔そう、この時ジョカリーヌ様がはじいた答えとは、“了承しえぬ―――”との事だったのです。

(また、その理由も、単純ならざりき―――・・・・であり、またエリアの『特別クラス』も、そうだ―――というのです)

 

それには、ヱルムとアダナ、がっかりとはしたようなのです。〕

 

 

 

 

 

 

 

 

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