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それは――――

 

カ:(ふん―――・・・)どうやら・・・その様子じゃ、“人様に頼み事をする時の礼儀作法”を、本当に知らないようだねぇ・・・。

 

ヱ:え―――・・・?

ア:(えっ??)

 

カ:なら・・・この私が直(じか)に教えてやろう・・・ここを・・・こうするんだよっ――――!!

―――ガッ☆―――

 

ヱ:あっ??(ぐら・・・)・・・・・あぁ・・・。(どさ)

 

ア:あっ! カ・・・カミイラ!お前・・・なんて事をしやがる!

カ:五月蠅い・・・・外野は黙っておれ――!(クワッ!)

 

ア:うぅわ・・・っ(ヨロ・・・)な・・・なにをしやが・・・・・る。(ヘタ・・・・)

カ:ふん・・・そこでしばらく大人しくしてな・・・・。

 

 

〔そう―――そこでカミイラがなしたこととは、ヱルムのヒザ裏を蹴り上げ・・・・彼女の両の掌を地に付かせたこと・・・

そのことを見、カミイラがしたことを許せなかった者―――アダナが、喰って掛かろうとしたのですが・・・

カミイラも然る者、そのことを素早く察知し、その眼力だけで、アダナをその場にへたり込ませてしまったのです。

 

そして、邪魔者がいなくなったことで、改めてヱルムに向かい・・・〕

 

 

カ:・・・・そこまでは出来るようになったな・・・では、これからどうするんだ―――

ヱ:・・・・・・・。

 

カ:・・・・そうか、これでもまだ分からんか―――

  こう――― するのだろうが!!

―――ぐいっ!―――

 

ヱ:あうぅっ・・・・。

 

ア:ああっ・・・・ヱルム・・・。

畜生っ! な・・・なんで・・・なんでだよ!!

 

カ:一々小うるさい外野だね・・・いいかい、何事も、“他人”に“頼み事”をするときには、“額(ぬか)付く事”・・・・

  つまり、『土下座』をするのが基本常識だろう?! そのことを教えてやったんだよ・・・

  感謝されることはあれ・・・・非難される覚えはないね!!

 

ヱ:(はっ―――!! だ・・・だから、この人・・・)

ア:え―――?? で・・・でも、そんな、ひどいやり方しなくても・・・

 

カ:(フフん・・・)悪かったね・・・これが昔からの、私の流儀なのさ。

 

 

〔そう・・・そこに展開された それ は、何も嫌がらせなどではなく、『土下座』のやり方を、カミイラなりに教えた・・・と、言うことだったのです。

でも、アダナの言うように、もっと他の・・・・優しいやり方があるのでは? との意見に、かミイラが返した言葉とは、

それこそが、以前取った杵柄・・・・そう、彼女の流儀=スパルタ方式だったのです。〕

 

 

ジ:ふぅ・・・・それにしても、少しながらも、冷や冷やしたぞ・・・

カ:おう・・・・。

だから、以前にも言っただろう? お前のやり方には限界がある・・・・と。

 

ジ:はは・・・・然は言うても、“強制的”な、おぬしのやり方にも限度がある。

カ:いえてるね・・・。

―――はっはっはっ―――

 

 

ア:ええっ?? な・・・なしてジョカりんとカミイラが・・・・ぇえ??

 

カ:(フフ・・・)不思議・・・か? だが、私とこいつとは、先輩後輩の仲・・・だからな。

 

ア:す――――するってと、やっぱジョカりんのほうが先輩??

ヱ:まあ・・・そう考えるのが妥当よね。

 

カ:阿呆どもが・・・。

 

ア:ぁあ?!

ヱ:え??

 

カ:私だ私、教師のキャリアとしては、100年も年季が違うわ―――

 

ヱ:ええっ――― で、でも・・・ジョカリーヌ様は、学院の“学長”として君臨されていたのでは・・・

 

カ:むっ・・・ぐぅ・・・・。

 

ジ:はは――― それはの?長老殿、なぜかしら、妾のほうが他の教師の方々・・・生徒にも協力者が多数おったからじゃ。

カ:ちっ―――数では負けてやしなかったんだけどねぇ・・・最終的に、ジョセフのヤツがお前のところにいたのが、痛かったわ・・・・

 

ジ:・・・・と、まあ、そういうことじゃ。

 

ア:は―――・・・またあのヒゲジジィ絡みかよ・・・。

ヱ:はは・・・・。(何なんだか・・・・)

 

 

〔しかし――― ここで明かされたことには・・・なんと、カミイラとジョカリーヌ様、その元を辿れば“先輩と後輩”の間柄のようで、

しかも、カミイラのほうが、(教師としては)100年も長者だったようです。

 

そして――― また驚いたことには、ジョカリーヌ様が、“学長”の枠に収まった経緯もそこにあったとは・・・

 

それよりも――――?〕

 

 

ヱ:あっ――― それよりも、あの・・・(ばっ!!)この通りです――― どうか、私たちの願い・・・

  現在の『魔導学院』の“学長”になっていただけませんか―――

 

カ:うん・・・・むぅぅ・・・・。

 

ア:なぁ、おい、ヱルムが・・・うちんとこの長老が、こんなにまで頭下げてんだぜ? 聞いてくれないのか?カミイラ・・・。

  なら・・・私もするからさ―――

 

ジ:カミイラよ――― 妾からも・・・これ、この通りじゃ・・・(ペコ・・・リ)

 

カ:(うぅ〜〜〜ん・・・)あ゛ぁ゛〜〜ッ!分かった!分かった!! 分かったから・・・

 

ヱ:えっ!?で、では・・・

 

カ:ああ・・・お前たちの依頼・・・飲んでやるよ。

  ただしだ――― 条件として一つ、この、私のやりたいようにやらせてもらうからね・・・。

 

  それでいいんだったら・・・・だ。

 

ヱ:あ、はいっ――― それでよろしいのでしたら、お願いします!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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