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グ:全く―――・・・・お前を襲った、こ奴等が哀れに思える・・・。
キ:あら――― それは仕方がない事じゃない。
それに、久しぶりにこちらに物質化(マテリア・ライズ)してきた事だもの・・・この子の調整も合わせて、必要なことは・・・ね。
〔すると―――― この時!!〕
ふわあっ−−−・・・
グ:(ムッ!!?)な・・・なんだ・・・この、気の流れ・・・・は!
キ:(私と・・・この子の気に触れ、レギオンたちと共に、破砕してしまった、ここの樹々達が―――・・・!!)
復・・・・活!!
〔そう・・・そこには、目を疑うような出来事が―――・・・・
先程の、キリエの技により、魔なる者共々、粉砕されてしまったはずの、樹海の樹々達が、
この地の中心部分から流れ出る、ある種の不思議な気の流れにより、復活――――
除々ながらも、元の姿を取り戻し始めていたというのです・・・・。〕
キ:ナニ―――・・・? 一体これは・・・どうした事なの??
グ:(気の流れは・・・・)ここの中心部から・・・・だ、な。
キ:行ってみましょう――――
グ:うむ。
〔らしくもなく、何事かに動揺している感じのキリエ・・・・・
そして、自分のパートナーと共に、今の現象が起こったであろう、『樹海』中心部に赴いたところ、
そこには驚愕の事実が!!〕
キ:こっ――――これは!!!
グ:石柱・・・・いや、しかし、この石に刻まれておる、この文字・・・・
キ:以前にも―――・・・見た事があるわね・・・・
グ:・・・・・・・・・・・うむ。
〔そこには、その石柱には、何かの文字が刻まれていた――――
そう、つまりこれは、石“柱”ではなく、石“碑”だったのです。
しかも――― よく見てみると、その文字の形式も、今、この時代に使用されているモノではなく・・・・
いわゆるところの、彼ら(グルカ・キリエ)が存在していた刻―――― 一億年以上も前に使用されていた・・・・
=オバール=
と、言われる文字形態・・・・
しかし、それは、ある者達がよく使用していたモノに、酷似していたのです、その・・・・“ある者”達とは・・・・・
『三大魔女』
その名は知られていても、決して語られることのない存在―――・・・・
なぜならば、かつてのこの世を、破滅の一歩手前まで追い込んだ張本人達・・・・・なのだから。
そして―――― ここで、ある二人の人間の設定を、よぅく思い出してもらいたい・・・・
それは、『エメラルド・グリーン』と『ピジョン・ブラッド』の瞳を併せ持つ、 アルディナ=フォン=ガラティーナ と・・・・
『サンライト・イエロー』と『アイス・ブルー』の瞳を持つ、 ジョカリーヌ=ベルゼビュート=イグレイシアス の、両名・・・
この二人は、やはり、この特異な眼を持つことにより、畏れられもし、忌み嫌われもしたのです。
それはなぜか―――・・・その理由の一つには、この『三大魔女』のうち二人が、彼女達二人と、よく似た 眼 をしていたからなのです。
それでは、改めて、ここで『三大魔女』の説明を・・・・
一人は――― “ハーミット”と呼ばれ、その名を意味する『隠者』の如く、世間一般には、余り知られておらず、
実害のない者として認識されている・・・・ようですが、古えの文献に、斯くの如くあるには――――・・・・
―――その術式は、天変地異を引き起こせるほど、強力かつ、無比―――
で、あるそうで、実害はないとされていても、畏ろしき存在ではあったようです。
そして、一人は―――― “リアル・クイーン”と、呼ばれ、(この者が、ジョカリーヌ様と同じ眼をしていたようで・・・)
その名を意味する『女帝』の如く、魔力も強大で、今、ギルドの者達が行使している魔術や、
ジョカリーヌ様、最近ではヱルムやアダナがよく使っている、ハイ・エィンシェントや、ヒュージー・ライチュアル・巫術・・・・
などといった、魔導の形態を最初に確立した者とされており、数々の術式に精通していたようなのです。
(でも――――・・・・この、特徴は・・・・)
そして、最後の一人――――
実は、この者が、この三名を“魔女”たらしめんとし―――・・・そして、また、三名中、最も“兇悪”な存在であり、
『総ての禍いの因(もと)』
として認識されており、かの大惨事―――大禍刻(おおまがとき)―――を、誘発させた張本人・・・・
=始祖=
この者の特徴が、奇(く)しくも、あのアダナと同じ・・・『エメラルド・グリーン』と、『ピジョン・ブラッド』の瞳を併せ持つ・・・・
しかも、さらに畏るべき事には、この魔女は、前述した二名をも凌ぐ魔力を持ち合わせており、かつ、その者が研究、開発していた術式が、
その強力な魔力を、一切有さないとされる・・・・
禁忌の術
ドルイド
だと、いうのです。
そして―――― かの『世界の大崩壊』を起こした罪により、当時をして知られている『次元の調停者』達の裁きにより、
そのこと如くを封じられた――――と、されているのです。
(だが―――・・・しかし・・・諸兄らには注意してもらいたい・・・・と、いうのは、文献に記されている、総ての事象自体が、“正しい”とは限らないということ・・・)〕