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ゼ:とほほ・・・・余計な事を言うんぢゃなかったよな・・・。(のの字のの字)

 

グ:間が悪かったな、ゼクスよ。

ゼ:あ――― おヤッさん・・・そ〜〜なんスよ、オレァもう少しかかるかなぁ〜なんて思ってたんすけどねぇ。

 

グ:まぁ、そう言うな。

  実はな、こやつがここの長老殿に、あるモノをプレゼントする――― と、聞かんでな・・・

  それで急いで帰ってきた次第なのだ・・・。

 

ゼ:は―――・・・ ヱルムって人に、団長自ら??

  一体何の―――・・・

 

グ:アレだ。(クィ)

 

 

キ:あのぅ・・・ヱルム様、これ・・・。(もじりん♡)

 

ヱ:・・・・は?なんです?(チラ)

  まぁ・・・お花! それも、『ルリイロ・バイオレット』・・・私の髪の毛と同じ色の・・・

 

  キリエちゃん―――・・・(じわ)

 

キ:うふっ♡ 私も、常日頃・・・ヱルム様にご迷惑かけっぱなしですものね、

  それで・・・少しばかりのお詫びのしるしなんです、でも・・・ほんの気休め程度なんですけど・・・ね。

 

ヱ:ううん・・・いいのよ、その気持ちだけでも十分に嬉しいわ・・・・ありがと。

 

 

ゼ:は――― お花のプレゼントだけで・・・・・。

  ―――に、しても、団長もまた、えらい上手く取り入ったもんですね。

 

グ:・・・・・それはどうかな?

ゼ:(え―――?)

 

 

〔それはさておき―――

どうやらキリエちゃん、日頃お世話になりっぱなし(いろんな意味で・・・)になっているヱルムに、

感謝の意味合いと、迷惑をかけている分も合わせ――― 今回、樹海で見つけてきたヱルムの髪の毛と同色の、紫色をした花をプレゼントしたところ、

これが意中にはまり、ヱルムはとても喜んだようなのです。

 

ですが・・・・ここでとても気になるのは、ゼクスとグルカの会話・・・・

このときゼクスは、『上手く取り入った』と言ったのに対し、今回キリエと行動を共にしたグルカは、『どうかな・・・』と、言ったのです。

そう・・・紅焔の副団長でもある彼は、今回のキリエの行動(つまりプレゼントをしたこと)は、何か裏に含みがあっての事なのでは―――?

と、捕らえているようにも感じられるのです・・・が。

 

 

すると――― これを見ていたのか、“気分は上々”になっていたヤツが、絡んでまいりまして――――〕

 

 

ア:おっ――― なんだァ?ヱルム・・・このヤロウは、キリエから贈りもんされて・・・

  おセンチになってヤがんのかぁ〜〜―――?(ゲヘへへ・・・)

 

ヱ:(うっ・・・・ぐぅ)ちょっと――― 折角感傷に浸ってんのに・・・絡まないでよ―――(どんよ〜〜り)

 

 

ゼ:は・・・まただよ、嫌がってるの、わかんないのかねぇ〜〜。

  あぁ、ほら、花までしおれちゃって・・・・。

 

ヱ:ああ―――っ! キリエちゃんが私のためを思って、くれたお花がぁ―――ッ!

ア:あ〜〜りゃっ、もうしおれちゃってんでやんの、花・・・

  ヱルム〜〜お前もヴァンパイアなんだからさぁ―――気ィつけてやんないと・・・

  こんな花の生気まで吸い取っちゃッて、ど―――すんのよ。

 

ヱ:は―――・・・はぁぁ・・・(しょぼ〜ん)

  ゴメンね〜?キリエちゃん・・・。

 

キ:いえ―――・・・(ス・・・)

 

 

ア:でも・・・まぁ、なんだ? こんなの、復活させるのワケない―――― って。

  みてなよ・・・この私の手持ちの魔法で―――・・・

 

ヱ:はあ゛〜〜〜・・・ナニ言ってるの、あんたシーアルジー使えないくせに・・・。

 

 

〔この時――― またもやアダナがヱルムに絡み、そのどんよ〜りとした気で、キリエがヱルムにあげた花が、しおれてしまったようなのです。

そして、それをなんとアダナが“元に戻す”と言っているようなのですが、

知られている通り、アダナは攻撃魔法は得意とするものの、回復系は不得手だった――――― はず・・・なの、です・・・・が???〕

 

 

ア:まぁ――― みてな・・・・って。

  ほ〜〜れ!  ちちんぷいぷいのぱぁぁ〜〜☆

 

ヱ:(ガク―――↓)な・・・ナニよあんた・・・・それ。

  ひょっとして、マジメにする気ないんでしょ??!

 

ア:あっれぇぇ〜〜? バレちったぁ〜? ごっめぇ〜〜ん!  ンなぁ―――――っはっはっは!

ヱ:全く――――もう!!(プンプン)

 

 

〔そう――― そこでアダナが唱えたのは、全くといっていいほど気の抜けたモノ・・・だったのです。

 

が――― そこに居合わせたもの、全員が、一種異様な光景を目の当たりにしてしまったのです。

 

それは――― その“気の抜けた、全くヤル気を感じさせないモノ”で、復活してしまった =一輪の花= が・・・そこにはあったから・・・なのです。〕

 

 

ヱ:(えぇっ??)

タ:(な、なんだ??)

ゼ:(お―――おぃおぃ・・・)

ジ:(この・・・気の流れは―――!!)

ソ:(ぅんっ?!!)

エ:はっ―――あぁぁ・・・!(へたり)

グ:(むぅ・・・)

キ:・・・・・。

 

 

ア:ん――――? あ〜りゃっ? 不思議なこともあるもんだぁ〜ねぇ〜?

  復活しちまったよ、この花・・・・(って)あり?どったの、皆して・・・・。

 

タ:お―――おい、アダナ・・・今、それやったの・・・・おまえ、だよ・・・な??

 

ア:はぁぁ〜〜?? 何いってんの・・・ぢょうだんきっついよ〜〜?

第一、私はァ何もしとりゃあせんつぅーの、それに、今のも、ヱルムからかうつもりで―――・・・

 

ヱ:でしょうよね・・・あんな気の抜けたもので復活できれば、世話ないわ・・・。(ほぅ)

 

ア:おいおい―――なんだい、よしとくれよ、折角盛り上がってたのに――――白けちまってるぢゃないのさ。

  (ちっ)面白くもね・・・おい、ソロン、こんなトコ出て、どっかもう一軒はしごしようぜ―――・・・

 

ソ:ああ――― それはかまわんが・・・

 

ア:ンじゃあな――― 私らは、二人で飲み直しだぁ〜〜!

 

 

〔突如起こった出来事に、皆一様に目をまろくし、次々と出る疑問の声―――

そのことに嫌気が差したアダナは、自分の半身と、もう一軒どこかへ行くようです。

 

そして、半ば放心状態のヱルムに近付く、タルタロスとジョカリーヌ様が・・・・〕

 

 

タ:な―――なぁ、ヱルム・・・

ヱ:あ・・・ッ、タルタロス様・・・に、ジョカリーヌ様・・・。

 

タ:今の・・・見たよ・・・な?

ヱ:え・・・・えぇ。

 

ジ:ところで―――今の現象、感ぜられましたかな、ヱルミナール殿・・・。

 

ヱ:ええっ??感じる―――って、ナニを・・・です??

 

ジ:(やはり・・・気の妙な流れを感じ取れていたのは、妾だけであったか・・・)

  いや――― 気の所為やも知れぬ・・・お邪魔をいたしたな。

 

 

〔そう・・・ジョカリーヌ様は、このとき普段では感じ取れない、奇妙な気の流れを感じ取っていたのです。

(しかし、このとき、タルタロスとヱルムは感じ取れていなかった・・・まあ、戦士系のハンターであるタルタロスは、感じられなくても無理はないのですが、

一方の、ヴァンパイアの真祖であり、ギルドの長老であるヱルムが感じ取れないでいたとは・・・・つまりは、これが二人の間の“レベルの差異”なのです。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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