第0講* “番外編” ~おひぃと婀陀那~ (さらに番外編)
<いち>
さて、婀陀那が阿恵華のことを“姐上”と呼ぶようになって早半年。
最初の頃は多少の抵抗があった阿恵華なのですが、言われ続けると慣れてくるようです。
(コワイね~? 慣れ・・・って(^^;;)
これはそんなある日の出来事。
(樹雷学園、生徒会長室にて)
阿:はい? 雷鳳の森野様からの信書ですって?
紫:はい、これでございます。
(その手紙にはこう書かれてあった)
“火急の用件あり、いつもの古書屋でお会いしたし
雷鳳高校
森野 婀陀那”
阿:(“火急の用件”? 一体何なのかしら・・・)
分かりました紫音さん、使者の方に“了諾”の由、お伝え下さい。
紫:分かりました。
(放課後、真沙螺・団蔵夫婦の経営する『古書屋』。(どーやら彼、ムリヤリ“責任”取らされたみたいで・・・(^フ^;;)
真:ちょっと! 兄ィ! そんなとこで、エロ本ばっか見てないで、こっち手伝っておくれよ!!?
団:うっせぇ~のぅ~・・・あ~ぁ、何でワシのような色男が、こんなチンチクリンなんかと・・・・・・。
ヒュ・・・・・・・ サッ!
団:ふふん・・・ まだまだじゃの・・・・・真沙螺。
真:ふんっ! チンチクリンだけ余計じゃわ!##
団:やれやれ、御前のお計らいが無けりゃ、ワシもこんなのとひっつくはずじゃあなかったのにのぅ。
真:兄ィ・・・・・それを言うなよぅ。(ぷぅ)
団:わーかっとる!! そうむくれるな・・・。
おっ、きなすったぞ・・・。 お待ちしておりやした、公主様に姫君。
婀:うむ・・・・いつもすまぬのぅ。
阿:お世話になります。
団:いえいえ、いいんですよ、こちらこそ。 これも、御前のお計らいでやすから。
(そう実は、真沙螺と団蔵が結ばれたのは、見せかけ上で、
非公式ながらも、婀陀那と阿恵華が会える場所を杜下驍が提供。
そして、そこの管理を真沙螺と団蔵に任せた・・・・というのが正しい見方のようである。
(ただし、真沙螺の方は、まんざらでもないようで(^^;;)
婀:ふぅ、ここはいつ来ても落ち着ける。
そうは思いませんか? 姐上・・・。
阿:それはそうですけれど、あの・・・“火急の用”とはなんなのでしょうか? 婀陀那さん。
婀:(ズズズ・・)うむ・・・・、実はですな。
妾はこの春より留学する事になったのです。
阿:え・・・ッ、!? そう、そうですか・・・そうですわね、そういえば、婀陀那さんは、この春で卒業。
おめでとうございます。 それで、どちらへ?
婀:ありがとうござりまする。
それは・・・欧州の方へ。
阿:そう、寂しくなるわね。
婀:いえ、どんなに離れておりましても、妾の心は常に姐上の下にあります。
ご心配召さるるな。
阿:・・・・・・・・・・・・。
婀:それに、向こうに永住するつもりなぞ、もとよりありません。
四年間みっちり己自身を磨いて、姐上のよき補佐役になれるよう、精進してまいります故。
阿:そう、そうね、わたくしもうかうかしてられないわね。
婀:ふふふ、それ以上姐上に精進されましたなら、追いつけるものも追いつけなくなります。 ご勘弁下さりませ。
阿:うふふふ、まぁでも、目標は高い方がいいでしょ?
婀:あははは、これは一本取られましたな! やはり、姐上には敵いませぬ。
(この二人の、一連のやり取り見て、真沙螺一言)
真:・・・・・・。 なぁ兄ィ、あの二人何であんな会話でああも笑っていられるんだろ?
団:あ~ほぅ! アレがあの二人の魅力、強いて言えば、女の魅力というもんよ!
まぁ、チンチクリンのお前にゃ、まだまだ小難しいじゃろがのぅ。
シュッ・・・・! ヒョイッ!
ガンッ!・・・・
団:まだまだじゃ、ゆ~たじゃろ・・・・・が? ぅんッ?! どうした? 真沙螺?
(団蔵が不思議がるのも無理はない、本を投げつけた当の真沙螺の顔に、
明らかに『しまった!!』と書いてあるのだから。
そして、恐る恐る後ろを向く団蔵)
団:あ・・・・・・あ゛・・・・・・・あ゛っ!! ご、御前!!
驍:な・・・・に・・・か・・・、ワシに恨みでもあるんかぃ・・・・・真・沙・螺ちゃ~ん?!##
真:あっ・・・・・・・はっはは・・・・・・(ひィえ~~~藪から虎!!(^フ^゛ll/)/
婀:おや?! どなたかと思えば、杜下様、どうされたか? その・・・・・額のアザは?
驍:はぁ、仲むつまじい夫婦の巻き添えですよ・・・・公主様。
阿:ああっ! ど、どうも申し訳ございません! わたくしのところの配下の者がそそうを致しまして。
驍:いいんですよ、別に。(^ブ^##)
ねぇ、真沙螺君? “日本一笑えない落語家の高座”のビデオ、24時間耐久鑑賞と、“くすぐり地獄”どっちを味わいたい?
真:ひ・・・・ひぃぇぇ・・・・究極の選択・・・・(^フ^゛)
ビ・・・・・ビデオの方で・・・・・・・
驍:(パチン!)団蔵、この痴れ者を拘束して、処刑室に連れて行け。
団:へ・・・・・へィ。 (御前も相変わらずじゃのぅ・・・・(--ll;;)
おぃ、いくぞ・・・真沙螺・・・・
真:ひ・・・・・姫様!? たっ、た・・・た・・・助けてェ~? どーか、お目こぼしを~(ア~レ~)
阿:あ・・・・はは・・・・どうも済みません・・・、お見苦しい点を。
婀:それより、大丈夫なのじゃろうかのぅ? 彼女。
驍:ま、あの様子だと一時間も、もたないだろうね。
婀:それより、杜下様、今日は一体何をされにここへ?
驍:うん。 実は、公主様、あなたの送別会を近々開きたいと思ってね。
婀:わ、妾の? な、なりませぬ! そのお心遣い・・・・嬉しくありますが・・・それだけは!!
阿:そ、そうです。 ただでさえ、わたくし達は目をつけられているというのに。
驍:例え、それが我々内々の・・・・・だとしてもかい?
婀:え? と、申されますと・・・たった三人で??
驍:それじゃあ、いくらなんでも寂しいだろう。 近侍の者も付いて来て良し・・・・とするよ。
婀:それでは、真沙螺殿は?
驍:あ~、彼女はきっちり、とばっちり受けてからにしてもらうよ。
阿:あ・・・ははは・・・・・(可哀想な真沙螺)
(そして、処刑室(笑)では、驍の予測通り、一時間も経たぬうちに真っ白になった真沙螺がいたそうな・・・・・(^フ^;;)