第肆講     一つの丼にかけた思ひ・・・

 

<前>

 

(さて、いつもどおり『ギルド』の中はおおわらわ。 まったくもって“猫の手も借りたい”とはこの事のようで・・・・)

 

お:(ジリリリリ・・・・ン!) はいっ! こちら『ギルド』でございます。

 はい、はい、ではそのようにさせて頂きますので、なにぶんにも・・・  (ジリリリン!!)

        ちょっとぉ! 誰か! もう一つなってますわよ!

 

婀:(リリ・・・ン!) どうも、おまたせしました。

 はい、はい、分かっておりまする。 かような申し出、ごもっともにございます。

 あの、少々お待ち下さいませ。(ここで婀陀那、受話器の口を押さえ・・)

 

  これ! 誰かおらぬか! 妾と姐上では間に合わぬぞ!!?

 

サ:あ゛〜〜、こっちも今手一杯なんだよっ! 他を当たってくれイッ!

J:あちしも、今ヤッテルの、ちょーとっきゅーの明日仕上げなんにゃりん!

臾:そゆ、うちかて一緒やがな・・・。

 

(・・・と、まぁ・・・予想以上の修羅場を迎えているようであります。

しかも、それは、時間を追う毎に非道くなる一方で・・・おひぃさん、婀陀那は一人2・3本は当たり前。

しかも口調も、ついつい厳しい事を口走ってしまってるようで・・・・

しかも、ついには作業をしていたサヤ、Joka、臾魅までもが、電話の対応に借り出される始末で・・・・)

 

お:ちょっとぉ! それはそっちのミスでしょうに!!

  あ・・ッ、申し訳ございません、これはそちらの事ではございませんので・・・

 

婀:四の五の抜かしておらんと、それはこちらになぁ?!

  い、いや、これはこちらの事情じゃ、聞き流して下され・・・

 

  なんじゃとぉ??! ここは蕎麦屋の出前は扱っておらぬ!!

 

サ:はぁ?! なに言ってやがんでぇ・・、

あんまりトンちき抜かしてっと、コンクリートで固めて、川に流しちめーぞ?!

あぁ・・・ようくわかってんじゃねぇ〜か、初めっからそうすりゃいいんだよっ!

 

J:ああっ・・・、ですからねぇ、それやっちゃうと・・・・、こっちにも支障が出ちゃうんですよ・・・。

 いや、だから、その師匠じゃあなくてー、支障!  うん・・・もぅ、わっかんないかなぁーー。

 

臾:せやからなぁ、アンさんも物分りわるぅおますなぁ。

  第一それゆーてもうたらこっちの商売上がったりですわ、も一度考え直してくれヘンやろか?

  ほな。

 

(--;;)・・・・。 約一名、脅し入ってた者もいますが・・・。

そんな者まで動員しなきゃならない程、忙しかったんです。

 

そして・・・、ようやくひと段落ついた頃、とある者が、この異様な光景にやっと気付き始めるのです)

 

サ:あら? そいやぁ、スーさんのヤツは??

J:そいえば、もうお昼近くになるのに・・・まだ来てませんですよねぇ・・・。

臾:何してはるんやろねぇ?

 

婀:(全く・・・あの男は、毎度、毎度・・・) ヤレヤレ・・・妾は知らぬぞ。

 

(そう、このクソ忙しいときに限って、代表であるステラバスターの顔が見えないのであります。

で・す・が・・・

タイミングを逸する確立の高さで言えば、ギネス級のこの男・・・。

昼前になって、ようやく出勤でス・・・(この後、自分の身に降りかかる災難をよそに・・・)

 

ス:おっは・・・・

ドグシャアアァァッ!!

(なんと、ここで扉を開けて、ステラ入室と同時に、おひぃの十文蹴り炸裂・・・(^フ^;;)

ス:ぶしっ!?

 

サ:うわ・・・壁にぶちつけられたトマトみたい・・・

(・・・にしても、いきなりかよ・・・)

J:ち、血の惨劇・・・・

(こっわ〜〜、いつも見て慣れっこ・・・って思ってたけど・・・ あれわソートー頭キてたんだなぁ〜〜)

臾:おっわ・・・・・。

(う、うちらでも魔物にあそこまでよーできひんわ・・・・)

 

婀:あ、姐上・・・、その一線越えてしまうと、殺傷になりますゆえ・・・どうか一つ、ここは堪忍の緒を・・・・

お:・・・・・。(ここで、おひぃ別に何を言うでもなく、しづかにその場を去る・・・)

 

サ:な、なぁ・・・、おい?! 今、ヤツの顔まともに見れっかぁ?

J:じ、冗談じゃないにょ、臨時特別ボーナス出るっつっても、それだけは願いさげにょ・・・。

臾:それやるゆーたら、よほどのチャレンジャーやないと・・・・。

 

婀:大丈夫か? 社主殿・・・。

ス:(=フ=ll)~゚  (←既に虫の息でス・・・(^フ^;;)

 

お:婀陀那ちゃん? そういえば、まだ なまゴミ 出していませんでしたよねぇ? 申し訳ないですけど、出して頂けますぅ?

  ついでに、そこに落ちてるのも・・・・ね゛っ!!

 

サ・J・臾・婀:(゚o゚ll;;)

ザザザザザァァ〜〜ッ・・・

(血の気が滝のごとく引いていく効果音・・・(^^;;

お:ふんっ!!

 

 

 

(文字通り血の惨劇になってしまっても、そこはそれ。 でも、たった(蹴り)一発で事が済んだのは不幸中の幸いではなかったか・・・と。

そして、治療室で手厚い看護を受けるステラ・・・・)

 

サ:てめぇーも毎度毎度凝りねぇなぁ〜〜。

  スーさん、もしかしたら、あっちの気でもあんじゃないのか?

 

ス:“あっちの気”??

 

サ:そ、他人から殴られたりして喜ぶヤツ・・・・ほら、なんだったかなぁ・・・・確か・・・

J:ああ、『M』ニャそね・・・

婀:う゛・・・(想像もしたくもないのう・・・)

 

ス:そいよかさぁ、なしておひぃちゃん怒ってんの??

婀:これこれ、今何時だと思っておるのじゃ?

 

ス:へ?・・・・あぁ、11時30分だぁねぇ〜、それが??

 

サ:(この、ニブチンヤローが・・・)

 “それが?” ぢゃねーだろ!! 大体年の瀬で猫の手も借りてーッつーのに、一人のこのこ昼前に現れてみろ!!

  あれじゃ、おひぃのヤツでなくてもケリの一つでも食らわしたくなるぜ・・・。

 

J:そうですだよ・・・、も少しステラさんも、代表者としての自覚もった方がいいですじょ?

婀:ははは・・・・(まさか、この方から、このような言葉が出るとは・・・)

 ま、まぁ、姐上も、あれで少しは気が治まったであろう。

 

 

ス:それよか、君ら『お昼』まだなんだろ・・・

 

サ:はぁ? そりゃま・・・確かに・・・・・なぁ?

J:いっそがしすぎて、食べるどころじゃなかったですよ・・・。

臾:それ言われたら一気に腹すいてきたんなぁ・・・・。

 

ス:そうか・・・、やっぱしねぃ。

婀:“やっぱり”・・・とは?

 

ス:そら、腹すいてっときには、誰しも怒りやすくなる・・・ッしょ?

婀・サ・J・臾:あ・・・・っ! 成る程!!

 

ス:それじゃ、ここはお詫びのしるしに・・・・、このステラおぢさんが、なんか旨いもの作って差し上げまんしょ?!

婀・サ・J・臾:“旨いもの”・・・・?

ス:そ、旨いもの。

 

 

 

 

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