<伍>

 

 

(しかし・・・・この事を、一番に聞かれてはいけない者に・・・・・・聞かれてしまっていたのです・・・・。)

 

ガ シャンッ!―――

 

婀:(なにっ!)(ビクッ!)

J:・・・・・・。(コみゅ・・・)

 

コ:そ・・・・そんなぁ・・・。

 

婀:(は・・・・・ああぁ!)コ、コみゅ殿!!

J:・・・・・・。(ギュ!)

 

 

コ:そんな・・・・そんなぁぁ・・・・ウソ・・・ウソですよね?Joka・・・・女禍さまぁ・・・。

 

J:残念ながら・・・本当の事なのよ、コみゅ。

 

コ:えええ・・・っ、で、でも・・・ミィあんなに小さいんだよ? 小さくて・・・・震えてて・・・・

 

J:だからといって、『妖』になるのを見過ごす道理はないのよ・・・。

コ:えええ――――・・・っ。

 

 

J:私も・・・・出来うる限りは、こんな事はしたくはない・・・。

  だけどあの仔猫、今までに、そんな機会がありながらも・・・なぜか今まで生き永らえてきてるのよ。

 

婀:な・・・なんと・・・・それでは??!

 

J:そう・・・私以外の誰かが、今までにあの仔猫に、死を給わらんとしていたようだけど・・・

  あの仔は、それを潜り抜けてきてるのよ、そこで、私が動かざるを得なくなってしまったの。

 

婀:(女禍様・・・・。)

 

 

 

コ:うぅ・・・・ウソみゅ!ウソみゅ!!

ミィ・・・悪くなんかないもんッ!      ミィ・・・・悪くなんかないんだもんっッ!!(ぽろぽろ)

 

 

ザァ――――         ザァ―――――

ピッチョン                             ピッチョン

ザァ―――――ザァ―――――――

ピッチョ・・・ン

 

 

 

(道端に捨てられていた、ちぃさな、ちぃさな仔猫、 ミィ その事を思い、ただ涙するコみゅちゃん。

そして、外はそれに呼応するかのように・・・・一段と激しく雨が降り出していたのです・・・。)

 

 

J:いい?コみゅ。

あなたはそれでいいかもしれないけど、周りの人達はどうするの?

  あなただけが、あの仔に食べられて、それでお終い・・・と、いうわけには行かないのよ?

 

コ:ええ・・・っ?!        うぅ・・・っ、うう・・・(ぽろぽろ)

  そんな事ない・・・そんな事・・・ないもんッ! ミィ・・・妖になっても、人 襲わせないようにするもん・・・

  そんな事・・・・絶対させないんだもんッ!! みゅうぅぅ・・・(ぼろぼろ)

 

 

J:そう・・・でも、期限は、今日の夜12:00になるまでよ。 それまで・・・ようく考えておいて。

  少しでも、考えが変わったのなら、私のところに来て頂戴、分かったわね?

 

 

コ:うぅぅ・・・・。(ぽろぽろ)

 

婀:・・・・・・。(女禍様。)

 

 

(少し、キツイ言い方をしたけれども、こうでもしないと、コみゅには効き目がないと思い、あえてその手法をとった女禍様。

それゆえに、期限ギリギリまで待つようです。

 

コみゅが折れてくれる、その時まで・・・。)

 

 

J:婀陀那・・・・。

婀:は――――・・・っ!

 

J:私は、あの事を言った関係上、今日という日が終わるまで、ここに残ります。

  だから、あなたは、終業時間が来たら、帰ってもいいわよ・・・。

 

婀:何をおっしゃられますやら!! この婀陀那、お供させて頂きますッ!

 

J:その気持ち・・・ありがたいけど、いいの。

かえって、辛いものを見せてしまうかもしれないから・・・。

 

婀:(え・・・・っ?!)

 

 

 

(どうやら彼女は、最悪のシナリオまで用意していたようです。

 

それは・・・もしコみゅが、自分の意思で我を曲げる事がなかったなら・・・

その時は、事の如何(いかん)を問わず、自分が、かの仔猫を 妖 になる前に、仕留めるという事・・・。

 

しかし・・・・本当は・・・・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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