<二>

 

ぺ:あ―――っ!す、すいませ―――ん! そ、そこ、どいてくださぁ〜〜いっ!!

職:う、うわっ!バ、バカ!! どこ見てんだ!お前!!

 

ぺ:う・・・うわ―――ッ!!

 

どっしぃ〜〜〜ん・・・

バサ   バサ・・・

 

ぺ:あ・・・・っ・・・・あいてて・・・・

 

ジ:ちょお〜〜〜ッとっ!あんたナニやってんのッ!! 大事な書類、床にぶちまけてくれちゃってっ!#

ぺ:あ・・・あは・・・ジ、ジィルガさん・・・どぅもすいません・・・

 

ジ:っっ・・・・たく、君さえ、私のところに配属されなければ、

私も、もう少しは、悠々自適に、ビジネス・ライフ過ごせたのに・・・・

 

 

職:あぁ〜あ・・・あいつ、また、チーフにどやされてるぜ?

職:あの子・・・うちの課の、お荷物クンだもんねぇ〜

 

 

ジ:ほらっ!ナニぼさっとしてんのっ! さっさと片付けなさい!?

ぺ:は・・・はい、どうも済みませ・・・・ぅわっ!?

 

バサバサ・・・・

 

ジ:・・・・君ねぇ・・。#

  手伝いに入ってんのっ?!それとも、邪魔をするためなのかしらっ?!!#

 

ぺ:ああっ―――もう・・・・どうも・・・・申し訳ありませ・・・・・ん(スッ)

ジ:(ぅん?)

 

 

〔迷惑かけるものと、かけられて、それを叱り飛ばす者・・・・・どこへ行っても、お国を違えても、同じ事のようでありまつ。

(まさに、『ギルド』の、“海外版”みたいな〜)

 

―――と、ここで終わってしまうようなら、何もわざわざお国も違わせ、登場人物から、設定まで変える必要性なんか、ないのでありまつが・・・

気付きました?ペーター君が、二度目に書類を床にぶちまけた時、上司のジィルガさんに、お説教を喰らった後、その書類を拾い集めた・・・・

 

まさにその後です、周りの目にも分からないように、ジィルガ女史の机の上に、積み上げられていた、資料の山の中に―――

なにやら、紙切れを紛れ込ませたようですよ??(しかも、彼女も気付いているようですし―――)

 

ひょっとして―――ラヴ・れたぁ??んだったとしたら・・・・なんっ―――お門違いな――――とも、思いたくもなるのですが・・・・

 

しかし、その後、まるでそれが引き金だったかのように――――〕

 

ピ――――ッ         ピ―――――ッ              ピ――――――ッ

 

職:チーフ、内線5番に出てください、部長からです。

 

ジ:分かった―――(ピッ) はい、私です、はい・・・・はい・・・・かしこまりました、すぐに参りますので、では――――(カチャ)

  ねぇ・・・君、今から、お話しがあるから、私と一緒に、部長室まで来て頂戴・・・・。

 

ぺ:えぇ―――? い、いや・・・ぼ、僕・・・遠慮しときます・・・・

ジ:いいから、くんのよっ!##

 

ぺ:ふ・・・ふわぁい・・・

 

 

職:あ〜りゃりゃ、あいつ、まただぜ?

職:さ圧すが、落雷率No,1の、お荷物クン・・・ってワケね。

 

 

〔どうやら、ペーター君、まだこれよりひどい失態をやらかしたのか、

ジィルガさんよりまだ上の、部長さんの部屋に、彼女と一緒に呼び出されたようですよ??

 

―――――と、普通思ってしまうのが、ここの職員さんと、同じ視線―――な、わけなのですが・・・・

重要書類をぶちまけ、拾い集めて立ち上がった後の、彼の行動と・・・・そして、これからの彼の言動・・・・・

 

それから、起こりつつある、ある事件こそが―――今回の本題になってくるのです。〕

 

―――コン・コン―――

 

部:入りたまえ・・・

 

ジ:失礼いたします―――。

  この度の企画と、報告書を、取りまとめましたので、ここにおいておきます、お目通しのほどを――――。

 

部:うむ、ご苦労――――(すぱ・・・・ぷぅ〜〜〜)

 

ジ:それと、あと何か―――?

部:うん?

 

ジ:あなた様が、わざわざここの内線の5番を使って、私達を呼び寄せた・・・・とは・・・・

 

部:うむ、実はな・・・・今朝方、私の自宅のFAXに

――昨晩、怪しき男女四人の訪問者がこられた由、特別にお計らいのほどを・・・――

  と、いうのが入ってきていてな。

  始めは、私も何のことかは、分からなかったのだが、その5分後、恐らく、≪ユーロ・クラット・スペシャル≫〔欧州官僚特別便〕だろう・・・

  に、搭乗してきた、注目すべきある人物が、この国に入国してきたそうだ・・・・

 

ジ:―――――。(まさ・・・か?)

 

部:一体、誰だと思うね?(スパ・スパ・・・・)

 

ジ:・・・・それは、ひょっとすると、ヤポンからの来客ですか?

 

部:・・・・下の名までは、分からなかったが・・・・搭乗者名簿、並びに、入国管理の際の手続きには、“ヘル・モリシタ”と、記載されていたそうだ・・・

 

ジ:(あ―――あの子が?!!) それで・・・・そのFAXの送信者は・・・

 

部:確か、『バジリスク』と、書いてあったな・・・。

  詳しい事は、そこの本人に聞いてみたほうが早いだろう。(すぅ〜〜―――ふぅ〜〜〜〜)

  これから先は、私の管轄外だからな・・・。

 

ぺ:・・・・そういうことだ、―――“ウイッチ”―――。

 

ジ:局長―――。

 

 

〔ナゼ・・・この場に、関係のなさそうな若者・・・――ペーター=アシュクロフト――がいたのか、これではっきりした事と思う。

 

この会社内では、下っ端であり、使い走り程度の若者が・・・・この閉ざされた空間の中では、この二人よりも上役・・・・

それも、自身の事を『バジリスク』それと、ジィルガ女史の事を『ウイッチ』・・・・とは、(それに、彼女も、彼の事を『局長』とは・・・)

 

つまり、結論だけを言ってしまえば、この二人こそ、この欧州での『狩り手』の一員だったのです。

そして、この会社の、この一室こそ、知られざる『欧州狩り手の本部』だったのです。〕

 

 

 

 

 

 

 

 

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