第四講                   旨いモノ談義

 

<一>

 

 

〔あ、さて――― 皆さんには、『好物』と、いうものがあろうか・・・・と、思います。

 

その内で、今まで食べてきた中でも、取り分けて“美味い!”と、感じたものは、何でせう?

 

――――と、いうことで・・・・今回は、そゆお話し。

 

蜆亭で、昼食(ちゅうじき)の時間に、こういうことが、話されたようですよ・・・・――――〕

 

 

臾:ぷっひゃあ〜〜〜――― あぁ〜〜喰った喰った。

 

  ここのお昼(“賄い”の事ッす)ごっつぅ美味いから、しゃぁ〜わせ〜ですわ。

 

サ:いぃーよなァ、おめーは、単純思考で。 そうだなぁ?おひぃ。

お:そうですね、安上がりで、大変助かりますわ。

臾:え゛〜〜そらないわぁ。

 

―――あっはっは―――

 

婀:ところで――― 今回の賄い、確か葵殿でしたな。

  この・・・作り方は、誰ぞかに、教えてもらったものですかな?

 

葵:―――・・・板場の人・・・―――

 

臾:は―――・・・(なんやン、この人・・・乃亜ちゃんと、おんなし喋り方すんねんなぁ。)

サ:ヘぇ〜〜―――  で、そいつは、始め・・・からなのか?

 

葵:―――・・はい・・―――

 

茉:・・・―――っていうよりね? うちでは、板場の人から、私達仲居まで、ローテーション組んで、皆の賄い作ってるの。

 

お:それで、今日は、葵さんの番・・・。

 

葵:―――・・はい・・―――

 

 

惣:それにさ、ここにはいろんな食材が揃ってるから、それがどこの産地か、どんな料理法があるか・・・なんかを、知っとくほうがいいんだよ。

 

婀:(ほぉう・・・) それは、また、どうして―――・・・

 

雪:それは・・・お客さんに聞かれることもありますから。

 

お:は――――・・・・。

  (って)わ、わたくしは、今までにも、そんなこと、聞かれた事はございませんでしたけど・・・。

 

婀:それは、妾も・・・・

 

茉:(そ、それは・・・まぁ・・・そういう風に、上が仕組んでる事だしぃ・・・)

  ぐ・・・偶然じゃあないでしょか・・・?(あはは・・・)

 

雪:そ―――・・・そう、かも・・・・ねぇ?

 

葵:―――・・・(はむ)・・・―――。

 

 

〔そう――― まあ、おひぃさんや、婀陀那、サヤ、臾魅たちが、お客の前で、恥をかかないように、

上のほう(つまりは、瀬戸さん)で、割り振ってたようなんです。

 

 

そして―――― それを示唆するか・・・のような、大女将の部屋での、この会話・・・・〕

 

 

ス:すまんですねぇ〜〜、気ィつこてもろて・・・。

 

瀬:はぁ? ナニゆってんの?

 

ス:いえ・・・・ねぇ〜〜・・・。

  客に説明求められるような、むっつかしいもんを、避けてもろてて・・・感謝してるんすよ。

 

瀬:・・・・・ぁあ! そゅこと?!

  なぁにも、気にしてもらわなくてもいいのよ!

 

  あの子達が、恥をかくだけならいいけど、そういうことは、ひいては、うちが程度の低いのを雇ってる・・・・

  って、いやな噂立てられたら、 アウチ―――!☆ だもの。

 

ス:あ゛・・・・・あ゛はははは・・・(―フ―;;)

  瀬戸さん、そらァちぃと言い過ぎなんでわ・・・・

 

瀬:でぇも――― 本当の事なんだもの・・・そうよねぇ?静さん?

 

静:え゛っ?!  え・・・・えぇ・・・・。(き、急にこっちにふらないで下さい・・・・)

 

 

ス:(根性悪ぃやっちゃなぁ・・・静さん、 困ったさん になっちゃってるぢゃん・・・・。)

 

 

〔――――などと、まあ、少しは、お為ごかしも入っていたようです。〕

 

 

 

 

 

 

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