<弐>
〔では――――? いっぽうのこちら・・・・では?〕
三:ところで――― ここの大女将さんは―――?
お:えっ?? あ・・・・は、はい・・・し、少々お待ちを・・・
ちょいと―――婀陀那ちゃん? 至急瀬戸さまを――――
婀:は、はっ――― かしこまり・・・(お゛っ?!) せ・・・・瀬戸・・・・
瀬:あぁ〜〜〜ら、どうも・・・・サブちゃん♡ その後は、お変わりないようで♡♡
三:(はぁ〜〜・・・)あんたも・・・・な。
ワシの可愛い美也を、こんな手でおびき寄せるなんてぇ〜・・・相も変わらず――――ってトコかね。
美:あ―――・・・あの・・・伯父・・・さん?? それ――― どゆこと???
三:ん――― いや、なに・・・お前が、この老獪くそばばァのお目に留まって、おまけに白羽の矢まで立てられた――――ってこった。
美:(老獪―――? それに・・・白羽の―――??) ま、ますます・・・・どゆこと???
瀬:あぁ〜〜―――んら、なんだか、まるで、美也ちゃんを、魔王の前に差し出される、かわう〜い子羊ちゃんみたぁ〜〜いなこと、いわなくてもぉ〜〜〜
美:は??!! 何・・・それ・・・って、もしかして、『生贄』ってことかい??!
瀬:ん゛ふふふ・・・・・(にたぁ〜り)
いいのよ・・・・そんなに怖がらなくても・・・・冗談なんだからねぇ〜?(にたにた)
お:(うわ・・・でも、説得力がぜんぜんないってトコが・・・)
婀:(かわいそうにのぅ・・・・)
美:え゛・・・あ、あんた達・・・ナニ? その・・・・人を哀れむような眼わ・・・
静:(いや、しかし・・・・まあ、そういうのは、いた仕方なき事・・・か、と。)
ス:(これで哀れまないと・・・・一体何をして哀れむべきか・・・・)
美:こ・・・こっちもぉ?!! ひ、ひょっとして・・・あたい・・・・
瀬:だっ・かっ・らっ・さぁあ〜〜〜冗談じゃない?ってゆってんぢゃない(ケケケ・・・・)
美:あ゛っ・・・・ははは・・・・ですよねぇ〜?
お:(うわ・・・騙されてる・・・)
婀:(ま・・・ますます持って、かわひそうにのぅ・・・・)
静:(三郎さん・・・・ごめんなさい。)
ス:(これで・・・クソババァの毒牙にかかった人間が、また一人・・・・)
〔おわ・・・・なんだか、まるで・・・中世欧州に跋扈していた、人身売買そのものみたいなんすけど・・・^^;)
――――て、まあ、お冗談はさておいて・・・・(最近多いね・・・この手―W―;;)
今回は、実はこゆ事なんかでなくて・・・〕
美:そ、そんなことよりさぁ――― ちょいと板場を見せておくれでないかい―――
ス:えっ?まぁ―――― 構わんねぇっすよ??
お:(よ、ようやく――――)
婀:(本編に戻るようじゃの―――)
〔そう―――― まづは、知るべくモノは、知ってはおかなければならない事・・・・
これより相対する者の事を、知るべくをして、その本拠に乗り込んだのです。
では、その板場にて――――〕
美:ちょいと―――― 邪魔するよ。
惣:おっ、女板さん登場―――ってなわけですかい。
安:粋っすねぇ―――
美:(ピク)・・・・おちょくんじゃあないよ、こちとら、きちんと腕で勝負してんだ。
惣:(な・・・―――)
安:(ほぇ・・・・・)
政:・・・・・・。
〔おお――――っと・・・ちょっと緊張走る一瞬・・・・のようですが、まだまだ・・・・これだけでは終わらなかったんです。〕
美:ふ〜〜ん・・・天下の蜆亭と、名にし負う板場が、どんな風かと思ったら・・・・
また、随分と、大雑把な仕事だこと――――
煮干しの出し・・・ってなァ、頭とワタ、きちんと取ってやんないと、
エグくって、客に出せれるような代物に、ならないだろ――に・・・。
惣:あん―――? それはだなぁ・・・
美:おいおい―――― どーすんだよ、この大根・・・・・
面取りも、隠し庖丁もしないで・・・・これじゃあ、煮くずれして、グズグズになっちまうよ。
それとも・・・・ナニかい? まさか、半生(はんなま)でお客に出そうってぇのかい。
お:あの・・・それは――――・・・・
三:お・・・・おい、よさねぇか、美也子・・・・
美:伯父さんは黙ってて――――
いいかい、これだきゃあはっきし言っとくよ・・・・
老舗だか、なんだか知んねぇけど、ここの町は、昔ッから蜆、蜆って、ちやほやしてっけどさァ・・・
惣:ちょっと待てよ、コラぁ――――
政:口をはさむな、惣―――
惣:でっ・・・でも・・・―――
政:・・・・・・。
ス:(なる・・・ほど・・・)
美:こちとらだって、同じ町で、看板背負うんだ、あたいにとッちゃあ、ここはライバルみたいなもんなんだからね―――!!
お:(いぃ〜〜―――っ・・・)
婀:(な、なんと――――・・・)
美:まぁ――― この仕事っぷり見ちゃあ――― 多寡ァ知れてっけどもね――――
老舗の・・・・看板が、聞いてあきれらぁ!!
ばちん――――☆
お:(ぅひ)
婀:・・・・・・。
ス:(こういうことか・・・・)
〔なな――――・・・なんと! この美也子さん―――― 自分の伯父を除けば、あとは皆 敵 ―――― の、ここで――――
気風(きっぷ)のいい啖呵(たんか)を切ったばかりか、瀬戸さんに送りつけられた、『挑戦状』の返しまでするなんて・・・・
なぁんだか、とぉっても気のお強いのが、加わってしまったよ――――です。〕