≪伍≫

 

 

〔そして―――とうとう、愉しみにしていたお花見も、その本懐を遂げることなく、途中で切り上げ、

蜆亭へと帰ってきた、ギルドの連中の目にしたものとは―――?〕

 

 

サ:はぁ〜〜〜しっかしよう、これじゃあ、結局、オレら・・・何しに行ったか、分っかんねえよなあ?

臾:ドン・・・・それ、ゅうたらしまいやで?

 

サ:けぇっどさぁ〜〜〜・・・・

 

J:まぁ・・・実際、にゃンといいましゅか・・・皆さん、お酒はいると、よーきになるというか・・・・なんというか・・・

婀:女禍さま、それ・・・何のフォローにもなってないですぞ・・・

 

J:(ぅひ) しぃましぇぇ〜〜〜ん。

(って)ありゃ??あれ・・・お店の入り口で、お掃除してるの・・・って・・・

 

乃:・・・・オオカミみぅ・・・。

コ:しっ!!乃亜!!

 

お:せ・・・っ、瀬戸様ぁ??

サ:はぁ・・・ここの、一番のお偉いさんが・・・自ら進んで、掃き掃除かい・・・

J:めじらしいですねぇ・・・

臾:・・・って、ゅうより、今日休みでっしゃろ?? なんでやろ?

婀:・・・・・。(ふむぅ)

 

 

〔そう、そこには、人ゴミの中の花見を嫌い、近場のもので済ませる・・・と、言っていた、蜆亭・大女将・瀬戸亜沙華さん―――その人だったのです。

そして、彼女、もう花見を済ませたのか、自分のお店の蜆亭の前を、竹箒(たけぼうき)で、掃いていたのです。〕

 

 

瀬:(―――ん?) あら、あなた達、早かったわねぇ、まだお日様、高いわよ?

 

お:はっ、はあ・・・・・・そ、それが・・・・

瀬:(ぅん?) ・・・・まあ、折角帰ってきたんだし、ゆっくりと、休んでいきなさいな。

  人ゴミの中だったから、気疲れでもしたんでしょう。

 

婀:そ、そうさせていただきます・・・

お:あの・・・それより、今、ここにいるの、瀬戸様だけなのです?

 

瀬:ぇえ?いるわよ?もう一人・・・

お:(え?) だ、誰なのです??

 

瀬:(フフ―――)決まってるじゃない、うちの板さん、つまり、あんた達のところの代表君よ。

 

サ:ヘっ??なんで―――そらまた?

臾:ほいじゃあ、ステラはん、今、何してはりますの??

 

瀬:さぁ―――そりゃあ、彼の仕事場へ行ってみれば、分かることじゃない?(ニヒ)

 

 

〔この・・・大女将の、今の微笑み・・・ナニゲに気になるんすけど・・・

まあ、何はともあれ、今、ここにいるステラのところ――板場――へ、皆して行くのですけど・・・?〕

 

 

臾:ありゃ・・・・おりゃへんやん・・・。

サ:あ゛あ゛?! あんの・・・瀬戸っつうのも、案外いい加減だよなぁ、

  ここにくりゃあ、あいつがいる・・・って、ウソばっかじゃん。

 

J:ん?? あ―――っ!ステラさんっ!

お:(えっ?)あ・・・っ。

婀:どこに行っておったのですか?社主殿・・・

 

ス:うん?一応、お手洗いだけんど・・・それより、チミ達どしたん?こんなに早く・・・・

  あ―――っ、もしかして、桜、もう散ってたりしてぇ?

 

お:・・・・・。

婀:(あ―――っ、バカ、また余計なことを言って・・・)

サ:(このおっさんも、懲りねーっつぅーか・・・)

臾:(ここ・・・刃傷沙汰になったら、どないすんねやろ??)

J:(今回の事が、半分当たってるだけに・・・)

コ:(血の雨、降らなきゃいいけど・・・・みゅ)

乃:(・・・・ちのあめ(むふ)・・・・・。)

 

 

お:・・・・そんなことじゃ・・・ございません・・・。

 

ス:・・・・???(::―_―)」」(←一応、身構えてみたりする・・・)

 

婀:(あほぅが―――身構えるなら、最初からすなっ!)

サ:(なにやってんだか―――)

臾:(でも・・・分かる―――分かりますでぇ?)

コ:(ホッ・・・・よかったみゅ)

乃:(・・・じつに、おしいことですみぅ・・・・。)

J:(でも―――驍さん、何で、今日ここに―――?)

 

 

お:ただ―――、あなたや瀬戸様が、おっしゃってた通り、人々の喧噪に、嫌気がさしまして・・・・

  それで、途中で、抜けて帰ってまいりましたの・・・。

 

ス:・・・・ふぅ〜〜ん・・・それで? どうすんの・・・しばらく休んで、それぞれの家に帰るか・・・

  それとも―――、もうちっと、ここにいて、暗くなるのを待つか―――

 

お:(ええっ?)

婀:・・・・どういう事です?社主殿・・・―――暗くなるのを、待て―――とは・・・。

 

ス:あぁ〜〜〜別に、大したこっちゃないんスよ、ンな些細なコト、一々気にしてもらいでも・・・。

こっちも、何も強制的なことを、言ってるわけでもないんだしねぇ、帰りたい人がいてれば、遠慮なく帰ったらどぉ?と、こう言ってるだけでしよ。

 

婀:(ふむう・・・)いかが・・・されます?姐上・・・

お:そうねぇ―――、わたくしは別に・・・・構いませんですけれど、皆さんは、どうなのです??

J:あちしもいいよぉ〜?(どうせ帰っても、『遼來軒』手伝わせられるだけだしぃ)

サ:まぁ・・・ここまで来てるこったしなぁ。

臾:せやんなぁ。

コ:みゅ――

乃:・・・・みぅ・・・。

 

ス:ふぅぅ〜〜ン、成る程、ヤレヤレ・・・・こいつわ、仕込み直しをせにゃ、ならンかね・・・と、

  ほいだら、ここの大女将の耳にも、入れときましようわ・・・

 

婀:は??せ、瀬戸様に? どうして・・・また・・・

ス:なぁ―――に、一気に、大人数に膨れ上がっちまう由をね・・・んだば・・・って、あんれま・・・。

お:せっ・・・瀬戸様ぁ??

 

瀬:(ふぅ〜〜〜)なぁぁんだ、結局、あんた達も、居残ることになんのぉ?

  ヤレヤレ・・・ご機嫌、損ねてくれなきゃいいんだけどねぇ・・・・。

 

婀:(機嫌を・・・損ねる??) どなたか・・・ここにこられるのですか?

お:(え―――!?)ま、まさか・・・お父様が??

 

瀬:え?? あぁ―――いやいや、こっちの事よ・・・ま、後は見てのお愉しみ・・・って事でね。

  それじゃ、あそこへと、ご案内しましょうかしら―――ね?(ういんく

 

ス:(はは――――きも・・・)ほんじゃあ、ワシは、これから直しにかかりますんで・・・

  まぁ、刻限までには、間に合わせますよってに・・・。

 

瀬:うっう゛ぅ〜〜ん、愉しみにしてるわよぉぉ〜〜――〜〜ん

  じゃ・・・・ついてらっしゃい。

 

 

〔何もかもが見えない、瀬戸さんとステラのやり取り・・・・

それは、『ビッグ3』のおひぃさんや、婀陀那をしても、全くといっていいほど、その意味が、分かっていなかったのです。〕

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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