<弐>

 

 

(でも・・・・今回の事件の発端は、こんな事ではなく、もっと別なところで進行しつつあったのです。

 

この、特別メニューを始めて、一ヶ月経った頃・・・・・ロード・ワーク中にて・・・・・)

 

 

臾:(ほっ ほっ ほっ・・・・) なあ・・・・アミさん・・・。

ナ:(ほっ ほっ ほっ・・・・) ・・・・どうした。

 

臾:うちら・・・ホンマに、こんなんで、ええのやろか?

ナ:そう・・・・言うなよ・・・。 あの人達は、あの人達なりに、アタシらの事を、考えてくれてるんだ・・・。

 

臾:・・・・・そやなぁ・・・。

 

 

  ・・・・・・なあ・・・・・アミさん・・・。

 

ナ:だから、なんなんだ!!

 

臾:・・・・・アミさんなあ・・・・なんか、最近・・・悩みでもあるんとちゃうか?

  思いつめたよーな、顔してますで?

 

ナ:い・・・・いや・・・別に、何も・・・・。

 

 

(初めは、きついと思っていた体力づくりも、日々鍛錬し続ける事により、慣れてきた・・・・ようなのですが。

臾魅の言っていたように、ナオミの表情が、ここのところ、冴えていなさそうなのです。

(どうして・・・それは、後のお楽しみ・・・と、言うコトで・・・)

 

それはそうと、この二人が、ロード・ワークの最中に・・・・!!)

 

                                

 

ナ:(ぅンっ?!)

臾:(なんや!!?)

 

テ:フ・・・ッ、フフフ・・・・ようやく見つけたぞ、狩り手のヤツらめ・・・

  日頃の、仲間の恨み! 今、ここで晴らさせてもらうわ・・・・。

 

ナ:グ・・・・ッ!!(こ・・・こいつは・・・!! ロード・ワーウルフ!!)

臾:うっ・・・・うぅ・・・(しかも、こんだけの数、揃えるゅうて・・・待ち伏せかいな)

 

 

(そう、そこに現れたのは、 〔テムジン:ロード・ワーウルフ:レベルB〕 。

しかも、この者、その取り巻きの、ワーウルフ達を引き連れ、二人が通るこの道で、待ち伏せをしていた・・・・と、言う事のようです。

 

とはいえ、レベルは B 止まり、二人で協力すれば、何のコトはない・・・・ように思われるのですが、

今の彼女達は、基礎鍛錬の最中のため、狩り手の 仕手 から、外されているのです。

 

それ故に、手出しをする事は、一切、まかりならなかったのです。)

 

 

ナ:くっそ―――、なんだってこんな時に・・・おい!臾魅!! お前、今からあの人達のトコへ、行って来てくれ!!

臾:そゆ、アミさんは、どないしますのや?!

 

ナ:あたしは・・・・何とか耐えて見せるさ! さあ、行きなっ!!

臾:おぉっしゃ!すぐ呼んでくるさかいに、気張っといてや?!!

 

テ:おおっと、逃がしはせんぞぉ!!

 

ドォンッ!                                                           

                                   ピシュウン!

 

テ:グ・・・ッ!!

 

ナ:おい・・・・どっち向いてんだい、あんたらのターゲットは・・・・・こっちにもいるんだぜ。

臾:(アミさん・・・・待っといてな!?)

タッタッタッ・・・・・

 

テ:ち・・・・、まあいい、オウ、お前ら!今からこいつを嬲り殺しだぁ!!

 

ナ:・・・っっクッ!!

 

 

(なんと・・・ナオミ、自分がオトリとなり、臾魅に、バーディとサヤに、この一件――――自分達が待ち伏せされた事を、告げに行かせたようです。

・・・・・と、こう言ってしまえば、聞こえはいいのですが・・・ナゼ、ナオミが、こんな状況下で一人になりたかったのか・・・・

それは、それなりのワケがあったのです。)

 

 

 

 

 

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