<伍>
(そんなある日・・・警察署内にて、バーディーに呼ばれる、ナオミありき・・・)
ナ:はい・・・なんでしょうか、課長。
バ:これから出かけるぞ、私服に着替えてこい・・・。
ナ:ええっ、で・・・出かける・・・って、どこに・・・。
バ:いいから。 別に、大した事じゃあないよ。
ナ:は・・・はい・・・。 (もしかして・・・病院の、精神科??)
バ:(うん?)ふふ・・・心配しなくても、ホスピタルじゃあないよ。
ナ:え・・・・っ、あ、は・・・はい、分かりました。
バ:・・・・。(まあ・・・あいつにとっては、最も過酷な事に、なるだろうがな・・・)
(なんとこれから、バーディーさん、お出かけのご様子です。 でも、それをするにさいし、ナオミを同伴させるようです。
それにしても、警官の制服・・・で、なく、私服で・・・・とは?
ナオミも、危惧しているように、病院の、精神課行き・・・・を予測していたようですが・・・それは、どうも違うらしく、別の場所のようです。
でも、バーディーさんは、これから訪れるところが、ナオミにとっては、――過酷な場所――と、いっているようですが・・・。
では、そのある処とは・・・・
それは、あそこ・・・・そう―――苦い思い出のある、あの―――場所―――。)
ナ:・・・・で、どこに行くんです?
バ:ここの・・・・元、本部があった場所・・・・だよ。
ナ:え・・・・・ッ!? こ・・・ここの??
バ:そう。 何でも、話によれば、“オリジナル”が現れて、壊滅したそうじゃあないか。
そこを、私も見てみようと思ってな。
ナ:で・・・っ、でも・・・それじゃあ、何も、あたしでなくても・・・・元締めや、サヤに頼めば・・・
バ:そうか?私は、一番身近の、お前の方がいいと、判断したんだけどなぁ・・・。
ナ:そ、そんっ・・・・だったんです・・・・か・・・・。
(そう・・・その場所とは・・・・
以前、ランクS、通称 オリジナル と、呼ばれている魔物の一人、 アビス により、壊滅した、ここの本部、そのあった場所だったのです。
そして、そこの場所は・・・・未だ、襲撃の爪痕も癒えておらず、警察の立ち入り禁止の、黄色のテープも、張られたまま・・・だったのです・・・。
そして・・・)
バ:(ふぅむ――――)今だ、その爪痕は癒えず・・・・か。
(に、しても・・・・凄まじいものだな・・・オリジナルの能力とは・・・・)
・・・・ここにいなかった・・・・と、言うのに・・・・ナゼだか、ここの惨劇が、目に浮かぶようだ・・・・。
ナ:・・・ぁ・・・・・ぁぁ・・・・。(ブルブル・・・)
(こ・・・ここは・・・ ま、間違いない・・・確かにそうだ・・・アタシは、ここで一度・・・・・!!)
バ:ぅん?どうした?ナオミ・・・・顔色が・・・・
ナ:(く・・・・っ!!)(ダ・・・ッ)
バ:おい!ナオミ!! ち・・っ、しようのないヤツだなぁ・・・。
(その・・・脳裏に、甦りつつある、ある記憶・・・・そして、それをムリヤリ引き払おうと、その場を立ち去ろうとするナオミ・・・。
しかし、彼女が向けた足先は、偶然か否か・・・・)
ナ:(タ・・・ッ)はぁっ・・・・・はぁ・・・・っ。
え・・・・、こ、ここは・・・・!! な、なぜ・・・アタシはここに・・・?!!
一番、思い出したくもない・・・この場所に!!?
っ・・・ぐぅっ!ぁあああ!!
バ:(はっ! ・・・・あれは・・・)ナオミ・・・?
ナ:・・・・・間違いない・・・・・アタシは・・・・ここで・・・・い、一度・・・死んでるんだ!!
それなのに・・・・どうして・・・アタシは、ここに・・・!?
どうして・・・・・どうして!!!
(そう・・・ナオミが、足を向けた先・・・それは、彼女の体が貫かれ、引き裂かれた、あの・・・・場所・・・・だったのです。)