<六>
お:さぁさ―――あなた達、もうとっくに始業してますのよ?! おしゃべりしてるヒマがございましたら――――・・・・
サ:ヘへへ――――い、んじゃ、ちょっくら行ってくるぜ――――ッと。
臾:ほな、うちも〜〜〜―――
お:まったく―――― もう・・・・。
ジ:ふふ――― あなた様もォ、随分と苦労していらっしゃるようですねェ・・・。
ところォで・・・・おひぃさんが、ここの代表者ですゥ?
お:・・・・・。###(ピキ―――ッ!)
ジ:あっ・・・・あの・・・おひぃさん??
婀:あ・・・・ああ、姐上は、今、ご機嫌が麗しゅうないようですから・・・こ、こちらへ・・・
ジ:は・・・・はい。
〔いつまで待っても、来るどころか、“ズル休み”・・・・そのことが分かってから、いつキレてもおかしくない、おひぃさんなのでしが・・・・
婀陀那が、いち早く気を利かせ、ジィルガさんを伴い給湯室へ・・・
でも、そこで――――?〕
ジ:あのォ・・・・どうなさったんでしょうかねェ?おひぃさん。
婀:あぁ・・・・まぁ、ちょっと・・・・。
ジ:・・・・そうなのですかァ・・・。
(でも・・・まあ、一応調べたい事は、一通り済ませた事だし・・・・あとは・・・・)
よし―――――。
ジャ〜〜〜―――――
ボタボタボタ・・・・・
ジ:あっっ!! あっつゥぅ〜〜〜い・・・。
婀:あぁ!だ、大丈夫ですか!? ジィルガ殿!!
ジ:あ・・・・は、はい。
私ったら・・・昔から、どうもそそっかしくてェ・・・あの、申し訳ありませんが、ここに治療室は、ありませんかァ??
婀:そ、それでしたら・・・妾が案内してしんぜましょう。
〔なんと――― ジィルガさん、魔法瓶の湯を、コップではなく・・・・手に注いでしまったようです。
―――――と、ここで普通一般の見方なら、『なぁんだ・・・・そそっかしいんでやんの』で終わってしまうのですが・・・・
どうも、今の・・・この人がやったのは“わざと”のようでして・・・
その証拠に、ここの治療室で――――・・・・〕
婀:ここが、そうであります―――。
ジ:そうですか・・・・ありがとうございまァす。
ガサ・・・・ゴソ
ジ:(チラ・・・)
ス・・・・
ヒ ィ ィ イ イ イ ・ ・ ・
〔な、なんと?!! ジィルガさん、ここで、薬を探すフリをしながら・・・・婀陀那の見えていないところで、自分の力だけで、火傷を治したようですぞ?!!!
しかも、今度は、部屋の一角を見据え・・・・〕
ジ:(ニヤ・・・)(そこか―――!)
ねェええ〜!? ちょっと、ここ・・・・狸くさくありませェェん?!
婀:は――――はい?!! 狸・・・・ですか?いや、そうは申しても・・・ここには狐はおりましても・・・狸は・・・・
ジ:あァァァらァ、そうですゥ―――?! ところで・・・このロッカー、随分と汚らしいですよねェェえ??!
婀:(ぅん――――っ?? こ・・・この者・・・先程とは打って変わって・・・・)
ジ:こォォ―――んな、汚らしいの棄ててェ〜、あったらしいのにィ、取り替えましょうかしらねェェ〜〜――。
――― ガタッ―――☆ ―――
婀:うんっ?!!
ジ:あっらァあ〜〜〜? 今・・・なんか動いたようですけどォ――― 気ィィのせいですよねェェ〜〜〜―――。
こォォんな小さなロッカーの中に、人なんて入ってませんよねェェ―――?!
ガン ガン ガン ガン!☆
婀:あっ・・・・あの・・・ジィルガ殿??(―フ―;;)
ジ:これ・・・見た目にも、スペースとってるようだしィィ・・・簀(す)巻きにして、ゴミ捨て場に、ほっといたほうがいいんじゃないですゥ〜〜?
〔あ・・・・っ、あれ?? これ――――って、もしかして・・・・ 『豹変』 と、いうやつです??(・x・;;)
先程までは、おっとり・・・・しかも、まるで『借りてきた猫』のように振舞っていた彼女が・・・・
ここ、治療室に来ると、その態度を一変して、なにやらロッカーに当たりまくっているようですよお??
(もしかして彼女・・・・ロッカーにたいして、多大な怨みがあるんじゃ・・・・(違うって・・・^^;;))
でも・・・?
この中に人が入ってたんでしょうか・・・・中から、『白旗』が・・・〕
婀:あ゛・・・・。(ナゼに白旗・・・・)
ジ:あァァら、もう降参なのォ―――?
―――コク・コク―――
〔その白旗・・・上下に・・・(^^;;) そして、中からは・・・〕
婀:あ゛・・・・た、驍・・・様。
あなた様は・・・どこかへ雲隠れしたのでは、なかったのですか??
ジ:ふっふゥゥ〜〜〜ん、甘い甘い! 他の人達には、そう思わせといてェ、ここの・・・一番近くに、身を潜めようッたってねェ〜〜〜え?
そォォんなの、この私には、通用しなくってよォォ?? わ――かってるぅ――〜? ボ・ク・ちゃ・ん♡
ス:(うぅッ・・・ぐぅッ!!)(屈辱・・・・^^;;)
ジ:おォォ〜〜〜〜や、久しぶりだからってんでェ、恥ずかしがらなくてもいいのよォォ〜〜〜〜?
こっちはァ、会いたくて・逢いたくて・遭いたくて・遇いたくてェ〜〜〜〜仕方がなかったんだからァァ〜〜〜〜♡
ス:こっちは・・・・会いたくなくて・逢いたくなくて・遭いたくなくて・遇いたくなくて・・・・仕方がなかったのにね・・・。(ボソ)
ジ:ァあん―――? なんか言ったかァァ〜〜〜い?(ずい――――ッ!)
ス:い・・・・いへ・・・こっちは、あんたが来るってんで、気が気ではなくて・・・
飯もロクに、喉、通らんねぇッし、夜も寝てらんなくて・・・・。
ジ:あァ〜〜ら、そォんなに、私が来たのが、嬉しかったのねェェ〜〜〜? う゛ふ♡ かァいいったらァ・・・・。♡
ス:(いいや・・・むしろその逆ッす。)(・・・・コクコク)
ジ:そォうでしょ〜〜〜♡そォうでしょ〜〜〜♡ で・わ、いきましょ〜かァ? ボクちゃん♡
ス:(うぐぐ・・・・たへろ・・・ワシ!!)(くつぢょく ^フ^゛)
婀:は・・・・い、今のやり取り・・・わ、妾は悪夢でも見ておるのでは??
(は・・・・っ!!)い!いかん!! こうしては―――!!
〔そう、婀陀那の目の前で、展開されつつあったそれは、もはや悪夢の何モノでもなかったわけなのですが、
むしろ、問題は、この部屋を出た先に山積・・・・・だったわけなのです。〕