<弐>
〔閑話休題――――
そして、その日のお昼近くになって、『狩り手』のメンバーであるナオミとバーディーが、ギルドに来たようでッす。〕
ス:とっころっでさぁ〜〜〜どうだった?
婀:あぁ―――社主殿・・・ナゼにお主が避けたかったか・・・分かりましたですよ。
ス:すごかったろ〜?あいつの・・・(ニヤニヤ)
婀:ハァ・・・・少々後悔しとります・・・
ス:んで―――・・・どうすんの?
婀:妾のところは、願い下げ・・・・ですのぅ。
ス:ぅム、それが賢明というもんよ。
婀:―――・・・ですのぅ。
うん?どうされた、乃亜殿。
乃:・・・・けぇさつのおきゃくしゃんみぅ・・・・・・。
ナ:ぃよっす―――☆ こんちは。
バ:(ニッ)
婀:おお、ナオミ殿にバーディー殿・・・して、何用ですかな?
バ:ああ、定時の巡回周り・・・・って言いたいところなんだけど、
一つ気になる情報(ネタ)があるもんでね、それでこちらにも置いといてもらって、警戒をしてもらおう・・・と、言う事なのさ。
婀:ほほぅ―――・・・気になるネタ、ですとな?
ナ:ところで・・・サヤと臾魅のヤツは?
婀:あのお二方なら、まだ外回りより帰ってはおらぬが・・・・
ナ:そっか―――・・・あいつ等にも見てもらいたかったんだけど・・・・まッ、いいっか。
じゃ、婀陀那さん、あいつらにも伝えといてよ、最近“イゾルテ”がまた出た―――・・・って。
婀:“イゾルテ”??なんじゃ・・・・それは。
ジ:(イゾルテが・・・?近くに拠点でもあるのかしら・・・)
バ:あいつ等に、その事を言ったら何のコトか分かるさ・・・それじゃあ私らはこれで、
さ―――、行くぞ、ナオミ、
ナ:あっ、はぁーい。
ところで・・・こちらの綺麗な女性は??
ジ:どうもォ・・・あの、私、ジィルガ=アィゼナッハと申し上げるものですゥ。
今後とも、よろしく・・・・あぁっ・・・(くらッ)
ナ:あっ!??(えぇッ?)ど・・・どうかされたんですか??
ジ:い・・・いえ・・・い、今、急に立ちくらみが・・・・
―――グッ!―――
ナ:(えっ??)
ジ:(この者―――!! 制服の上からでは、想像もつかないけど・・・・理想の筋肉の付き方をしているわ・・・・
まるで・・・そう、まるで人工物のような・・・・・考えすぎ・・・・・かしら?)
バ:おい―――どうかしたのか?
ナ:ああッ・・・どうも、急に立ちくらみがしたらしくて・・・・大丈夫ですか??
ジ:だ・・・・大丈夫です・・・よ、よくあることですから・・・・・
―――グ・グッ!―――
(この者も――――・・・洗練された体つき・・・そう、先日の『ブレイダー』のような・・・)
バ:なぁ―――・・・ちょっと・・・
ジ:あ―――・・・・あぁ・・・も、申し訳ありません・・・私ったら本当に・・・・
バ:なぁ―――あんた??(じぃィ・・・・)
ジ:ああっ、そんな・・・・そんなに見つめられると、は、はづかしゅうございますゥ・・・・
バ:(気の―――・・・所為か?)
ジ:(まずい・・・・さすがにばれたか―――?)
婀:いかがされたのじゃな―――?
バ:いや―――・・・・なんでもない、邪魔したな・・・それじゃあ、あのこと、二人によく言っといて。
ナ:そんじゃ――――☆
〔どうやら、この二人がギルドに来たという経緯も、“仕手”上の関係で、連絡網をサヤと臾魅に廻しておく・・・と、いうことだったようです。
そこで――― この二人の見たものとは、見慣れぬ女性・・・
しかしその女性、生来より身体のほうが弱いのか、ナオミと握手をするために立ち上がっただけ、で立ちくらみがしたようです。(白々しいでよ・・・<ステラ)
そして、その女性――――ジィルガは、何とかナオミにしがみついたのですが・・・・どうやらその“立ちくらみ”というのも一種のお芝居だったようで、
寄りかかった体勢で、ナオミの身体などを触ったりして、身体的特性を調べていたようです。
しかも、それはバーディーまでも―――!!!
でも? バーディーも然る者、この・・・・今の、ジィルガの不自然さに違和感を抱き始めたようで―――・・・・〕
バ:なぁ―――・・・ナオミ・・・
ナ:はい、なんでしょう。
バ:あの・・・ジィルガとかいう女・・・・マークをつけておけ・・・・。
ナ:えっ?! でっ・・・でも、あんなに華奢で、虫も殺せなさそうなのに―――・・・
バ:つべこべ言わずに―――! あの女が何か行動に移したなら、すぐにアクション取れるようにはしておけ・・・分かったな。
ナ:―――・・・分かりました。
それで、バーディーさんは?
バ:私はこれより教会の方に赴く。
それから、今日の18:00時にはミーティングがあるからな・・・・忘れるんじゃあないぞ。
ナ:はいっ―――
バ:よし―――・・・では、行けっ―――!!
〔どうやらバーディー、怪しいとにらんだジィルガに、ナオミを張り付かせるようです。〕