<参>
〔それから程なくして、バーディーがその足を向かわせたところは、警察署ではなく、教会だったのです。
すると・・・なんとそこには、同僚の一人、サヤがいたのです。〕
バ:あ・・・っ、サヤ。
サ:よう――― どうした、おせぇじゃあねぇか。
マ:―――で、例の件は、向こうさんにもしておいたかね。
バ:ああ・・・・まぁな。
サ:それより・・・ナオのヤツぁどうした、一緒じゃなかったのか。
バ:ああ――― お前のいる、ギルドまでは・・・・な。
だが、今は私の命で、とある任に付かせている。
―――・・・ある人物から、目を離すな――― と、な・・・。
サ:あの――― ジィルガとかいう、女のコトか。
バ:そうだ・・・なぁ、サヤ、お前も感じたか―――・・・
サ:ま、なんとなくは・・・・な。
マ:(ぅん?)誰のことだ? その・・・ジィルガ・・・とかいうのは。
サ:ああ、婀陀那やおひぃと同じく、いいとこの出―――・・・・の、ようなんだが・・・
どうにも、動きにムラがなく、スキを見せない・・・・胡散臭い女のコトだよ。
マ:ほぉう―――・・・。
(ふゥむ、ジィルガ・・・・に、女・・・・か、フフッ、まさか・・・とは思うが・・・)
〔どうやら、歴戦の勇者は、ジィルガ女史の事を、怪しんでいるようですが・・・?
と、まぁ、それはさておき、サヤやバーディーも、自分の職のために、一時教会を離れたのです。
が―――・・・それからしばらくして、この教会に、誰かが来た模様です、一体誰なのでしょうか?〕
ジ:あらァ? こォんな処に、教会が・・・? 入ってみましょォ・・・
失礼しまァす。
――ギ・イ・ィ・ィ・・・――
〔なんと、そのお人こそ、かのジィルガ女史だったのです。
そして、教会に来訪があったのを感じたのか・・・奥の方からは、当然の如く、このお人が・・・・〕
マ:おや・・・・お嬢さん、こんな時間に、どうかされたのですか?
ジ:あぁ―――いえ・・・ちょうどこの辺りを散策していたものでェ・・・そうしたら、この教会を見つけましてェ。
マ:ほぉ―――・・・では、やはり、あなたも―――・・・・
ジ:はい―――・・・。
マ:では、ごゆるりと――――・・・
ジ:はい――――・・・。
〔・・・・おや?なんだか、ちょっと変ですよねぇ?
と、いうのも、どうして、ナオミに見張られている彼女が、こんなところへ?? ・・・・な、わけなのですが・・・。
そんなこととは関係なく、やがて、狩り手達が集合してくる時間(pm18:00)になりまして・・・・
当然ながら、その中には、ナオミも・・・・・〕
バ:―――・・・ったく、アレほど目を離すな〜・・・と、言っといただろう?
ナ:(う゛・・・)す、すみません・・・・。
サ:どうしたんだ―――?
臾:あぁ、なんでも、目ェ離さんときぃや〜〜・・・ゆわれたんから、まんまと撒かれてもぅたんやと。
サ:そうか―――・・・おう、邪魔する・・・・ゼ・・・(ん??)
ナ:あっ―――!(あいつ・・・)
バ:(な―――・・・ナゼ、こんなところに・・・)
臾:ほへ?(ありゃ―――あん時の、アンマのねぇちゃんやあらへんか??)(←論点ズレ^^;;)
ジ:あら―――どうも・・・今晩はァ。
(うふふ―――・・・)もう、こんな時間? 集中していると、経つのが早く感じられるものですねェ。
ではァ――― 私は、これでェ・・・・
サ:おぃ―――・・・ちょっと、待ちな。
ジ:はぃ? なんでしょォ・・・。
サ:あんた――― 確か、ジィルガさん・・・って、言ったっけかなぁ・・・。
一人で、何をしにここへ?
ジ:何を―――・・・って、ここは教会じゃあないですかァ?
教会は、お祈りをするところなのでしょォ? そうでは・・・ないのですかァ?
サ:(クッ・・・)いや―――・・・そういうつもりで、言ったんじゃあない・・・。
〔どうやら、ナオミ・・・この女史にしてやられたことを、上司のバーディーから言われているようです。
でも、皆が扉を空けて、礼拝堂の中に足を踏み入れた途端、マークをつけるようにいわれていた人物が・・・。
そしてジィルガは、自分以外の人間達が入り、持参の銀の懐中時計を見て、丁度よい時間と思ったのか、
その場を去ろうとするのです―――・・・・が、
彼女を初見から“怪しい”と、感じていたサヤが、何の事はない質問を投げかけたところ・・・
まさに、真っ向から正論で応えた女史が・・・。
それにより、返答に窮しそうになったとき、シホが奥から・・・・〕
マ:どうかしたのかね?皆さん・・・・
臾:あ―――・・・え〜と・・・ま、マザーはん?
マ:ぅん?何か、用かね?
バ:いや・・・ちょっと、相談に乗ってもらいコトがあって・・・・ね。
マ:そうか、分かった・・・・なら、こちらにきなさい。
ところで・・・・そちらのお嬢さんは?
ジ:ああ・・・私はァ、この人たちとは別ですゥ。
それにィ、今日のお祈りも済ませましたのでェ、もう帰らせていただきますゥ。
マ:そうですか―――・・・ですが、女の夜道は心許(こころもと)ない、
この人達と一緒に帰られてはいかがか?
ジ:お心遣い、実にありがたいのですが・・・この国のセキュリティ、お国に比べますと、随分と平穏無事そうなのでェ、
何卒お構いもなくゥ・・・。
マ:そうでしたか―――・・・では、お気をつけて。
ジ:はい―――・・・。