<陸>

 

ナ:あぁっ―――― お、大鎌・・・

サ:(やはり・・・)すると、こいつが―――・・・

 

ジ:(クスッ♡)ヤー。

  私が、あなた達と同じ組織・・・・『狩り手』は、欧州本部からの“特別派遣員”、通称【ウイッチ】よ・・・。

 

 

〔大音響を立てて、妖魔の身を斬り裂く、―――大きい鎌――― 『デス・スクレイパー』(死神の大鎌)

その者自身の口から出た・・・『ウイッチ』という呼称・・・

 

そして、自らの紹介が終わると同時に、掛けていた眼鏡を外し・・・それを後ろに放り投げると――――・・・・

それが、割れ・砕け散る音響と共に、尋常ならざる迅速(はや)さで、バーディーのすぐ脇をすり抜け、

相手との間合いを、瞬く間に詰めていく存在が―――・・・〕

 

 

バ:(な―――・・・っ!!)は・・・迅いっ!!

 

 

ジ:さぁ・・・おいで『エルブ』、これから、私とあなたの・・・・時間よ。

 

 

〔それは―――・・・たとえ相手が、格下であったとしても、一方的なものであった・・・

文字通り、『死神の鎌』を冠するその武器により、露と消えた存在は数知れず・・・とか。

 

だが―――・・・確かに、その存在はいた・・・・

その痩身には不釣合いの、大仰な得物を振るい、血煙を廻すその様は、まさに『魔女』にも似たり・・・だったとも言う。

 

しかし―――― それは、普段の彼女からは、凡(おおよ)そ想像もつかないような姿・・・・

それであるが故の、『ウイッチ』という別称も、無理らしからぬところのようで・・・・

 

 

そうこうしているうちにも、残る者もあと一人となり・・・・〕

 

 

妖:あっ・・・あぁっ・・・た、頼む!! い、命ばかりはぁァ・・・・

ジ:フン――――・・・・醜い・・・。

 

 

〔すると、ジィルガ、この命乞いをしている者に対しても、容赦なく蹴りを喰らわせ、相手をうつ伏せに倒したのです・・・

そして―――・・・なんと、その者の首に、鎌をあてがい―――――〕

―――ズ                  パ―――

びちゃ

 

 

ナ:(うっ―――!!)(←思わず目をそむけた人)

臾:(ひ・・・ひょえぇ〜〜)

サ:(なんてヤツだ・・・命乞いをしているヤツにも・・・・だとは。)

バ:(まさに、情け容赦なしか―――・・・こんなところで、かの噂の再確認をしようとは・・・な。)

 

 

ジ:チッ――――・・・返り血か・・・私も、らしくない。

  穢わらしきは、木偶の鮮血というのに・・・・。

 

 

〔このとき、バーディーのいいおいた“噂”とは、例え味方であっても、仕置く事には何の躊躇(ためら)いもなし―――・・・

と、言った事であり、しかもそれが、今、自分の目の前でなされようとは・・・

 

そして――― 一同は、また新たな拠点の穴・・・と、思しき場所に。〕

 

 

ジ:さぁ―――・・・出てきなさい、イゾルテ。

 

 

〔そこで、ジィルガが、その名を呼びかけると・・・突如として空間から穴が開き、その中からは、赤銅色の体色をした悪鬼が!!

そう・・・その者こそ、イゾルテだったのです。〕

 

 

イ:むうぅ〜〜・・・配下の者の気配がなくなり、気にはしておったが・・・狩り手か―――・・・

ぬっ?!見ぬ顔がいるな、キサマは何者か!?

 

ジ:ふふふ・・・・知らなくて当然、何しろ、私は欧州の者だから―――・・・ね。

イ:ナニ?? 欧州? しかも・・・その大鎌は―――・・・まさかキサマは!!?

 

ジ:あら、このウイッチを存じていたようね・・・でも、あなたのような不細工に、名が売れていたとは・・・とても思えないのだけれど??!

イ:ほさけえぇ―――!! キサマも知っていよう! ゾークレイルを!!

 

 

バ:な・・・ナニ?! ゾークレイル・・・だと?? そんなヤツまでも復活していたのか?

ナ:バ、バーディーさん、なんです? その・・・ゾークレイル・・・って。

 

バ:あいつと・・・イゾルテと対を成す、蒼い体を持つ悪魔の事だ・・・

ナ:な・・・なんだって――???

 

サ:そして・・・『凍結麻痺』、『毒霧』をスキルにもつ、ちょいと厄介な相手・・・・でな。

臾:と・・・凍結―――して、さらに麻痺・・・でッか?? しかも、追い討ちで・・・毒?! ちょいとどころの話やないやんっ―――!!

 

サ:しかし――― そんな相手が・・・まさか、欧州で復活?! してたとでも・・・??

臾:ありゃあ―――? (うち・・・スルー?)

 

 

〔そこでなされた会話の中に・・・この赤銅色の悪魔に匹敵する、蒼靂(そうれき)の悪魔も、欧州で復活していたようです・・・

が―――・・・〕

 

 

ジ:あぁ・・・ゾークレイル・・・・(ごそごそ)・・・・・。(ぽい)

        と―――・・・

ごろごろごろ・・・

 

イ:(ぅん―――・・・?)・・・・・・こ―――ッ・・・これは!!(わなわな・・・)

 

 

〔その名前に聞き覚えがあるのか・・・ジィルガ、あるモノを懐より取り出し、放り投げたようです・・・

そして、何モノか―――・・・と思ったイゾルテ、自分の足元に転がった それ をよく見ると・・・・〕

 

 

臾:うえっ?!! あ・・・あれ、よう見たら・・・生首やんかぁ!!

ナ:う・・・ウソだろ?!

サ:お―――・・・おいおい・・・。

バ:もう・・・既に、始末をつけた後だと―――??

 

 

イ:ぬッ・・・ぬぉおお!! 少し前より、気配が感じられなかったから、心配しておったら―――・・・

  こ・・・これはキサマがやったのか―――!!?

 

ジ:あぁ―――何かと耳元で騒がしいから・・・静かにしてもらった・・・ただ、それだけの事よ。

 

イ:お・・・おのれぇえ!! 喰らえ! サンダー・ボルト !!

 

 

バ:はっ―――!! こ・・・これがヤツの・・?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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