<肆>
〔そうこうしている間に、こちら(ギルド)は、終業時間となりまして―――
そして、教会にいくサヤと臾魅は・・・〕
サ:やァれやれ・・・なんだか気が重いねぇ。
臾:やっぱ―――そうでっか?
サ:あァ・・・奴さん、途中でいなくなってたけど・・・
臾:恐らく、ここにいてはるんでしょうなァ・・・。
サ:(はぁ〜〜あ・・・)さて・・・、入る・・・ぜ。
臾:へぇ〜い・・・。
〔そして、そこには大方の予測どおり、黒のガウンを纏ったジィルガが一人―――
礼拝堂の席に座っていたのです。〕
ジ:・・・・・。(ニ・・・)
サ:は・・・。(やっぱし・・・)
臾:う゛ぃ・・・。(そなんやろなぁ〜〜・・・)
バ:おぃ――― そんなとこに突っ立ってないで・・・早く中に入れよ。
ナ:そぅだぜ? 後つかえてんだから・・・
臾:あ゛――― すんません・・・
ナ:(ん?!)あ゛――― あんた・・・・
ジ:(クス・・・)あら、どうやら、ようやく全員揃ったようね。
ナ:そ―――それより・・・あんた一人? で・・・例の『教育係』の人は?
ジ:ふふ―――・・・ねぇ、セイバー。
マ:うむ、まぁ・・・皆も知っているので、あえて紹介はしないが、
この人が、『教育係』のジィルガ=アィゼナッハさんだ。
ナ:な・・・なんだってえぇ〜〜―――?!!
サ:はぁ〜あ・・・ヤレヤレ・・・もちっと、ましなのがこなかったのかねぇ。
ジ:あら、ブレイダー・・・・何か?
サ:いいや、別に・・・ただねぇ、こっちとしては、あんまし真昼間から、ギルドでいちゃついて欲しくねぇンだよ。
ナ:はあ゛ぁ゛?! ギルドで・・・いちゃつくぅ?! ど――いうことよ!それ!!
臾:あぁ・・・それなんやけどな? こんひと、ステラはんひっつかまえて・・・離さへんのですわ。
ナ:あんだってぇ?! た・・・タケ坊を゛?! ――――で・・・だとすると・・・おひぃさんって人の反応は・・・
臾:そら・・・ま、ゴソーゾーにお任せしますわ・・・
サ:そ〜いやァ、あいつ、なんか煮立ってなかったか?(はは・・・)
臾:ま・・・まぁ、そうゆぅたりなや、ドン・・・うちかて、あん人においしいとこ、もってかれたンやさかいに―――
ナ:オ・・・を・・・おいしい・・・とこ??
ジ:あぁら、あなた達、ひょっとして妬いてるの?
サ:あぁ――― 少なくとも、こいつ等二人は・・・な。
ナ:あっ――― バカ!! な、なに言ってんだよ!!(赤ッ)
臾:へへ・・・ま、まあそうテレなや、アミさん・・・。
バ:なにやってんだ・・・このバカ共は・・・・#
臾:そ―――そやかてなァ! ちょい聞いておくれーなバーディーはん!!
こちとら、まだ手も満足に握っていぃ――ひんのに・・・こん人ゆぅたら・・・ステラはん、べたべた触りまくっとんねんで??!
ナ:な―――にィ・・・!# ホントか!それは!!#
バ:筋金入りの・・・・バカ共が!##
ジ:(フフ・・・)まぁまぁスレイヤー・・・。
それはそれとして―――・・・この二人には、これより一層奮励努力してもらわないと・・・・ね。
バ:は・・・はァ・・・まあ、それはそうだが・・・。
(・・・と、言うより、こんな色ボケで大丈夫なのか??)
〔・・・・と、まぁ・・・バーディーさんの懸念も、まぁ分からなくはないですが・・・
(とはいえ、一人のをとこをめぐっての、すったもんだ・・・って、『王道』(ラブ・コメ)か?? これは・・・^^;;)
それはともかく――― ジィルガ女史が再びここにやってきたのには、やはりそれなりの理由があったのでして、
以前垣間見せてもらった仕手の方法などを、欧州の本部に持ち帰り、彼女なりの評定を加えた上で、
これから若い二人に習得してもらうべき―――スキル―――『連繋』のプランニングを説明したのです。
それにより、臾魅には、サヤや、母香織と同じく『オフェンス』としてやっていくよう指示を出し、
かたやナオミには、=ノヴァ・ハーツ=というものの、『タクティクス』(戦略眼)の特性を行かし、
『ディフェンダー』でも、より“遊撃的”な『ショート』になるように指示を出したのです。
それをみるにつけ、なんとも的確な指示を出していたようですが―――
それならば、一方で気になるのは、昼間のメールの件・・・なのですが・・・〕
バ:(“裏切り者”・・・か、一体誰なんだ?
確かに――― サヤは、元々ヴァンパイアで、ヤツらからそう呼ばれてはいるが・・・あいつとは付き合いが永いからなぁ・・・
万が一、そんな素振りを見せたなら、私どころか、シホのヤツも気付くだろうし―――・・・)
〔そう―――『裏切り者』と聞いて、真っ先に浮かんでくるのが、ヴァンパイアのサヤなのですが・・・
彼女とは、十数年来顔をつき合わせている――― いわば気心の知れた中であるため、思い当たる節などなかったわけなのです。〕