<参>
〔―――・・・と、まぁ・・・そんなこともありながらも。(笑)
それぞれの勤め先の勤務時間も終了し、教会に集まる『狩り手』のメンバー達。〕
マ:どれ・・・みんな集まったようだな。
それで、これから早速で悪いのだが、仕手で動いてもらう。
ジィルガさん―――・・・
ジ:ヤー。
実は先程、匿名からの連絡により、以前潰しておいたはずの拠点:ゾーンの周辺が、また騒がしくなり始めたようです。
ナ:はぁ?? 拠点・・・って、あの港の倉庫街が??
臾:ウソやろ〜〜、なんつぅても、ウイッチはんがやりはったんやさかいに―――・・・
ジ:ですが・・・これは紛れもない事実です。
それに・・・あそこは“魔素が濃い”という、特異な点(ポイント)である・・・と、いうことも判明しています。
臾:つぅ〜〜―――ゆぅ〜〜――――ことは・・・や、なぁ・・・
ジ:そう・・・“魔素が濃い”という事は、それだけ拠点が復活しやすいという事。
ナ:で・・・でも、あの時は、首領格のイゾルテを―――
ジ:確かに、倒しはしましたが、それではまだ不十分なのです。
バ:では――――どうしようと??
ジ:あの時は―――・・・こちらも下準備がままならなかったので、一時的な封鎖を行ったまで・・・・
ですが、今は違います。
セイバー、あれを・・・・。
マ:うむ―――・・・
〔ジィルガに促され、何かの箱を持ってくるシホ・・・・その中身は――――〕
臾:お札―――・・・やんなぁ、これ・・・
ナ:こんなんで・・・大丈夫なの?
ジ:(フ―――・・・)シンプル・イズ・ザ・ベスト――――
確かに――― これでは“永久的”・・・と、まではいかないけれど、しばらくはこれで保つことでしょう。
サ:期間としちゃあ―――?
ジ:そうですね――― 十年程度が、関の山・・・と、いったところでしょうか。
臾:は――― たったそんだけの期間なん?? 短かない??
ジ:でも――― それだけの期間があるのだったら、あなた達も十二分にレベルのほうもupしているでしょう・・・
それを見越しての手段なのよ・・・これは。
バ:ふぅむ―――さすがに・・・
マ:(深慮遠謀・・・)
サ:っ―――たく、大した知略家だよ、あんたは。
ジ:(フ・・・)と、いうより―――― これを考えるべき“ブレーン”が、ここにいなかっただけの話でしょう?
でも・・・今は違う、私がここにいる限りは・・・・ね。(ニヤリ)
臾:う゛―――・・・。(ゾク・・・)
ナ:ヒ―――・・・・。(ゾク・・・)
〔ジィルガ女史の、ウイッチのその一言に、どことなく背筋に寒いものを感じてしまった臾魅とナオミ、
それだけに、この女史の言葉には、それだけのモノを裏付けする何かがあったようです。
そして――――数時間後・・・彼女達は、あの現場にいたようです。〕
ジ:言うまでもないコトだけど――― 私がお札を張ってくるまでの間、耐えていて頂戴ね。
サ:ま―――・・・いざとなったら、オレ達が出れば・・・・
ジ:それではダメです。
そんなことで、この子達を甘やかせていたのでは、これからの戦いも辛くなる一方だわ・・・
だから、今回は、ブレーダーにスレイヤーは休んでいて・・・あくまでこの二人に任せるの・・・いいわね。
臾:ちょ〜〜―――チビしぃコトいうお人でんなぁ〜〜〜
ナ:あ・・・ああ・・・・期待されるというのが、こんなにも辛いことだ―――・・なんて、思ってもみなかったよ・・・
バ:泣き言は云わずに――― ほれ、さっさといって、片して来い―――
ナ・臾:うへへぇ〜〜い―――――
〔多少―――厳しい事なれど・・・これが、彼女の、臾魅やナオミに対する、優しさだったのかもしれません・・・・
が、しかし――― このときはまだ、ジィルガがあのような行動をとるとは・・・・誰もが予測だにしえなかった事でしょう・・・。〕
バ:(ふぅ・・・っ)しかし――― あなたも意外とやるもんだね―――・・・
ジ:はい?
バ:いやね――― あなたにあって、私達に欠けていたモノ・・・それが、“厳しさの中の優しさ”だということが・・・ね。
私自身・・・あいつらが壊れない―――壊れないように、慎重になり過ぎていたのかもしれないなぁ・・・・。
ジ:(ふ―――・・・)いえ・・・それほどの事はありませんよ、スレイヤー。
私は・・・ただ・・・・厳しいだけの女、“意地悪魔女さん”―――ですから。
バ:ふ―――・・・言うねぇ・・・。
ジ:さて――― 私は私の仕事をしないと・・・それでは。
〔ここでジィルガは、拠点の中心部に向かって行動を開始。
そして、バーディーも、次第に件のメールの事を、疑い始めていたのです。〕
バ:(ふぅむ・・・一応同じ名なので、眼を光らせておいたんだが―――とんだガセだったようだな・・・
もし、あの人が本物なら、こんなに人には優しくしないだろうから・・・・な。)
〔今の・・・気になるバーディーの一言・・・それは一体なにを意味するものなのでしょうか。〕